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 『バンド・オブ・ブラザーズ』 ― 久しぶりの戦争映画の大作 2008年02月10日

『バンド・オブ・ブラザーズ』(http://www.bandofbrothers.ne.jp/)を見た。

『プライベートライアン』のスピルバーグとトムハンクスが一緒になって制作した作品。ノルマンディ作戦の連合国軍における精鋭部隊の活躍を追った実話の作品。

テレビ映画だが、とにもかくにもカメラがすばらしい。戦争映画のカメラとしてはトップクラスだ。それを楽しむだけでも充分(戦争映画のカメラを「楽しむ」というのは不謹慎だが)。

カメラは特には2話、3話、内容的には9話が良くできていたが(全体で10話もある)、
映像的には、9話のダッハウ収容所のユダヤ人達の映像。これはとてもまともに見ていられないほどにリアルだった(収容所のユダヤ人映像としては、どうやって撮ったのかわからないほどに究極のものだ)。当時の連合軍前線部隊はこういった収容所の存在自体を知らなかった(ドイツ人さえも)。ダッハウ収容所を偶然見つけた連合軍兵士達の沈黙がユダヤ人の悲劇を一層重いものにしていた。

このテレビ映画は、カメラが良い割に音楽が良くなかったが、この9話のダッハウ収容所からの音楽はまるで音楽作家が生き返ったかのように重い惨状を見事に伝えていた。

もう一つは、映画構成上それと対極におかれたヒトラーの別荘映像(最終巻の10話)。ベルヒテスガーデン(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%92%E3%83%86%E3%82%B9%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3)とイーグルスネスト( http://4travel.jp/traveler/tango/album/10018334/)の映像だ。

私の息子・太郎(http://www.ashida.info/blog/2007/06/post_208.html)はのんきそうに、現在ヨーロッパ(イギリス、スペイン、イタリア、フランス)へ卒業旅行に行っているが、この10話の映像をわざわざ見せて必ずベルヒテスガーデン、イーグルネストを訪問するようにと命じておいた(もちろん旅費と経費は一切援助していないが)。

このダッハウ収容所とベルヒテスガーデンの二つの映像は、最後まで心に残る。

脚本では、9話のベルコンテ伍長とオキーフ補充兵との会話(http://www.bandofbrothers.ne.jp/companion0905.html#a)が秀逸。

駐留地(シュテュルツェルベルグ)の壕の中でペルコンテ伍長が『ブルックリン横丁』を読んでいる(9話の開始20分)。

その壕の中でまだ戦闘体験の一度もない補充兵のオキーフ二等兵が鼻歌交じりに戦うための機関銃を準備している。

まだ補充兵なのでペルコンテに名前を覚えてもらえない。「オブライエン、静かにしろ」と叫ぶペルコンテ。

「『パトリック・オキーフ』です」と言い返すオキーフ補充兵。そう言いながら、鼻歌まじりに銃の設置を続ける。

「うるさい、オブライエン」と本気で怒るペルコンテ。気が散って本が読めない。

「オキーフです」と今度はオキーフが怒る。

「名前なんか覚えたくもない」とペルコンテが言い返す。

「スミスやらオキーフやら次々と補充兵が来て戦闘になれば真っ先に死ぬ。口だけは達者だ。『ベルリン降下はまだか?』だと。2日後にゃ、血まみれに転がって『ママ助けて』と叫んでいる。みっともねぇ。戦争の中じゃ今が一番いい時なんだ。食べ物もシャワーも寝床もある。ドイツは快適だ。トイレットペーパーもある。戦闘の話はよせ。鼻歌もだ」。

少しいじけて機関銃から手を放すオキーフ。押し黙ってしまう。少し言い過ぎたか、とペルコンテは読んでいた『ブルックリン横丁』を置き、そのオキーフに近づき、「国を出て数週間か?」「はい」「俺は2年になる」…

と会話が続く。

この映画のもっとも良質な部分だ。

戦争映画で戦争など論じることは出来ないが、ヒトラー(やナチ党幹部)の別荘地ベルヒテスガーデンを占領しても、「まだ日本がある」と主人公ウィンターズ少佐に言われたときには思わず我に返って笑ってしまった(苦笑)。

※戦争映画そのものについては、かつて『ブラックホーク・ダウン』をコメントしたときに書いたものがありますから、良ければ読んでみてください。(2002/10/22 http://www.ashida.info/blog/2002/10/hamaenco_1_67.html

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(Version 1.0)


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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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