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 「MSキャビン」の中田郷子は間違っている ― 患者団体はなぜ反動的になるのか(いくつかのコメントを頂きました) 2008年10月20日

先週「日本経済新聞」(10月14日夕刊)でも、「神経の難病、多発性硬化症 ― 型見極め治療・副作用を回避」という特集記事が発表された。

こんな感じの記事だ。

「(多発性硬化症の)一般的な治療法はインターフェロンベータの投与。日本神経治療学会と日本神経免疫学会が2004年にまとめたガイドラインでも有効な治療法としている。しかし副作用が相次ぎ、見直す動きが進む」。

2003年の厚労省の調査でも308人中114人が中止をしていた。その後、特に「視神経脊髄型と呼ぶタイプに深刻な作用が出ることがわかってきた」(山村隆/国立・神経センター神経研究所免疫研究部長)。

視神経脊髄型の場合は、「インターフェロンベータではなく、ステロイド剤の投与が有効な治療法となる」

「視神経脊髄型かどうか見極めるには、幹部のMRI検査などとともに抗アクアポリン4抗体の有無を調べる」。

「タイプによって治療が異なることを知らない医師はまだ多い。患者は専門医に相談し、自分がどちらなのか確認して治療を受けて欲しい」(前出・山村隆)というのがこの記事の結論だった。

今年の4月の読売新聞以来(http://www.ashida.info/blog/2008/04/post_284.html)の大新聞社の報道だ。こういった報道が半年経った今でも一般紙に報道されるのには理由がある。

厚労省も患者団体「MSキャビン(http://www.mscabin.org/pc/home.html)」「MS友の会(http://www.h2.dion.ne.jp/~msfriend/mokuji/contents.html)」も、抗アクアポリン4抗体の検査についてまともな反応をしていないからだ。

厚労省が保守的なのはわかるが、「MS友の会」はほとんど沈黙、「MSキャビン」に至っては反動的とも言える啓蒙活動をやっている。

まず「厚労省」は読売新聞の4月の記事に対して、「新聞報道では、抗体とだけ書かれており、その詳しい説明はありませんが、これは抗アクアポリン4抗体のことです。この抗体が陽性の場合は、IFNβ(インターフェロンベータ=ベタフェロン)の治療効果が明らかでないことが多いため中止されていることが多いようです。今回の新聞報道について、不安をお持ちの患者さん・ご家族の方は、主治医の先生によくご相談されてください。自己判断で治療を中止しないようにして下さい」(http://plaza.umin.ac.jp/~nimmunol/official/med/20080423.html)と。

これは一言で言えば、IFNβ(インターフェロンベータ=ベタフェロン)投与を安易に止めるなと言うものだ。治療法の選択に関わる新しい発見があるのなら、安易に(無理をして)続けるなというのならわかるが、文面は「自己判断で治療を中止しないようにして下さい」となっている。

私が本来の意味で保守的な厚労省の役人なら、「IFNβの副作用などが強く、症状の改善が見られない状態にある(特に視神経脊髄型の)患者さん・ご家族のみなさんは抗アクアポリン4抗体検査を受けるなど主治医の先生によくご相談されてください」と書くだろう。あるいは治療未開始の初診者でMRI検査後「視神経脊髄型MS」ですと診断が下された場合には、「速やかに抗AQP4抗体検査を受けましょう」くらいは書くでしょう。にもかかわらず、なぜ「IFNβ治療を中止しないようにして下さい」なのか。

私の感覚では、未だに多発性硬化症と診断された場合には、「IFNβだけがエビデンスのある治療薬」と認識している医師の方が多い。「タイプによって治療が異なることを知らない医師はまだ多い」(山村隆・国立神経研究所)のである。この山村の発言は今回の日経夕刊(10月14日)の発言。今現在でも「多発性硬化症にはIFNβ」という認識がまかり通っている。

視神経脊髄型陽性患者のIFNβ投与は気をつけた方がいい、あるいは避けるべきだという認識の方がまだまだ少数派なのである。逆に言えば、 IFNβが害悪になる場合があるという情報を(どこからか)得て、IFNβが効いているにもかかわらずその投与を中止する患者の方がはるかに少ないということだ。

その少数派に対して「自己判断で治療を中止しないようにして下さい」と厚労省は訴えているのである。

厚労省が、製薬会社やそれに連なる大学教授たち(たぶん関西系研究者)に遠慮して、そういった注意コメントを公表するのはまだわかる(よくあることだ)。

しかし患者団体のMSキャビンまでもが、同じ種類のコメントをするのはなぜか。

MSキャビンは、読売新聞の発表後1週間して、「NMOとMS」と題する記事を代表の中田郷子自身が発表した(http://www.mscabin.org/pc/nmo.html)。※なおこの中田の記事は私のこの記事が掲載されて以降、掲載が取り消されています。理由はわかりません(苦笑)

中田郷子がここで言いたいことはただ一つ(訳のわからない「関連年表」が掲載されているが)。

「この記事によって、現在インターフェロン・ベータを上手く続けているMS患者さんが、充分な診察と検査を受けずに治療を中止、あるいは、この薬の効果が期待されるMS患者さんが治療開始を思いとどまることで、治療の機会が失われる可能性も懸念しています。国際的に、MSの再発や病状進行を抑制し、MRI所見を改善する治療効果が証明された薬剤のうち、現時点において日本で承認されているのは2種類のインターフェロン・ベータだけだからです」ということだ。

中田郷子が厚労省よりももっとひどいのは、「抗AQP4抗体陽性の人では、インターフェロン・ベータ療法の有効性がみられないと主治医が判断した患者さんの割合が高いということ」「実際にはインターフェロン・ベータを含めてすべての治療薬の効果は、決して完全ではありません」「治療の反応性は個々人で違います」などと「インターフェロン・ベータ」のNMO陽性患者(抗AQP4抗体陽性患者)に対する悪化症例を相対的に隠蔽する傾向があるということだ。有効ではない、という言い方しかしない。「有効ではない」薬なんて世の中にはいくらでもあるでしょ(苦笑)。まして難病なんだから。

その彼女の思想がはっきりするのは次の一文。

「『インターフェロン・ベータはMSの再発を3割抑える』というのは、治療によってほとんど再発しなくなる患者さんもいますが、ある程度の再発が起こる患者さんもいて、この薬を使っている患者さん全体の3割の再発を減少させるということです」(この文章は「NMOとMS」の結論部の手前にある文章。とても2008年4月におけるINFβ説明とは思えない。たぶん中田は2005年2月発表の「国際的な」Neurology誌論文以来、こう言うことを啓蒙だと思い続けてきたのだ)

NMOのマーカーとしての「抗AQP4抗体」の発見を「ある程度の再発が起こる患者さんもいて」という言い方で相対化しようとしている。わざわざ「NMOとMS」という記事を読売の発表以後書きながら、いまだに「インターフェロン・ベータは3割の人には効いている」と言いつづけている。その人たちは投与を中止するべきではない、と。

患者の1人1人が自分がその「3割」の中に入るのかどうか心を砕いているときに、そんなことを言いつづけている。

「この記事によって、現在インターフェロン・ベータを上手く続けているMS患者さんが、充分な診察と検査を受けずに治療を中止、あるいは、この薬の効果が期待されるMS患者さんが治療開始を思いとどまることで、治療の機会が失われる可能性も懸念しています」。

この結論部の記事は全くおかしい。

まず、「上手く続けている患者」が悩むよりも上手く続けていない(続けていてもうまくいかない)患者が悩んでいる方がはるかに多いに決まっているだろう。上手く続けている患者は多くても「3割」しかいないのだから。

次に、「充分な診察と検査を受けずに治療」を続けているのは、「インターフェロン・ベータ」治療の方だ。これは先の山村隆・国立神経研究所免疫研究部長の発言でも明らか。まだなお、OSMSとNMOとの関係を理解していない医師の方が多い。だからこそ読売に続けて日経までもが特集記事を組んだのだから。

したがってOSMSにも「インターフェロン・ベータ」は有効という2005年2月発表のNeurology誌の論文(「インターフェロンベータ 1b(註:ベタフェロンのこと)は日本人の再発寛解型MS患者において有効である:ランダム化された多施設研究」p.621~p.630)を信じている医師の方が日本にはまだ多い。誤診療・誤治療を受ける可能性の方が現状では高い。

重要なことは、誤診療・誤治療のみならず、インターフェロン・ベータ治療で病気の悪化例が存在するということだ。単に効かないのではなく、悪化し再発を誘発する場合があるということ。中田郷子は、「増悪する」場合の記述に触れているが、その時に限ってわざわざ「※これらは治療効果に関する、主治医の印象です」とご丁寧に注釈している(苦笑)。

しかしここ数年の研究では、OSMSとNMOとの境界(関連と差異)について、マーカーではあるが有効な検査が開発され、「医師の印象」や「個人差」を超えた治療選択が出来るようになってきた。それが抗AQP4抗体検査の意義だろう。

この検査の意義は、現場で(特に2005年の日本人研究者たちの先の研究以降)ベータフェロン有効論を耳にしながらも、ステロイド投与量を減らしていくと再発する例を経験していた医師たちにとっては、ごく自然な結論だったに違いない。

現在、多発性硬化症 の「専門医」であるなら、視神経・脊髄に炎症が集中する場合にはまずは抗AQP4抗体検査を受けましょう、というのが常識だろう。インターフェロン・ベータが効くかどうかは二の次だ(それこそ人それぞれだ)。

患者団体としては、治療選択に不安を感じる人がいて(インターフェロン・ベータ投与を)中止する人がいるのは良くないと思うのであれば、抗体検査を受けましょう、というのが普通。なのに、この記事のどこにも、抗AQP4抗体検査を受けてみて下さい、という紹介はない。「NMOとMS」というタイトルで単独の記事を書きながら、抗AQP4抗体検査の必要を説かないというのはどういう啓蒙なのか。

私の立場は明瞭。もともと難病なのだから、どんな薬も効くことはあるし効かないこともある。悪化させる場合もある。インターフェロン・ベータのように何かのきっかけで大量の研究資金がつぎ込まれ「3割」というエビデンス(エビデンス度1b)が出た場合でも、同じように大量の研究資金が現在の他の免疫抑制剤(や古典的なステロイド治療)にもつぎ込まれ実験データが報告されれば、3割くらいの数値がでるものはあるかも知れない。

インターフェロン・ベータ有効論の根拠になっている2005年のかの論文でさえ、「サンプル数が少なく統計学的有意はない」とされているのだから、「3割ある」とわけもわからず唱え続ける意味はない。

そもそもインターフェロン・ベータがなぜ多発性硬化症に効くのかを説明できる研究者など世界中を探しても誰もいない(私自身はかなり探したが)。効くから効く、効かないから効かない、悪化させるから悪化させる、それでいいではないか。それが難病治療というものだ。

そんな境界の不明確な「難病」治療の実際の中で有力なマーカー(=抗AQP4抗体)が発見され、陽性患者には憎悪例が多いという評価がなされた場合には、真っ先に「投与に慎重であれ」という警告を出すのが患者団体の役目だろう。「慎重」というのは、今や、倫理でも姿勢でも努力でもなく、「抗 AQP4抗体検査を受けなさい」ということだ。

OSMSかNMOかの違いは、今や「概念」や「研究」や「ガイドライン」の問題ではなく、「抗AQP4抗体検査」の結果が全てだと言っても良い(検査方法はまだ手作業だし、一回限りの検査では結論が出ない場合もあるが)。

多発性硬化症の(日本における)治療史の上でここ数年のエポック(少なくとのエポックの一つ)が「抗AQP4抗体検査」であるにもかかわらず、なぜMSキャビンの中田郷子は自らが筆を執りながらもインターフェロン・ベータの「治療の機会」が失われることばかりに心を砕くのか。

製薬会社にも大学教授たちにも本来中立であるべき患者団体が、治療の消費者の立場を忘れて新しい知見(もはや新しい知見のみならず新しい常識)に目を閉ざすのは悲しいことだ。

私は、『ロレンツォのオイル/命の詩』という映画を今思い出している(http://www.ashida.info/blog/2008/03/post_273.html)。

ミエリン再生に尽力した家族の戦いを描いた心を熱くさせる名作映画だが、ここでも患者団体はロレンツォの家族に対して何度も反動的に振る舞う。どんな市民運動(消費者運動)も時間が経つと初期(創生期)の協力者(+創設者)に影響され保守化する。新しい発見に対しても医療の現場以上に遅れてしまう。私個人でも集められるくらいの情報(もちろん誤った情報もあるだろうが)をなぜMSキャビンは報告できないのか。残念に思う。

※インターフェロンベータ(ベタフェロン)有効論の病理学的な根拠の薄弱については、私の以下の記事を参照のこと→http://www.ashida.info/blog/2008/04/post_284.html。ただし、私は、ベータフェロン反対派ではない。根拠がなくても効く人には効く、ということだろう(長期間の服用で副作用がどうでるのかはまだ誰にもわからない。それでも再発するよりはましだろう)。私が言いたいのは、「MSです」と診断された人は、速やかに抗AQP4抗体検査を受けた方がいいということだ(検査自体は血液検査ですからすぐに済みます)。

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感想欄

ミクシィ(MIXI)同一記事への反応から。

●HRDさん(2008年10月21日 11:35)

HRD と申します。

「答の無い問題に向き合い続ける
100回記念 プロに学べ!脳活用法スペシャル
2008年10月21日 火曜日 茂木 健一郎」

の記事に通じるものがありますね。

>何についても一貫して科学的な根拠に基づいて
>言えることは非常に少ない。

>例えば、外国語の習得は早い時期にするほうがよいのか、
>遅くから始めても大丈夫なのか。
>それぞれをサポートしたり示唆したりする
>エビデンス(根拠)はたくさんある。
>そうしてみると、結局「何も分からない」
>ということになってしまう。

>そこから先は、ある種の哲学の問題になる。

芦田さんの言われていることは、その通りだと私も思います。

自分の身に何が起こっているのか、何が原因なのか、素人でしかないのですが、種々の情報を元に自分の頭で、判断するしかないのだと思っています。

ただ、残念なのは、素人には、何が、正しい情報なのか、どこに、その情報があるのか、拠り所があまりに少ないように感じています。

その意味で、芦田さんの情報、有り難く、素直に、心に留めておきたいと思います。

ありがとうございます。


>HRDさんへ(芦田の返答)  2008年10月22日 20:53
ご返事、遅れて申し訳ありません。

しかしですね(苦笑)、なんともこのベータフェロンがらみの私の記事には一切コメントが入らないところが恐ろしいですね。多発性硬化症 のコミュでも、声を潜めたように反応がありません(あるのはまだ何も事情を知らない素直な人のものだけです)。

なぜ、患者自身が自分の身体や自分の医師、自分の薬に偏見(いい意味でも悪い意味でも)を持つのか、私にはさっぱりわかりません。

私からすれば、患者は患者である自分を特権化しすぎだと思います。自分は「病人(弱者)である」から人から心配され、配慮されて当然というものです。

そんなことあるわけがありません。社会でも組織でも弱者は配慮されない。配慮されない者を「弱者」というのです。

「弱者」は弱者自身が立ち上がらない限り(弱者自身が自らを否定しない限り)、自己を正当化など出来ない。病人ならなおさらです。

にもかかわらず、患者団体、組織、患者たちは、弱さそれ自体(同情)を組織化しようとする。そんなもの世界中の人を組織しても大した力になりません。

1人1人で立ち上がろうとする者だけが徒党を組むことが出来る。言葉(や情報)を交わすことが出来る。

患者たちは、もっともっと冷静になって単独で(自分の体に向かい合い)情報を集めるべきです。

私は、まるで自分の組織内のくだらないヤカラに向かって、と同じようにミクシィ(MIXI)に集まる病者たちに向かって語り続けようと思います。病気を特権化するな、と。病者はどこにでもいる、と。


●L さん(2008年10月22日 23:18)

確かにそうですね、ハハハ

そもそもベタフェロンがMSに関してどのように効くのか?・・・・
免疫抑制剤、ステロイドパルス 自己免疫疾患だけにこの両者はわかるのですが、ベタに関しては当初、使用し初めの頃見た小冊子でしか(絵で免疫が ミエリンのところに行くのを阻止するような絵?)解りにくいと思いますがハハ。

製薬会社の人が5人も来て安全性についてと、今、MSで使えるのはこれしか ないと言うような話しかしていなかったような気がしますね~ でも5人はびっくりしたな~ ロレンツォのオイルしないとな~

>Lさんへ(芦田の回答)2008年10月23日 00:47

私の熱い思い(苦笑)、伝わりましたか。いちかばちかで書きました。もうどうにでもなれ、と。多発性硬化症 コミュにも同じ記事をトピックスで上げましたが、最初は管理者から削除されるのを覚悟していました。

理由は、「実名をあげての個人批判はよくない」ということかな、くらいに思いながら。でも、「彼女」はもはや個人ではありません。相当影響力のある社会的な名称です。私が「彼女」を「氏」とも「さん」とも付けなかったのは、彼女(の名前)を社会的記号と見なしたからです。どんな(まともな)学術論文もその文中で「氏」「さん」等と付けないのと同じです。

しかしいまだに消えないところを見ると、そこそこ私の言いたいことは伝わり始めているのかな、という感じでしょうか。家内の「犠牲」(苦笑)も無駄にはならなかったということでしょうか。

「ロレンツォのオイルしないとな」。そう来ましたか。いい言葉ですね。Lさんのお言葉、家内に伝えておきます。


●LPさん( 2008年10月22日 23:59)
芦田さん、こんにちは、

>「弱者」は弱者自身が立ち上がらない限り(弱者自身が自らを否定しない限り)、自己を正当化など出来ない。病人ならなおさらです。

その通りだと思います。

私は勝気なのかもしれません。
でも自分で自分を知りたいし、認めたいし。

病気に負けたくないです。病気のせいにしたくはないのです。

そういう意味で、芦田さんのコメントは励みになります。

ありがたい情報をいつも読ませて頂いています。


>LPさんへ(芦田の回答)2008年10月23日 00:47

やっぱり、私の記事を読んでくれている人はいるんですね(苦笑)。いつもいつも家内に「止めておいて」「中田さんには私もお世話になっているんだから」なんて泣きつかれています。

でもねぇ。わかっちゃいるけど許せない、という感じかな。私は家内が大切というよりは、なぜ、家内が誤診と誤治療を受けざるを得なかったのか、の方に関心がありました。誤りはいつでも起こりうる、なぜそうなったのかの方に関心がありました。

調べていく内に、これは偶然でも個人的でもない過誤だという事に気付きました。歴史的、組織的過誤です。特に2005年の日本人たちの論文は私には許せない。2000年を前後して、ベタフェロンの有効性を疑いうる世界的な論文が数々出ているにもかかわらず、研究開始の出発点が1995年の遺物のような論文を2005年に出している。そして「ベタは3割有効」なんてことを言い始めた。これが私には許せなかった。

しかもこの過誤は未だに続いている。何のために私の家内が「犠牲」になったのかわからない。そんな感じです(苦笑)。

LPさん、コメント書くのも勇気いったでしょ。でも嬉しいです。1人でもこうやって読んでくれている人がいるのを励みにします。


LNより(2008年10月20日 07:03)

>芦田さん
いつも貴重な情報をありがとうございます。
抗AQP4抗体検査に関しては同感です。しっかりした判断基準もないのに、闇雲にインターフェロンは本当に危険ですし、導入したからといって効いている人は少数。きちんとその辺のデータをきちんとパンフレットにも載せてほしいものです。どうも、製薬会社のいわれるがままに薦めているとしか思えません。


>LNさん(芦田の回答)2008年10月20日 09:13

私は、文中でも書いているとおり、ベータフェロンが効くか効かないかに余り関心がありません。効いている人には効いているのだろうし、医師たちの間でも、「確かに効いている」と言う人はたくさんいます。もちろん患者たちの間でも。それは間違いではないのでしょう。

問題は、そのことと抗AQP4抗体検査をしなくてもいいということとは全く別の問題だということです。いずれにしても効いていない人の方が多いのですから(投薬選択について悩んでいる人の方が多いのですから)、その悩みを一つ一つ解決していくことの一助として抗AQP4抗体検査は大変有益であると私は思います。なぜそのように動かないのでしょうか。

私はベータフェロンは効かないという主張を張っているのではなく(そんなバカなことを言うつもりは全くありません)、抗AQP4抗体検査を受けようという主張を昨年来( http://www.ashida.info/blog/2007/02/post_188.html )続けているのです。

元々が難病治療薬ですから、どんな薬も疑い始めればきりがありません。患者自身が自分の身体の反応に基づいて選択していくしかない。そのときに抗 AQP4抗体検査は必須でしょう。

陽性結果が出れば、まずはベータフェロン投与に慎重になるべきです(投与を継続中で効いていると実感できる人は別にして)。ここ数年の最新の治療はそういった状況にある。にもかかわらず、それを誤った判断の中で受容しない医師や患者がまだまだたくさんいる。それがおかしい、と私は思います。

このミクシィMSコミュでも「MSと診断されました」という書き込みに、抗体検査は受けましたか、というアドバイスをする人がまだまだ少ない。たぶん既存の MS患者の人たちでも検査を受けていない人はまだまだいるのではないでしょうか。

たしかに現在の投薬に不満がない人は「騒ぐ」必要はないのかも知れませんが(そんな人は多くても「3割」しかいない)、毎回毎回の注射を辛い思いをして打ちその上再発を我慢している患者はまだまだいると思います。

その患者たちに読売や日経の記事をよく読んでもらいたい、と思います。新聞社があの程度の記事を書くのでさえ勇気がいったのでしょうから。山村先生も大変だったでしょう。


●UKさん(2008年10月20日 19:55)

芦田さん、情報ありがとうございます。

12月に再発予防を予定しています、主治医に相談してみるつもりでいました。

2006・8月入院。2007・12入院。2008・8入院していました。目の視神経から、きています。

パルス5日間(2007・2008)とプレドニンで回復しました。45歳です。

今週病院で診察あるので、主治医に聞いてみようとおもっていたところの、情報でした。


UKさんへ(芦田の回答)2008年10月21日 03:26

そうですか。MS(CMS+OSMS)もNMOも、結局は、「時間的多発性」+「空間的多発性」+「中枢神経系の脱髄現象」という診断基準を適当に変奏しているだけで、大した違いがあるわけではありません。

Poserの診断基準(1983年)を本質的に変えるような状況ではないわけです。しかも原因はまったくわからない。自己免疫疾患であることすら疑わしい。抗AQP4抗体であってもNMOの原因ではなく、「マーカー」に過ぎない。そもそも炎症が脱髄の「原因」(あるいはきっかけ)かどうかさえまだ何もわかっていないのですから。

にもかかわらず、薬の話しだけが前面化して、ベタフェロンは「MS患者の3割に有効」ということだけが「エビデンスあり」という言葉と共に一人歩きしている、のが現状です。しかもそのベタフェロンさえもがなぜ効くのかがわからない。

免疫抑制剤であれば、効果の説明はそこそこ出来るにしてもベタフェロンは説明できない。元々は抗ウイルス機能を期待されただけのものが(1980年代前半)、いつのまにか「免疫調整作用がある」等と言われ始めた奇妙な成り立ちの薬です。

1980年代前半、CMS(従来型MS)はウイルス感染で発病の引き金が引かれるという説が有力だったからです。α型、γ型、β型の三種のインターフェロンを人体実験し、βが再発抑制にはもっとも良かったということで残っていったわけです。γ型では憎悪したくらいでした。

しかし実際は抗ウイルス効果は直接の関係がないとされ、後付理由で「免疫調整作用がある」ということになったわけです。科学的な根拠などどこにもありません。

でも効いている人は効いているというのがベタフェロン。ベタフェロンの問題は、私の考えるところ、ステロイドの予防効果のありなし判断と密接に関わっているということです。ベタフェロン重視派は表裏一体でステロイドを嫌います(さすがにそんなことは最近徐々になくなってきていますが)。

極端に言うと、「ステロイドを止めないとベタフェロンは効かない」とまで言われます。私の家内は実際にそう言われ、大変な事になりました。効いていた薬を止めたのですから。

そうして徐々にステロイドを減らしていくと(あるいは一挙に止めると)、たちまち「再発する」症例が治療の現場でいっぱいあったわけです(今でも)。

でも「予防効果があるのは、ベタフェロンだけ」と信じて疑わない医師が全体の趨勢だったため(この理由に関しては私のこちらをじっくり読んでください→ http://www.ashida.info/blog/2008/03/post_277.html )、ステロイドはいつも忌み嫌われていた。

今回の抗AQP4抗体の陽性事例は、まずは、ステロイドが急性期の治療だけではなく、予防にも一定の役割があることに光をあてたということです。さすがに陽性患者にステロイドを止めましょう、という医師はいなくなった。

EBM(Evidence-based medicine)形式主義で染まっていた医師の迷妄から少しは患者を守るきっかけになっているのが、抗AQP4抗体検査の意義です。ぜひ受けてみて下さい。


●Lさん(2008年10月22日 22:30)

芦田さん、お久しぶりです。

私も今日、14日の日経夕刊をどうにか探しあて読みました。

確かに未だにタイプによって治療が異なる事を知らない医師が多いですね。

私は、H14からベタフェロンを5年続けて副作用と、している割には徐々に足の脱力で歩行困難になり一旦止めました。

ベタ最初の1年は効いていたのか、しなくても再発はなかったのか、普通に歩けていたのですが、2年目以降はツライ思いをして注射をしても頻繁に再発?というか足に力が入らず歩行困難です。

私の場合は、アクアポリンは陰性なんですが、脊髄にLCL(長い病変)それに脳にも病変があります。この場合、通常型?視神経脊髄型?稀なタイプだと思います。

でも、今はアボネックスをしています。相変わらず歩行は悪くなる一方ですが、次の通院する日までは、一応するつもりです。

で、通院日に主治医と相談です。

足の状態がここまで来ると本当に、していたからここまで抑えられたのか?

していなくても一緒だったのでは? いまさらなんですが、何なんだ~って感じですね。

ちなみにステロイドを止めないとベタは効かない? そんなのあり得ませんよ。

私の場合、逆にベタをやめてステロイドの方がよっぽど効果があると思うのですが、副作用のことは抜きの話ですけど。


Lさんへ(芦田の回答)2008年10月23日 00:17

最初に断っておきますが、「ステロイドを止めないとベタは効かない?」と言ったのは、家内の担当医ではなくて、再発入院中の病棟医です。大学病院の病棟医は専門でも何でもない者がたくさんいますから困りものです(笑)。 でも実際その通りにしたのですから決して笑っている場合ではありませんが(苦笑)。

たしかにMayoのLenonたちも入った2006年3月のArchives of Neurology誌では、NMO(MSではなく)にも脳病変のあるものが指摘され、診断基準の変更が迫られました。

脳病変を伴うNMOということになれば、日本的にはOSMS(視神経脊髄型MS)ですが、その指摘の後、NMOの診断基準は、

1) 視神経炎があること
2)急性脊髄炎があること
3)次の3つの支持項目のうち最低2つを満たすもの
①MRI上、3椎体長以上に及ぶ脊髄の連続病変がある
②MRI上、MSの診断基準に合致しない脳病変がある
③血清中NMO-IgGが陽性

ということになっています。

これだと、NMO-IgGが陽性ということは、NMOの必要十分条件ではありません。陰性であってもNMO患者は存在するわけです(10%~20%程度か)。

脳病変では、間脳に発症している事例があるそうです。こうなってくるとMS/OSMS/NMOの区別と連関は訳がわからなくなってきます。ベタフェロンも、MSには効く、NMOには効かないなどと言う医師は偽物だということです。

ちなみに東北大チームは、NMO疑いとも言うべき、high-risk syndrome of NMOを

1) 脳病変を欠く、再発性の視神経炎
2) 3椎体長以上に及ぶ脊髄の連続病変(脳病変の有無は問わない)
3) 視神経炎 and/or 3椎体以下の脊髄病変があり、NMOに矛盾しない脳病変(左右対称性の瀰漫性白質病変・左右対称性の間脳病変・左右対称性の脳室周囲病変)があるもの

という診断基準を発表しています(ただしこれも国際的評価は得られていないそうです)。ここでも(東北大でさえも)NMO-IgGが陽性という診断基準は全く存在していません。逆に言えば、陰性だからNMOではないという理由はほとんど根拠のない話だということです。ますます訳がわからなくなります。

その上、一回ぐらいの抗体検査では、陰性と出ても陰性でない場合もあるらしい。

このコミュでの抗AQP4抗体検査がらみの「パパ」さんとの該当箇所を再度引用しておきます。この際、じっくり読んでみてください。

これを読むと、陽性、陰性の差異、ひいてはMS/OSMS/NMOの区別なんてそれほど截然としたものでないことがわかります。まさにMS /OSMS/NMO治療は闇の中。「ベタフェロンは3割のMS患者に効く」というのも、その本体の「MSとは何か」の判断基準が症状基準にすぎないため何の根拠もないのです。

以下引用です。


「検査には感度と特異度という言葉があります。

感度とは、真に陽性である症例を陽性と判定できる確率、であり、特異度とは、真に陰性である症例を陰性であると判定できる確率、です。

感度を高くすると(見落としを減らすと)、特異度が下がる(陰性の症例を陽性と判断しやすくなる)。逆もまたしかり。感度と特異度がバランス良く双方が高くなるところの検査手法を取り入れるのが臨床検査のどの施設(日本では3施設:最近新潟大が抗体検査受託を中止したようなので、2施設?)の検査でも同じ感度・特異度で結果を得られるようにすることが、検査の「標準化」ということです。が、現在、日本で行われているタイプの抗体検査は、小生が知る限り、研究者が顕微鏡で見て、光っているか光っていないかで陽性陰性を判定しますが、これは採血で白血球の実数を数えるような検査とは異なり、「微妙に光っているかも?」、という状態がありうる検査です(研究者の見方によって、陽性とも陰性ともとれる状態がありうる)。

例えば、前述の東北大の論文では、抗AQP4抗体の、NMO又はHigh-risk syndromeに対する特異度は100%であったそうです(NMO又はHigh-risk syndrome以外における、この抗体の陽性率はゼロだったということ)。

特異度を高くすると感度が低くなるのが一般論で、Lさんの検査がどこでどの方法で為されたかは分かりませんが、東北大における論文で使われた検査方法は「陽性とも陰性ともとれる状態がありうる」ものと思われますので、特異度が 100%と極めて高い(特異度を優先させた)検査であれば、感度が100%ということはないのではないか、つまり本当は陽性だが、陰性と判定された例もあるのではないか、ということを考えさせます。

ちなみに、この検査の「本当の」感度・特異度は、診断基準の感度・特異度とも連動します(本当はNMOだが、NMOの診断基準の感度が低くMSと診断されてしまう例で、抗AQP4抗体が陰性である、という症例があるかも知れない、この場合、論文では「MS患者・抗AQP4抗体陰性」と判定される)。スペインとイタリアでかのNMO診断基準の感度・特異度を調べたところ、感度87.5%、特異度83.3%とのことでしたが、このNMO診断基準を満たさない「本当のNMO」が、12.5%存在することを意味しています。「本当のNMO」「本当のMS」ってなに?ということになります。

話題を戻しますが、検査を直接行っている大学に受診されているのでなければ、何度も何度も「陰性」と判断されている検査の再提出は、無償検査の信頼性を疑っているようで主治医は乗り気ではないかも知れませんが、少なくとも病変や病態が変わった際(身体の中の抗体価が変動したかもしれない際)には再検査してもらうのも一考です。

今後、標準化された検査が業者に委託できるようになったら、もっと気軽に、症状の変動が無くとも再検査してくれるとは思います。標準化され、感度・特異度が固定できる検査手法になれば(ELISA法とか、今とは別の検査方法になると思います)、一般論では検査を繰り返すことで偽陰性を減らせる(90%の感度の検査で1回目陰性とされた100人の患者が居たとすれば、このうち10人は、本当は陽性です(偽陰性は10%)。

ではこの陰性とされた 100人に2回目の検査を行ったら、これに含まれる真に陽性である10名のうち9人は2回目の検査で陽性と判定されることが期待できる。つまり2回検査すると、儀陰性は100人中1人、1%に下がる。特異度が高い検査であれば、偽陽性は増えない)。つまり、標準化された検査が台頭すれば、その感度・特異度を目安に、何回検査して結果がどうだから、と、主治医が「偽陽性」「偽陰性」を考慮しながら検査ができるようになります。

Lさんの主治医としてはNMOを疑ってステロイドを投与しているものの、現状ではNMOとは診断できず(NMOでないかもしれず)、ベタフェロン開始2年間の再発抑制効果も見ているので、ベタフェロンによって増悪する症例とも言い切れず、よってステロイド+アボネックスという、ひょっとしたら矛盾を内包し得る治療方針になっているのでしょうか。

ただ、アボネックスによる再発抑制を主に期待しているが、ひょっとしたらNMOで増悪するかもしれないから、保険としてステロイド、というのであれば「ノーエビデンス」です。ステロイドを併用していれば、仮にNMOであった場合に、IFNbよって起こりうる増悪が防げる、という根拠はありません(ちなみに誤解のないように申し上げますが、現時点ではIFNbをNMOに投与したら増悪するという確たるエビデンスはありません。仮にそうだとしても、なぜ増悪するかということは分かっていませんので、ステロイドをかぶせることによってその増悪リスクを軽減できるというエビデンスは元より論拠もありません)」。

以上引用終わり。

結局「エビデンス」よりは、自分の身体の反応に忠実であれ、ということでしょうか。難病の場合特に、お医者さんたちの論文データの「エビデンス」は残念ながら患者の身体反応のエビデンスから目を背けるばかりです(苦笑)。

投稿者 ashida : 2008年10月22日 21:17

MSキャビンは製薬会社のバックアップ(金銭的)なしには、もう存在できないのです。

全国的に行われている講演会会場に足を運んだことがありますか?

そこでは製薬会社の人間が医師を過剰に持ち上げ、中田親子には平伏す状態です。

学会行けば我が物顔で歩く中田郷子がいます。

そこでも製薬会社の人間がまるで彼女をVIPであるかのように持てはやすのです。

インターフェロンの売上げが、MSキャビンを支えている。もはや患者団体でも何でもないのです。

投稿者 TT : 2009年03月16日 22:17

遅ればせながら、この記事にたどり着きました。

私は、ベタフェロン治験時より危険性を感じ、警鐘を鳴らしてきた一人です。そのことで、Mキャビを退会になりました。

私は、アポクリン抗体は測定していませんが、脊髄、視神経、大脳、脳幹に病変があるそうです(なぜか小脳にだけ存在しない)。

私には、体にとって有害性が高いINFのMSへの有効性が、それほど高いとも思えないのです。

この報道を見たときには、やはりと思い、主治医と盛り上がって話し込んでしまいました。自分の診察そっちのけで(笑)。

確かに、藁をもすがる気持ちの人には、精神安定剤としてのINFは有効だと思います。同じ理由でノバントロンも。

でも、その薬が本当に必要なのか、患者自身が考えなくてはならないと思います。

病院では、自ら情報を集め、医師に打診していくくらいの気持ちがないと、自分を守れないと考えています。多くの医師から扱いにくい患者と思われていますが、理解ある主治医のもと、自分らしく生活しています。

ただいま、発症から35年、確定から15年、電動車椅子を相棒に、山奥ライフを楽しんでいます。リハビリが最良の治療だと、私の主治医が豪語しています。かの、中田郷子氏が頼ったくらいの著名な医師です。

投稿者 都々 : 2009年04月25日 06:29

芦田さん

ブログは何度も見ていますが、この部分には至りませんでした。

やはりベタが悪さする事もあるのですね?

医師から再発抑制に効く薬で保険適用になる唯一の薬だと2002年から初め、増悪を感じては止めて、エビデンスがあるのはこれだけだと言われ再開しては、増悪して止めて。

再開中止を数回繰り返し、結局主治医に「絶対効かないから止めます」と言って止めました。しかし、判断が遅く障害なしから重度身体障害者になってしまいました。

現在、色々な症状に悩まされています。
集中力が無くなって、長い文章は読み切れません。

止めてからアクアポリン検査したらやはり陽性でした。

しかし、これは自分の感覚を信じて止めなかった自己責任だと思っています。

追伸:一年くらい前にどこかのブログで検査を私に勧めてくれたのは芦田さんでしょうか?

パソコンがクラッシュしたので覚えてないのですが、その方も奥様の病状からアクアポリンに至った様でしたので。

投稿者 アーキ : 2009年05月19日 14:51

MSについてのお勉強ぶりには敬意を表します。

しかし、社会人としてはいかがでしょう。

中田さんもあなたと同じような考え方だと思います。話した上での感想です。

彼女が言っているのは自己診断することへの警鐘にすぎません。相当にレベルの高い神経内科医でもNMOとMSの現時点での最新の知見に追いつけていないのも事実です。

といっても、医師の判断なしに患者が自己判断していけば診療などできません。そういう混沌を避けようという気遣いがわからないあなたの社会性に問題があると感じます。

投稿者 Anonymous : 2009年05月26日 20:52

「医師の判断なしに患者が自己判断」すればいいと、私がどこで言ってるのですか。

中田さんが「自己診断することへの警鐘」をするのなら、同じように医師が誤診することへの警鐘や製薬会社の利益主義にも警鐘を鳴らさなければならない。場合によっては厚労省の過誤にも言及しなければならない。

患者の自己診断も怪しいのですが(かなり怪しい)、同じように医療の専門家たちも間違う場合がある。そして患者団体のリーダーも間違う場合がある。私はそう言っているのです。

「話した上での感想」などどうでもいいのです。私は書かれていることがおかしいと言っているのです。

投稿者 ashida : 2009年05月27日 01:35

記事を拝見させていただきました。

何点か言いたいことがあったので書かせていただきます。

芦田さんは「社会でも弱者は配慮されない、されない者を弱者と呼ぶ」とおっしゃっていましたが、芦田さん自身病気を抱えている方々を「弱者」だと感じているということですよね。そしてその「弱者」が社会的に配慮されていないということも。

病気を抱えている方々は故意的に「弱者」になったわけではないはずです。

社会が配慮してくれない状態で「特権化」してしまうのはある意味自然な行為だと私は感じます。生きていく上での条件がそもそも平等ではないのだから。

というかまず、「特権化」という表現がそもそも失礼かと。

さらに、「弱さそれ自体(同情)を組織化しようとする」とありましたが芦田さんの考えている同情の組織は、私からしたら一人一人が立ち上がろうとする徒党です。

頼れるはずの医師から治せない、わからないという言葉を聞いて不安にならないはずがありません。

頼れるものがない時に同じ病気を持った仲間と励ましあったり、相談したりする、これは同情ですか?

私はみんなが前に進もうとしていると感じます。

一概に批判できる立場に、芦田さんがいるとは私には思えません。

「単独で情報を集めるべき」、確かに自分の病気の知識をつけようとすることは大切です。しかし専門家でもない人たちにとってはそれにも限界があります。そして頼るところは同じ人たちの意見であったりするわけです。

「仮説で家内が犠牲…」とありましたが、社会的に治療法が手探り状態の病気に対して仮説も何もないような…

犠牲なんて言葉をだしたら、芦田さんの奥さんだけじゃないです。私の母もそうです。

きりがないんです、何かのせいにしても。

全てが行き当たりばったりなのだから。芦田さんが中田さんの意見をおかしいと言ったように、私も芦田さんの意見を同じように批判してみました。

こんな風に人の意見は十人十色です。

芦田さんの意見に励まされる人がいるように、中田さんの意見、芦田さんが批判したもので励まされている人もいます。

自分の意見を述べるのは大切ですが、まちがっている、おかしいなどと意見を押し付けるのはやめたほうがいいと思います。そういうつもりがなかったとしても、少なくとも私からはそう受け取れましたので。

長々と失礼しました。

投稿者 ユウキ : 2010年05月05日 22:20

身内に難病患者を抱えながら、よくもまあこんな「失礼な」ことを「長々と」書けますねぇ。

私は中田さんの人格(ヒューマニティ)を批判してるのではなく、彼女がMSキャビンで取ってきたベータフェロンやNMOに対する態度を具体的に批判しているだけのこと。

その点に触れないあなたの意見、しかも形式的な「十人十色」意見など話になりません。そういった形式論がこの病気の治療の啓蒙を妨げているのです。

バカなことを言わずに出直しなさい。あなたのお母さんも浮かばれないよ、そんなことでは。

投稿者 ashida : 2010年05月06日 16:15
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