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 症状報告(63) ― 気分は高木ブー 2004年12月14日

家内は今日火曜日からふたたび点滴ステロイド(=パルス)を受け始めた(火、水、木の連続投与となる)。9月の再燃以来(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=345.124.67)、先月も含めて(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=361)、まだ炎症が続いている。この病気は、再燃は、ほとんどの場合、“悪化”を意味する。それが証拠に11月の再燃以来(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=361)ベッドで寝込む(というか動けない)ことが多くなった。玄関で私を見送ったり、迎えたりすることすらできない。自力でトイレに行くのが精一杯で、もはや完全介護一歩手前といった感じだ。動けなくなっていく人間は、どうなるのか(どう動けなくなっていくのか)、動けなくなると何ができなくなるのか、さながら人生の“自然な”終末を短期間で体験しているのが芦田家の現在。私も息子の太郎にとっても他人事ではない。

衰えているのは股関節部位の足を引く力(これは9月の再燃で目立ってダメになった部位)。これができないと、たとえば、すわったまま膝を立てたりすることすらできない(らしい)。だからもちろん立てない。脊髄の神経がやられると、そこから下の神経がやられ、同時にそれと並行してそれに付随する筋力低下が必然的に訪れる。

ステロイド治療は、“神経”をそれなりに蘇生させるが、神経の蘇生の時間性と筋力の蘇生の時間性(ゆったりとしか蘇生しない)とは異なるので、再燃を繰り返すと、筋力はどんどん衰えることになる。筋力が蘇生する時間を確保するためにも、再燃は阻止しなければならない。これが、この病気の最大の治療法。

しかしステロイド治療は、抗ガン剤と同じように免疫力を低下させる。生命力全体を低下させて、自己免疫性(自己攻撃免疫性)を低下させているのだから、本来の治療にはならない。本当に低下させると(免疫がなくなるのだから)、風邪を引いたり、別の病気になったりする。

先週末は、膀胱炎を併発したりして(女性は尿道が短いから、疲労がたまり免疫力が低下するとすぐ膀胱炎になる)、悲劇だった。膀胱炎に対しては抗生物質http://www.chem-station.com/yukitopics/antibiotics.htmを飲むのだから、ステロイドと逆作用のことが身体で同時に起こることになる。何をやっているのかわからない。でも、これがこの病気の治療なのだとも言える。決定的な治療薬がないのだから、こういったバランス治療に耐えうる体力だけが勝負だとも言える、さいわい家内の臓器は結構健全で、副作用の指標(肝機能=コレステロール値、腎臓、貧血、白血球・赤血球の数など)も異常はそれほどみられないから、なんとか低空飛行でも生き延びている。

しかし、ステロイド治療による別の病気の発症で抗生物質を多用しはじめると悲劇しか待っていない。その意味ではステロイド治療(人間をわざわざ反健康化するステロイド治療)をどう脱却していくかが、この病気の“治療”の鍵を握っている。

私の家内の場合、ステロイドが瞬時に効くのが“災い”して、再燃も早い。結局対症療法の悪循環なのかもしれない。要するにステロイドを徐々に減らしていって免疫力が高まると、また脊髄で炎症が起こり、炎症が起こるために、またステロイドを増量する。これでは病気は治らない。これは、抗ガン剤治療を躊躇しているガン患者やその家族の悩みに似ている。安保(あぼ)“理論”信者(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=216.124.35)が増えるゆえんだ。

担当医もステロイド治療を積極的には勧めない方針のようで、年明けに「血漿交換法http://www.asahi-kasei.co.jp/medical/ketsuekijokaho/kessho_top.htmlをやってみましょうか」と提案があった。何でもやりましょう。

しかし、ガン患者と違って面白いのは、私の家内の顔は、そのステロイド治療のお陰(副作用)で何ともふくよか。英語では、この“ふくよかな”顔(=ステロイド顔)のことを「ムーンフェイス」と言うらしい。昔から家内を知る人には、かえって今の方が「元気そう」という人もたくさんいる。それもあって足の動かない悲劇が、私には喜劇のようにしか見えない。

部屋の中でもたとえば小さなゴミ箱があっても進行を躊躇している家内を見ていると、まるで自宅が障害物競走のフィールド、あるいはジャングルのようになったみたいで、「ディズニーランドも行かずに自宅だけでこれだけ楽しめるのはあなたくらいだよ」といつも無視している(たぶん100?にも充たない我が家が彼女にはディズニーランドくらいの大きさに見えているのだろう。自宅で何日いても退屈はしないようにできている。神様は健康な人にも、病人にも世界を平等に与えている)。というのも「ムーンフェイス」で困った顔を見せられても、悲壮感がないからだ。ガン患者ならどんどんやせ衰えていくが、私の家内は高木ブーのような顎になっている(家内の名誉のために言っておくが、それほどひどくはないが)。どう同情しろと言うのか。

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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