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 ウイルコムのZERO3(ES)を返品してしまった ― やはり時間の問題だった 2006年09月17日

ウイルコムのZERO3(ES)https://store.willcom-inc.com/ec/faces/lstlscp000906/は、(私の周辺の)大方の予想通りもはや使っていない。使っていないどころか、返品してしまった。“初期不良”で、メールソフトにバグが存在しており、メール量が大量になると、すべての受信メールが表示されなくなる、というとんでもない初期不良だった。

※ウイルコムは8月下旬にもなってやっとこのことを認めている(http://www.willcom-inc.com/ja/support/update/index.html)が、「W-ZERO3メールの処理を改善しました」と報告している。それはないだろう。正しくは「処理を改善」ではなく、「不具合を修正しました」だ。それに謝罪の一言もない。

ウイルコムに電話をしてみると(8月上旬のこと)、「こちらにお預かりいたして修理します」とのこと。期間はどれくらいかかるの?と聞くと、「まだ完全に直せるかどうかわかっておりませんのでなんとも」。そんなバカな、と思ったが「それなら返品します」。「こちらで検討させていただきます」。2日ほどして電話あり。「では返品を受け付けますので、お送りください」。

そうして結局返してしまった。買って2週間だった。でもまだお金は返ってきていない。どうなっているのだ?

しかし私の返品の動機は、メールソフトのバグにあったのではない。

やはり動作のもたつきが一番耐えられない。CPUのパワーがないのか、プログラミングのわざがたりないのか、軽快感がまったくない。同じメール(長文メール)を読み込む場合にも、私のFOMA D902iS(http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/d902is/)に較べて3倍以上遅い。わざわざ砂時計マーク(ウイルコムの場合マークは砂時計ではないが)が出るくらいに遅い。日常的に使う頻度が高いからこれが耐えられない。

もう一つはメールソフトの使い勝手。これがサイテー。

サイテーというのは、携帯電話に較べて。メールソフトのインターフェイスは、携帯電話に勝るものはない(過当競争がもたらす恩恵というものか)。たとえば、ウイルコムZERO3メールソフトは、任意の受信メールを選択して複数一括削除ができない。しかも削除はタイトルが出ている状態(受信の最初の状態)でしかできない。一度受信メールを開いて、削除したいと思ってもメールを開いた状態では削除できず、もう一度タイトル表示状態に戻ってからでないと削除ができない。さらに返信メールの際、受信本文がいつも引用文としてくっついてくる。これもあれこれと削除設定はないかとさぐったが、ダメ。ついにウイルコムに電話をかけたが、「そうなんですよ。消せません。自分で消すしかありません」とのこと。こんなバカなことはない。

現在のPDA利用でもっとも頻繁なものは、メール利用(受信・発信)だろうから(結局は携帯電話と同じになる!)、ここが操作上もたつくと、先の軽快感のなさもあって、使う気が一気になくなる。

ネット上のWEBメール(Gmail)などで代用することもできるが、今度は通信スピードが遅い、ということもあり、使い物にならない。PHSは、FOMAの約3分の一のスピードだから、耐えられない(体感速度では2分の一くらいか)。まもなくFOMAの通信速度は今よりもさらに10倍速くなるそうだから(HSDPA:http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/showcase_top/30814.html) ― 下り3.6Mbps以上になる! ― 、ますますウイルコムは大変だ。

結局、携帯電話(FOMA)で充分じゃないか、ということになる。現在の時点でZERO3と携帯電話(FOMA D902iS)との主要な機能上のテーマは三つある。

①モニタの解像度(大きさでは私のD902iSの2.8inchとZERO3 の2.8inchとでは同じ)が、ウイルコムの2.8inchは、VGAだから4倍あり、これは明らかなZERO3の勝利のように見えるが、これが利点なのは、インターネットブラウジングの時のみ。通常利用では特に利点にはならない。しかもインターネットへの通信速度が、ZERO3の方が格段に遅いとなれば、解像度の利点は相殺されて、ゼロになる。

②キーボードの有無の利点。これはZERO3の大きな利点だが、入力利用の最大のものはメール時がほとんど。このキーボードでMS-WORDを起動して文章を書く気にはとてもなれない。しかし肝心のメール発信時の入力もメールソフトが先の指摘のように使いづらいために、ほとんど使う気が起こらない。そもそもモバイル的な利用で本格的な長文を書くことなど滅多にないだろうから、これもほとんどメリットがない。本格的に書くのなら、常時カバンに入れているレッツノートR5(http://www.mylets.jp/r/index.html)を使うだろうから(電池のもちもこの方がはるかに長い!)、ZERO3キーボードには出番がない。

③仕事で頻繁に使うパソコンとの連携はどうか。パソコン連携で一番利用度が高いのは、MS-OUTLOOKなどとのスケジュール管理。常時持ち歩く携帯電話で日々のスケジュールが確認できたり、その場でスケジュールが入力できるのはありがたい。しかしこの点でもFOMA D902iSは、MS-OUTLOOKとのシンクロが可能。しかもD902iSの方は画面に直接アポ内容が表示されるので、ZERO3より便利。

その他、特に問題になる“違い”はない。携帯電話でもメモリーは2ギガバイトまで対応するようになっているし(私は実際に2ギガバイトを増設しているが、携帯電話で2ギガバイトのデータを扱えるなんて数年前誰が想像したことか)、音楽も動画も2ギガバイトもあれば自由自在に再生できる。カメラ機能もZERO3のものに較べて、解像度も3倍以上、手ぶれ補正もあり、動画まで撮れる。WordやExcelのデータを持ち歩くことも出来る。モバイル的に実用になる範囲で言えば、何一つ劣るものはない。むしろ小さくて軽いという利点が、少しばかりの機能の多さよりも、はるかに実用的だ。

その上、私が最近はまりこんでいるのは「おサイフケータイ」。Suica(http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0404/13/news070.html)はもちろんのこと、Edy(http://www.edy.jp/)、DCMX(http://www.nttdocomo.co.jp/service/dcmx/special/top.html)まですべて登録して使えるようにしている。

これは財布を持ち歩くのが嫌いな私にとっては天国のようなもの。小金の出し入れ(昼食など)には特に便利だ。なんといってもサインレスで支払えるのがいい。ドコモはワンセグよりもこの「おサイフケータイ」に力を入れているが、正しい戦略のように思える。よく、「そんな携帯を落としたら大変じゃない、危なくない?」とわけのわからないことを言う人がいるが(こういった人たちは、この“情報化社会”においてすでに充分に自分たちが“危険な”状態にあることに気づいていない)、財布を落としたらその中にある現金は、そのまま誰が使っても現金だが、「おサイフケータイ」のお金は言ってみれば名前が記入してあるお金と思えばいい。24時間受付のドコモのコールセンターへ電話をかければ、すべての機能がロックされるようになっているから、現金を入れている財布の紛失よりもはるかに安全とも言える。

それより、昼食やスーパーでの日常的な買い物(小口決済)にサインレスのクレジットが機能するというのは画期的なことだ。私は、昼食でもスーパーの買い物でも、おつりをもらった方が早い=速いか、そのまま一円でも探してぴったし払う方が早い=速いか、毎回迷っている。特に最後の一円や10円を探すのが大変。見つけてもそれを取り出すのに2秒はかかる(動揺して最後の一円玉がやけに取り出しづらい)。またその動作の緩慢さに、レジの女子高生は愛想をつかしている(余計に動揺する)。被害妄想的にそう考えてしまう。

ダイエーは昔から電子決済に熱心な企業だったが、最近、全店「おサイフケータイ」対応計画を打ち上げた。すべてのスーパーも倣って欲しい。スーパーでこそ、「おサイフケータイ」は活きる。携帯電話と結びついて、小口決済のクレジット化は本格化し始めた。いまや携帯電話は、あらゆる分野のビジネスチャンスの磁場と化している。

ウイルコムの商品には残念ながら「おサイフケータイ」に対応するものがない。

にもかかわらずなぜZERO3を買ったのか? やはり、このZERO3(ES)は格好がいい。ブラックのESは特に洗練されている。そそられるものがある。せめてパワーさえあれば、と残念しきり。現在は、結局ザウルスSL-C3200(http://ezaurus.com/lineup/slc3200/)に戻ってしまった。キーボードの品質でこのザウルスに勝るものはない。

モバイル機器については、何度新製品を追いかけても同じような“反省文”を書き続けているが、モバイルの本質は、結局は身体論。身体と同化するまでは、モバイルに完成品はない。そして身体と同化するモバイル機器なんて原理的に存在し得ない(限りなく同化しうるだろうが)。つまりモバイルの本質は挫折の連続ということだ。でもこんなことを書いてもいかにも弁解がましいなあ。嗚呼、ウイルコム。また年末には新しいZERO3が出るだろうが、きっと買うに違いない。そして今度はFOMAのPDA携帯電話も出てくるだろう。それもきっと買うに違いない。嗚呼、FOMA。嗚呼、モバイル。

(Version 9.2)


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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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