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 症状報告(22) ― 仮退院の三日間はスリリング 2003年07月23日

 家内は、18日金曜日の夕方から自宅に戻り、21日のお昼過ぎまで自宅療養の“訓練”のために仮退院していました。

 しかしまだまだ自宅療養という感じではないようにも見えます。一人でよちよちと歩けますが、まだ経口ステロイドがよく効いており、ときどき全身に突っ張るように電気が走ります(神経を蘇生させるような電気的な突っ張り)。それはいつおこるかわからないため、支えるものなしで立っているときに、それが起こると倒れるしかありません。膝も簡単に曲げることができませんからきれいに倒れることができません。倒れ方によっては、頭を打ったりしてむしろそちらの方が命取りになることもあり得ます。伝え歩きのできない状態では一人で行動しない方がよいのです。」

 帰ってきて、自宅マンションの隣にある『サンマルク』で食事をしようと彼女を一人でクルマから降ろし、私はサンマルクの駐車場にクルマを収めようとしたのですが、何やら彼女がサンマルクの入り口でうずくまっているのが(ちらっと)見えた。私は安全なところにクルマを止めるのに右往左往していたのだが、クルマを収めて彼女のそばに近寄ったら、一人で泣いていた。「私が倒れたの見えなかったの? 何で助けてくれなかったの? クルマの方が大事なの?」と泣いている。「だってクルマの方が値段が高いからな」なんて言ったら、とんでもないくらいに怒っていたから、大変。しびれの電気ショックが(座っていて突然立ったから)起こったらしい。そんな身体で、仮退院させる病院も病院だと思ったが、ステロイドは神経も過敏にするらしい。ここは我慢するしかない。私は、あなたが“無事”倒れたのを確認してからクルマを優先させた、という訳のわからない弁明をして、何とかその場を凌いだ。たしかに、一人で歩かせるのは危険なようだ。

 幸い、夏休みに入りますから、息子は家にいる場合が多くなるため(午前中は予備校)、自宅療養も可能かもしれませんが、誰も家にいない場合は、危険な自宅療養になります。息子と私が帰ってきたら、家内がテーブルの角で頭を打って倒れて死んでいた、という訳のわからない“ミステリー”になってしまうことさえあるということ。この場合の病因(死因)は、なかなか複雑です。

 経口ステロイドは、前月から最初は5ミリの錠剤を10錠からはじめ、8錠、6錠、5錠と減らしてきました(今は5ミリ×5錠です)。この段階ではリハビリとミエリンの炎症(http://www.so-net.ne.jp/medipro/nankodo/xforeign/nejm/abstracts/contents.cgi?346-03-0165.data)を治癒することとの“関係”がなかなか見定めが付かないのかもしれません。

 一度、神経が死んでしまってぶらぶらになった足を動かすという場合、神経の損傷自体を治癒することと足の筋肉自体を蘇生させることとの間には、どこまでの相関があるのか、それが私にはわからない(一番疑問なところだ)。たとえば、神経自体が仮に100%治癒しても、たぶんそれだけでは足は動くようにはならないだろう。かといって、いくらリハビリで筋肉系(運動系)を鍛えたからといって、そのことが作用して(反作用して)ミエリンの炎症が治まるとも思えない。ステロイド(によるしびれ)は、リハビリには邪魔だし、しかしミエリンの炎症を抑えないことには何も始まらない。結局は、もう少し時間がかかるということか。こういった病気の場合、何が自立的な要因なのかは見定めにくいということだ。

 しかし2人の生活が3人になったり、また2人に戻ったりするのは疲れる。2人と3人では食事の用意が全く異なる。分量が別次元になる。これが難しい。2人では、私の作る料理はいつも多すぎるが、その多さでは、3人になると今度は足りない。それに息子に食事を作るのはどうということもないが(私は今の息子と同じ高校3年生の時に父親が6ヶ月間入院し、中2の弟に食事を作り続けた経験があるが、それが今度は息子に同じことをしているという感じだ)、家内に食事を作るというのはなんだか素直にできない。家内が家に戻ってきても、当面は私が家事全体を担うことになるから、余計にそのことに素直になれない。日頃全く家事を手伝わなかったからか、どうも素直になれない。

 息子が母親のために働くのは(親孝行ということで)絵になるが、私が家内のために食事を作る、掃除をするというのはどう考えてもしっくりこない。よく保育園で愛想良く振る舞っている父親がいるが、そんなところで愛想を振りまくのなら、子供を保育園に預けなくてもよいような甲斐性をもった方がよい。私は6年間いつも保育園には敵意をもって通っていた(別に保母さんに敵意をもっていたわけではなく、自己敵意とでもいうものだった)。

 特に家内は軽快に歩けないということ以外には、まったく“健康”なので(電話で話すかぎりは、誰も“病人”には思えず他人からは「元気そう」で済んでいる)、看病するという気になれない。本人もそのことを気遣って、「私って邪魔?」と何度もこの3日間私に聞いてきた。答えるのも面倒くさい。今週の26日土曜日は、息子の18歳の誕生日(私と家内が獅子座と射手座なので、わざわざ超計画的に獅子座の子供を作ろうとしたが、危うくその手前の蟹座で生まれそうになったので、「蟹座だといじめられるよ」とささやき続けたら26日を待って生まれてきた)。本当はそれを祝うつもりで退院を予定していたが、先のような理由で月末一杯病院にいた方がいいかもしれない。でもまた週末は仮退院で息子の誕生日を祝いたがっている。私は、先の3連休で家内に付きっきり。おかげで持病の外耳炎が久しぶりに発症した。こんなこと書いたらまた怒られそう。

投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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