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 私がマンション管理組合理事長を解任された理由 2002年03月20日

マンションの「管理マネージャー」に対する不満は、その当人に直接言ってはダメです。ますますことを大きくしてしまいます。もともと問題を起こす人なのだから、その人に不満を直接言うことは、問題を大きくするだけです。管理会社の上長を呼び出すか、連絡して事情を話すのが近道です。要するに「管理マネージャー」も住民の一員と思っておいた方がいいと思います。こんなに口の軽い人はいません。

 

私が理事長を解任されたのは、以下の提案(文章)を理事会で議案にかけた直後です。壮絶なものでしたが、その後(解任された後)、どうなったと思いますか? とりあえず、アップしておきます。なんでもありの「芦田の毎日」です

●理事会活動における公開性について(某マンション理事会理事長:芦田宏直)

 私がこのマンションの理事に立候補させていただいたのは、昨年引っ越してきたばかりで、どんな組合活動をやっているのか、知りたかったからです。

 総会に出て、“初心者”であるにもかかわらず、思わず発言させていただいたとおり、すぐさまこのマンションの理事会活動は変だ、と思いました。屋上防水の「仕様書」を一理事に個人的に作らせるということが変だと思ったのです。屋上防水や外壁修繕など中・大規模修繕にかかわる「仕様書」の作成は、理事会活動の重要な仕事の一つです。今回の屋上防水の費用は3000万円。単にマンションの資産・生活保全に関わるだけではなく、組合員の積立金の少なくはない金額の拠出につながっているという点で、できうる限り公開的に仕様書をつくることが重要です。おおざっぱに言って、その金額の内容(内訳)が記載されているのが「仕様書」というものです。あるいは正確に言えば、どんな内容の屋上防水を行うのかを記載してあるのが「仕様書」というものです。施工業者は、「仕様書」に従って工事を行うだけですから、「仕様書」に不備があれば、屋上防水工事を行ったことにはなりません。施工業者は屋上防水に責任を負っているのではなく、仕様書通り工事を行うことに責任を負っているだけです。

したがって、「仕様書」の適正な作成が理事会活動の重要な柱になります。施工後、何か問題があった場合、仕様(仕様書)の不備か、施工の不備かが問われることが少なくはないからです。これを個人に任せるというのは、通常あり得ないことです。個人で責任をとることなどできないことですし、仮に取るにしても、組合全体のことを個人的な問題に帰するわけにはいきません。そのように個人に仕様書を作らせることを決定したのは組合(理事会)なのですから、基本的には、それは組合(理事会)の問題です。しかし、個人に任せることによって、その内容は個人的なままになります。現に前回の理事会では、今回の屋上防水の工事仕様を公開的・内容的に議論したことなど一度もありません(この詳細については後述)。しかもこれを公開的・内容的に議論することはほとんど不可能です。というのも個人的に作られたものを批判することは、結局個人批判になるからです。

毎日顔をつきあわす居住者の間でのそういった関係はできうる限り避けるべきです。精々のところ、「一級建築士でもある作成者を信頼して」などということになります。こう言われてしまうと、仕様書の問題を指摘することは、“不信頼”の表明と同じことになり、したがって、子細に仕様書を検討する機会を失うわけです。誰も好きこのんで個人批判などしたくはないのですから。

 昨年度の理事会は、したがって、今回の屋上防水仕様書をまともに議論していません。たとえば、今回の“屋上防水”の範囲はどこをさしているかご存じですか? 当時、理事長であったMRさんでさえ、専用部分(ルーフバルコニー)の“屋上”がその範囲内に入っていないことをご存じでなかったわけです(前々回の理事会で管理会社のYさんにそのことを指摘されていたくらいですから)。そしてまた、4階棟の屋上部分(通称「渡り廊下」部分)も最初の仕様(見積もり対象仕様書)にはなく、業者が決定してから追加されたものになっています(この間の経緯は全く不明)。

要するに“屋上”という概念について理事全体で共有されていないわけです。さらに今回の屋上工事仕様について、トップコート(車でいえば、ワックスのようなものと思って下さい)については、部材メーカー保証は3年~5年しかなく、遅くとも5年以内には再塗装の必要がありますが、それもまた今回の仕様書の中からはすっぽり抜けています。屋上防水の施工保証はたしかに10年ですが、使用している部材の保証期間は、部材毎に異なっており、トップコートの保証は(長くても)5年しかありません。見積もりをさせるときは、このトップコートの再塗装を含めた工事仕様書を作っておいた方が経費的に有利なのは明らかです。単独でやると当マンションの場合、700万円くらいになります。

もともと、屋上防水を大規模修繕と切り離してやること自体、割高になっている上に、トップコートの再塗装さえも仕様書から漏れているわけですから、今回の屋上防水は私の試算では、1000万円程度は割高なもの(無駄使い)になっています。あとは、屋上の水はけ処理です。当マンションのこれまでの屋上は水だまりが各所にできており、水はけがよくありませんでした。水だまりの部分が、トップコートの寿命を縮め、しいては屋上の防水性能を加速的に低下させるわけです。残念ながら、修繕された屋上には再び水たまりがあちこちにできています(とりあえず、「直せる限りは直しておいてほしい」と工事長には言っておきましたが、後の祭りです)。こういった補正処置も今回の仕様書の中には入っていません。私が以前住んでいたマンションで行った大規模修繕のときには仕様書の中には指示しませんでしたが、監理会社と協力して(元経費内で)勾配調整をやらせました。これがあるかないかで防水機能の維持には雲泥の差が生じます。

 さらにもっと不思議だと思ったのは、今回の屋上防水の見積もり参加業者が、元請け企業(当マンションを最初に建てた関連の業者)ばかりだったことです。通常、元請け関連業者に見積もり提出させることは、“できレース”だと言われています。M理事が業界にお詳しいということで、「今回の大規模修繕で芦田のポケットには1000万円くらいは入るだろう。そんなことは業界の常識だ」と言われるのであれば、なぜ、こういった元請け業者ばかりの見積もりで満足されたのでしょうか。私には、三井建設は、最初から決まっていたとしか思えません。そう考えるのが“業界の常識”です。

通常、こういった大きな修繕には、元請け業者を参加させません。元請けを(最初から)参加させると、それ以外(元請け関連以外)の業者が見積もりを出すのをいやがります。元請けの仕事の横取りをするかのような行動が業界では嫌われるからです。大規模修繕の業者決定について1000万の“わいろ”が存在するより、遙かに常識的なのが、元請け参加のできレース見積もりなわけです。したがって私は、今回の大規模修繕仕様提案については、三井建設や東急建設には声をかけませんでした。三井建設を決めたM理事とはそこが違ったわけです(昨年の理事会の議事録を仔細に検討すると今回の屋上防水については、M理事は単に仕様書を個人的に作っただけではなく、業者決定もほとんど個人的に決めています:この経緯については後述します)。要するに、今回の屋上防水の3000万円はもっと安くできたということです。

 つまり、今回の“屋上防水”決定には、①仕様書を個人に任せたこと ②仕様書それ自体の不備 ③業者決定にかかわる不備 といった三重のミスが重なっています。もっと悲劇なのは、このことを理事会のメンバーの中では私しか知らないということです。組合員はもっと知らないということです。1000万円以上の無駄使いをしているにもかかわらずです。

 屋上防水施工の「監理者を誰にしますか」と私が2000年2月の理事会で言ったときに、ふたたび仕様書を作成した同じ人物に任せることになってしまいました。私にとっては、個人仕様書の危険をできるかぎり避けるための提案でしたが、「前年度からの流れがあるから」ということで、仕様書も施工監理も同じ人物、という最悪の事態に陥りました。「今後こういった個人的な処置を前提としない」という取り決めでまとめるのが精一杯のラインでした。こうなると、もう意見の出しようがありません。私の危惧を理解して下さる理事の方もおられましたが、よほどの勇気がないかぎり、個人的な仕様書や監理に意見を言うことなど不可能なのです。MR理事・S理事・M理事などは、ののしるかのように管理人のYさんに強く当たりますが、それは彼が東急コミュニティを代表しているからです。Yさんが個人で参加している、しかもボランティアで参加しているとすれば、そんな批判などできないはずです。

 そこで私は、管理会社である東急コミュニティを理事会と三井建設との間に入れて、より詳細な仕様書を作ることにしました。しかしむろんこれは、M理事仕様書や三井建設を前提にした詳細化でしかないため、先の三重のミスが根本的に是正されることなど不可能です。この場にはM理事も監理者として参加されましたが、私が参加してこの場を持つこと自体不快な感じでおられたように思います。それ以後、私は、もうこの屋上防水について何も言わないようにしようと思いました(トップコートのことなどは12年度の総会議案で明確化しておけばよいと考えていました)。理事会がそう決めたのですから、私がここでものを言うことは、ますます個人的な対立にすり替わることを意味していたからです。何よりもM理事さん個人に私は何も言う気はなかったのですから。どんな仕事でも一人でやることに不備はつきものなのです。そういう決定をした理事会が批判されるべきなのです。

 なぜ、理事会はそんな問題の多い決定を行ったのか? 「できるだけお金をかけずに、自前でやっていこう」というのが“方針”だったと当時理事長であったMR理事から聞いています。これもほとんど無知としか言いようのない“方針”です。屋上防水の仕様など管理会社がすぐに出してくれます。M理事仕様書よりも遙かに詳細な仕様書を(無料で)出してくれます。管理委託業務の中には、中期・長期修繕の計画のみならず、仕様書提案についての内容が入っています(中堅クラス以上の管理会社であれば当然の業務です)。仕様書を書くことにことさらの経費がかかるわけではありません。これは管理会社の委託契約料の中に費用が含まれているという理由からでもありません。全くの外部の会社に依頼するときにさえ、仕様書作成は基本的に無料です。したがって、わざわざ、理事会が自前で仕様書を作る危険をおかす必要などどこにもないのです。単に昨年度までの理事会が無知なだけです。

たとえば、M理事は、各施工会社が仕様書を作成するのを無料で行っていることをご存じではありませんでした(1999年4/8理事会)。5年目の中期修繕(主に鉄部の全体再塗装)、10年目の長期大規模修繕と、管理会社や関連会社が修繕計画や仕様書のたたき台を提案し、それを理事会が検討するというのが通常の組合活動です。このマンションは、不思議なことにそういったマンション管理の常識を離れたことばかりをやってきています。

こういったマンション管理の常識について無知になってしまうと、たとえば、大規模修繕の仕様書作成について、他の(外部の)業者が作成すること自体、すでに業者との関係ができあがっている、という幻想に見まわれてしまいます。S理事が提出されている仕様書と同じように、私も清水建設、大成建設、浅沼組、大本組に仕様書作成を依頼しました。ここまでは、どんな業者も無料です。もし仕様書作成について「有料だ」という業者がいるとすれば、断ればよいだけです。しかもこの段階では、不正の入る余地など全くありません。金銭が関わる施工業者決定とは全く無縁だからです。

 私の紹介した4社は、家内の勤務している会社からの紹介です。以前、私が理事長を務めて大規模修繕を行ったマンションでもその会社から推薦された会社から4社程度仕様書、見積書作成を依頼しましたが、結局、管理会社(コスモスライフ社)の推薦する施工業者に決まりました。要するに仕様書作成と施工業者決定とは無縁なのです。仕様書ができた段階で、再度、依頼業者を拡大して(仕様書作成を依頼していない業者にまでも拡大して)決定すればよいわけです。もちろん仕様書提案を依頼した業者には見積もりを出させますが、今回のように何の因果でか疑惑が浮上している場合は、その会社を最終決定の際に外せばよいだけのことです。

 大切なことは、標準仕様書を公開的に作成することです。とりあえず、管理会社である東急コミュニティに、仕様書を作らせます。ただしそういったものが提案されても、果たしてそれで本当によいのか、理事会では判断できません。したがって、同じように大規模修繕のノウハウを有している他の施工業者に同時に仕様書作成を依頼するわけです。各社から出てきた仕様書と東急コミュニティとの仕様書の比較対照表を作ります。そうやって、仕様書の凸凹を理事会で検討しながら(たとえば、東急コミュニティはタイルの浮きを8%程度と見積もっていますが、大成建設では調査の結果15%としています。こういった凸凹をどうみるかなどの検討が、この段階です)、公開的に評価しつつ、標準仕様書を作成します。ここまでのプロセスには、いっさい経費がかかりません。しかももっとも公開的で効果的な仕様書作成が可能になります。

私が既に取りかかっていたのは、ここまでですから、不正の入り込む余地などないのです。業者はそれなりの経費をかけて仕様書を作成しますが、小さな会社ならいざしらず、仕様書作成のノウハウを有している業者であれば、たとえ、施工を請け負えなくても仕様書作成くらいのことは無料でしてくれます。「1000万円をポケットに入れる」ことなどここでは全く起こり得ないのです。M理事個人に仕様書を作成させ(理事会のだれもが適正かどうかの評価ができていない仕様書によって)、元請けどうしに見積もりを出させ、M理事の「報告」で業者を決定した今回の屋上防水業者決定の経緯の方がはるかにあやしいわけです。

 あとは、公開的に作成されたその標準仕様書にしたがって、再度、施工業者各社を募り、見積もり競争をさせればよいわけです。これも2段階でおこない、安い価格を出してきた上位3社程度にプレゼンテーションをさせ、再度見積もり提出をさせる、というのが効果的でしょう。私の試算では、今回の大規模修繕の場合、高グレードのフル修繕を行っても15000万円以内に収まると思います(公正に行った場合)。それ以上の金額になった場合は、“談合”があった(理事会の不正な運営があった)と考えるべきです。
 
さて、私が不思議でならないのは、そういった方法(前年度の理事会の屋上防水修繕よりははるかに公正な方法)を初回の理事会から提案しているにもかかわらず、なぜ、この理事会では議論が進まないのかということです。

 そうこうするうちに2000年3月3日にタイル落下が実際に起こりました。管理会社の緊急調査がはいり、いつ落ちてもおかしくはない箇所が具体的に10箇所以上(管理会社の方から)指摘されました。生命に関わる落下箇所もあり、理事会としては、緊急処置としてパイロン設置や通行禁止区域を決定したわけです。むろんいつまでもパイロンや通行禁止区域を放置しておくわけにはいきません。もはや個別修繕では対応できないとの認識から直ちに大規模修繕のスケジュール化に取り組むべきだとの理事長提案(芦田提案)を3月の理事会で書面でさせていただきました。

 そうして2000・4/8に修繕スケジュール提案をさせていただいたわけです。しかし、具体的な提案の話に入る前に「理事長は1000万円をポケットに入れるつもりか」「不正がないというのならその証拠を示せ」というM理事の発言から、大規模修繕の話はふたたびとん挫しました。

細かい話をここでするつもりはありませんが、私の疑念は、危険箇所が指摘されているにもかかわらず、なぜ、この理事会は大規模修繕に取り組まないのかということでした。S理事・MR理事も、「大規模修繕をやらないとは言っていない」などと言って問題をはぐらかすばかりです。「急にはできない」といいながら準備をしない(スケジュールをたてない)のですから、いつまでも“急”な状態は続きます。要するに「急にはできない」というのはやらないといっているのと同じです。

ことある毎に、このマンションの施工不良について言及されるS理事・M理事・MR理事であるにもかかわらず、なぜ、その対策である大規模修繕を先送りされるのか、この点が、私の疑念です。この人たちは、もし次のタイル落下がおこって、人命にかかわる事故が生じたときに、どうやって理事としての責任をとるのでしょうか? 私は理事長として大規模修繕の提案を形に残る仕方で提案しています。管理会社である東急コミュニティもタイル落下の危険性を具体的な報告書とともに指示しています。そうなると次回の事故の責任の半分以上が理事会の責任です。まして理事長である私が早急の取り組みを提案しているにも関わらず、取りかかろうとしない(スケジュールの話にさえ入らせない)場合には、その事故の大半が理事会の責任です。この理事会に私は理事(長)として責任をとることはできません。だから「辞退」を口にさせていただきました。

 たぶん、この3人の理事たちは、芦田が大規模修繕を口にするから反対なのだと思います。大規模修繕が急務であることは、賢明な三理事にわからないはずがありません。大規模修繕に反対であるというより、私に個人的な反発があるのだということでしょう。その意味でなら、私が退けばいいだけのことです。

 ではなぜ、M理事個人に仕様書を作らせたり、業者決定させたりしつつ、私への意味のない反発が、個人的に前面化するのでしょうか?

 答えは、はっきりしています。理事会の役員の任期が「管理規約」の上で存在していないからです。私は昨年の総会に初めて出させていただいて、理事長が4期もつづいて同じ人であることに驚きました。理事長も理事もこの管理組合には任期がないのです。しかも“立候補”で自由に理事になることができます。こうなると理事会は個人的な傾向(なかよしクラブ的な傾向)が強化されることになります。一年目で初めて参加した理事はなかなか意見を言う機会がない状態が続きます。それが(私のような)初参加の理事長であった場合にはどうなるか目に見えています。「理事長であれば、もっと人の意見を聞いて」と私は何度も陰に陽に三理事から“指導”されました。同じことがこの三理事に言えます。何回も理事を経験されているのであれば、新参者の理事の意見を尊重すべきです。任期がない理事会活動に“馴れてくる”と内輪話や個人的・経験主義的な意見が前面化しはじめます。理事会の私物化です。

 その最大の現れが、管理会社を無視した理事会運営です。この理事会は、かなり以前から管理会社の管理ノウハウを全く無視したところで運営されています。現状復帰の個別修繕が放置されていること(4、5,8,9号館の共用玄関のエアコンの不調、5号館の各階・1018のエレベータへの浸水、906の雨水吹き込みなど50項目以上の修繕・改良措置が長年手つかずになっています)、中期修繕が遅れたこと(鉄部塗装が10年目というのは通常の倍の長さ放置されていたということです)、屋上防水を個人仕様にしたこと、大規模修繕が遅れていることなど、通常、管理会社とのコミュニケーションがまともなマンションであれば起こり得ないことが生じているわけです。

仕様書作成が無料であることを知らないこと自体が、いかにこの理事会が閉じた、知見の狭いマンション管理をやってきたかを物語っています。管理会社である東急コミュニティは、もはやこのマンションの管理について何も言えない状況に追いやられています(別の言い方をすれば、東急コミュニティは、この理事会をとっくに見捨てています。なぜ仕様書を個人に作らせたのか、なぜ大規模修繕についての提案をここまで遅らせたのか、私は何度も管理会社に詰問しましたが「ご存じの通りの状況で」というのが精一杯の返答でした)。

理事会が強すぎるのです。任期のない理事が「立候補」を繰り返せば理事会が独走するのは当然のことです(しかもこの理事会には非常識にも居住者でない理事も存在しています)。「大規模修繕は、今年の理事会の場合、計画の策定までだ。昨年の総会でそう決めてある」などとMR副理事長(総会時の理事長)が言い出したときには(2000年4/8理事会)、私物化も極みのところまで来たと思いました。誰が次年度の理事会活動の“上限”を決めることができるというのでしょうか。もしそうしたことが“合法的”というなら、今年の理事会活動は依然としてMR“理事長”の手の中にあるということになります。通常の意識では考えられないことです。

これらは、悪意ある発言というよりも、理事任務の長期化で常識が麻痺してしまっているのです。そもそも今回の屋上防水こそ、一昨年の総会では、300万円の個別修繕費予算の中でしか考えられていなかったものであって、それが突然10倍の予算をかける全面屋上防水に変身したわけです。MR理事が理事長を務められるときには、こういった“上限”を超える活動が許されて、私が理事長就任直前・直後から口にしていた大規模修繕については、総会計画に従え、というのは、やはり理事会活動の私物化以外の何ものでもないのです。

 もちろん、理事会を私物化したのは、芦田の方だという声が三理事からすぐさま聞こえてきそうな気もします。そこで一方的な私の言い分はとりあえず棚に上げて、この三理事が主導していた屋上防水工事がどのように“民主的に”決定されたのかを調べてみました。

  まず、昨年度(1999)の理事会をみてみましょう。昨年度理事会は10回行われています。

①12/6   屋上防水についての記述なし
②1/30   屋上防水についての記述なし
③2/27   屋上防水についての記述なし
④4/3    屋上防水についての記述なし
⑤5/8   「屋上防水工事」について初めて議事録に載った理事会
⑥6/19  「見積もり依頼」、三井建設と東急コミュニティの2社に絞り込み
⑦7/17  「雨漏り」確認「アンケート」の実施、「総会」で実施承認
⑧8/21  「アンケート」集計、該当個所の「写真撮影」実施
⑨9/18  「屋上防水工事の実施について検討した」(議事録全文)
⑩10/23 「三井建設」に決定。「金額」は「未定(発注金額は未定)」
⑪12/6(11期総会)屋上防水工事決定

 このように全部で10回の理事会が開かれており、5回目の理事会で初めて「屋上防水工事」という言葉が出てきます。第五回目から総会に至るまでの屋上防水についてふれられたすべての文章を原文そのままに抜き出してみます。

 第五回:「屋上防水工事についてM副理事長より、仕様(案)について説明があり、了承された。この仕様に基づき近日中に各業者を呼んで工事説明会を実施し、見積もりを依頼することとなった。なお、ルーフバルコニーについても今回の工事に含めることにした」

 第六回:「見積もりを依頼し、提出された5社について金額その他検討の結果、三井建設と東急コミュニティの2社と交渉することになった」

 第七回:「雨漏り等がないかを確認するアンケートを最上階住戸に実施することになった。なお、今年度定期総会にて承認を得るスケジュールで準備をすすめることとなった」

 第八回:「アンケート結果について報告され、雨漏りや染みがあるとの回答を寄せた住戸に対しては当該箇所の写真撮影を実施することになった」

 第九回:「屋上防水工事の実施について検討した」

 第十回:「M副理事長より次の通り、報告があり、総会に諮ることとした。施工会社:三井建設 発注金額:交渉中(3000万円前後の予定)」

 以上が、屋上防水の費用:3000万円を支払う経緯のすべてです。私の疑問は、以下の7点です。

1)屋上防水だけをわざわざ大規模修繕と切り離して単独で行う議論がいっさいなされていない(分離修繕が高くつくという議論が全くなされていない)。言い換えれば、屋上防水工事の長期修繕上の位置づけがまったくないまま、突然、M理事(「M副理事長」)の仕様書提案が行われています。仕様書をM理事がつくる、ということに決まった経緯が全くないまま、最初から仕様書が提案されているわけです。

2)初回の仕様書提案があったときに「ルーフバルコニー」を「含める」といった議論があった以外、仕様書の内容について議論した経緯がまったくありません。要するに仕様書の内容の検討はほんの一回のM理事提案ですべて決まったということです。

3)その一回きりの議論でさえ真剣に行われていないことははっきりしています。ご存じのように「ルーフバルコニー」は、今回の屋上防水から実際は外されているからです。MR理事(当時理事長)が、この間の理事会(2000年4/8)で「ルーフバルコニーは含まれていたはずだ」といったことの経緯がこの議事録の事実にからんでおり、ということは、やはりこれ以後、M仕様書がまともに検討されたことはないということです。

4)修繕についての居住者アンケートは、通常、仕様書を作る前にとるものです。仕様書を突然作っておいて、しかも見積書を取ってから(第六回理事会)、アンケートを実施する(第七回理事会)などというのは、考えられない運営と言えます。仕様内容が決定しないにもかかわらず、どうして見積書(修繕費用)を出すことができるのでしょうか? 「業界をよく知っている」M理事がどうしてこういったわけのわからない段取りを組むのでしょうか?

5)さらに見積もりをとる業者がどのようにして選ばれたかが全く不明。さらに2社(三井建設と東急コミュニティ)に絞られた理由が「金額その他」となっており、結局2社に選ばれた理由は不明。理由が「その他」とはいったい何のことでしょうか?

6)そして最後に、業者決定。2社の内から三井建設が決定。理由の記載はなし。「その他」という曖昧な言葉どころか、「金額」という言葉も消え、M理事の「報告」だけで「三井建設」になっています。しかも「発注金額」は「未定」。こんな決定を行う理事会は、もはや組合員の代表ではありません。

7)総会では見積もり金額が出ていましたが(三井建設がとりあえず一番安い金額になっていましたが)、総会で出てきた数字は、どこで・いつの時点で明らかになっていた数字なのでしょうか? 議事録にその形跡はまったくありません。いったい見積金額はどの時点で誰に提出され、どういった評価の元に業者決定がなされたのでしょうか、全く不明。しかも、この議事録には記載されていませんが、東急コミュニティは、M理事から依頼されてすでに99年5月6日に3150万円(税込み)の見積もり(屋上防止の)を仕様書とともに提案しています。5月6日といえば、M理事が理事会ではじめて「屋上防水」を口にする2日前のことです。この見積額には、今回の防水工事では省かれたルーフバルコニーの一部分も含まれていました。このまぼろしの見積額が、どのように消されてしまったのか、不思議です。

そもそも、2900万円(税別)という総会で出された三井建設の金額は、それが典拠していたM仕様書にはなかった4階屋上部分(通称“渡り廊下”)の防水工事を省いたものであって、結局のところ組合からの支出額の実際は3150万円(税込み)になっています。この金額が、4階屋上部分(通称“渡り廊下”)を追加仕様にして払った三井建設への支払額なのです。つまり総会で出された仕様書、それに典拠する見積額とは別の仕様書・見積額で業者決定がなされたということです。これは業者決定の不公平、総会決議の軽視です。東急コミュニティは最初から(5月のM理事提案以前から)仕様書を作ったり、見積額を提案していた経緯から、再度金額を出したいとM理事に提案したのですが、M理事はそれを受け入れず、その表に出ない過程の中で三井建設に決まったわけです。

つまり三井と東急コミュニティの2社の絞り込みがなされて以後(第六回理事会)、金額交渉(=業者決定)は個人的・独断的になされたということです。そもそも全業者の見積もり提出先(期日は6月15日)は、理事長ではなく、M理事になっています。ここで明らかなのは、M理事がもともと関心を持っていたのは、仕様書作成ではなく、むしろ業者決定の方だったということです。むしろ大規模修繕(の業者決定)に関心があるのはM理事なのです。だからこそ、私の、あからさまな(公開的な)大規模修繕提案(特に元請けである三井建設を入れない提案)を排斥せざるを得ないのです。

 以上7点から何を学ぶべきなのか? 三理事に「独断的」とされた、後任の理事長である私は何を学ぶべきなのでしょうか? しかし明らかなことは、昨年の理事会は通常では考えられないプロセスを経て、屋上防水:3000万円修繕の業者決定を行ったということです。

 私は、理事長として大規模修繕仕様書をつくる準備提案をさせていただきました。それは今年度の一回目の理事会(昨年の12/18)からの提案でした。4ヶ月に渡る仕様書提案でさえ、「理事長の独断」(S理事・MR理事)、「芦田理事長は業者からの1000万円をポケットに入れている」(M理事)ということで退けられてしまいました。その発言の当事者たちが、突然の仕様書提案から始まって「三井建設」に決まるまでの極めて不透明な経緯を演出しているわけです(昨年の議事録の認定署名は第5回理事会まで行われており、その5回ともがMR理事・S理事・M理事によってなされている。あとは6回目以降はなぜか無署名)。要するに組合員に対する犯罪的とも言える私物化が行われているわけです。
 
もちろん、議事録ですべての経緯を尽くすことはできないでしょう。しかし、議事録が曖昧であること、大切なことが記載されていないこと(もし、三理事がそう言うのなら)それ自体が理事会の私物化の証であると言えます。要するに任期のない理事によって、なれ合いの運営がなされているからこそ議事録が充分ではないのです。

 この三理事に、私の大規模修繕にかかわる理事会運営を批判する資格はありません。私は、少なくともこの三理事よりは遙かに公正な運営スケジュールを提案しています(2000年4/8)。不正の入り込む余地は全くありません。それどころか、仕様書作成・業者決定という、マンション環境保全(そして資産保全)にかかわる生命線とも言える課題を最も効果的な仕方で全うする方法を提案しています。これは、私が以前のマンションで理事長として大規模修繕に携わってきた成果です。というより、こうしておけばよかった、あれは失敗だった、などと後悔の連続であるのが、大規模修繕というものです。そういった失敗の経験を活かすことが私が大規模修繕に関心をいだいた最大の動機でした。
 
私が理事を退くことが、私個人への嫌疑をはらし、そのことが大規模修繕を整然とすすめることにつながるのであれば、私は喜んで理事長を辞退する、と私は4/8の理事会で発言しました。しかしもしそのことが、ふたたびこの三理事による大規模修繕への道につながっているとすれば、それこそが、不正、不適正な大規模修繕への道を開くことになるのです。もうそのときには、このマンションのすべてが立ち直りようのない状況に陥ると言えます。

 私は、臨時総会を開くべきだと思います。もはやこの理事会は、自浄作用を失っています。もし私が「独断的」というのであれば、もっとも民主的な総会で、この大規模修繕提案の正否を問えばいいと思います。それが理事長である私に課せられた最後の課題です。
(初出2000年9月 マンションの全住戸に個人的に配布)


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感想欄

理事会のあり方はもちろん、運営や参加意図など難しさは痛感しています(理事長経験者として)。

本件は余りにも酷く、憤懣やるかたない心境です。幸い(といっては恐縮ですが)当方理事会や組合員、そして管理会社は自浄作用やコンプライアンスも照らし合わせながら運営できており、いかに私は恵まれた状況で理事会運営していたのか(当時は様々な問題山積で悩みましたが…)、と実感しました。

投稿者 silence_suzuka : 2010年08月25日 11:18

私は昨年の総会時に理事に立候補し、さらに理事長に立候補してなった理事長です。

理由は私の部屋の「結露」か「上階あるいは外壁からの漏水か]という問題を調査してほしい、と理事会へ写真付き、リホーム会社数社の「要精査」という報告書付きで理事長あてに書面を提出しても、個人所有の30年も経過した物件の問題を理事会で取り上げる必要なしとして放置、されたことから、自分でやるしかないと考えたからです。

しかし理事会は一応輪番制という形をとりながら、例にもれず、「理事会推薦理事」という、理事をやめたくない5人の長期理事が実権を握っていました。

さらに彼らが理事長にさせようとしていた飲み仲間がいました。私が理事長を、かっさらった格好になったため初めから、嫌味な文書を理事たちに回したり、「結露だ」と言い張ったり
激しい個人攻撃の連続でした。

思うに理事会が腐敗し混迷するのは、管理組合員である居住者が管理に対して関心がないからではないでしょうか。

理事長経験者たちが、区分所有と共有部分のことも知らない方が多く知らないまま理事会に来ています。個人攻撃をするか、だんまりを続けるかしかしないんです。

居住者に関心を持ってもらうにはどうしたらよいかが一番の課題ではないでしょうか。このブログのその後が知りたいです。

投稿者 加藤洋子 : 2010年12月23日 11:59
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