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 浅井先生はいい人だった ― 最後の国立がんセンター 2005年10月08日

私の鼻手術騒動は、「何だって、鼻が曲がっているだって? 性格も曲がっているからねえ」(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=1074)、「鼻の手術はどうなった?」(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=1084)、「 ここはやっぱり“国立がんセンター”。意味ないじゃん」(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=1100)でお伝えしたが、今日はその最終編一歩手前。頭頸科の浅井先生に直々に見てもらう日だ。すでにレントゲン、血液検査、CT検査は終えていたので、今日は“悪性(=ガン)”かどうかの最終検診。

14:00が約束の時間だったが、今日はぴったりに呼ばれ、すでに浅井先生は、レントゲン、血液検査、CT検査のすべてに目を通されてたようだ。「この間は申し訳ありませんでした」と浅井先生の方から謝って頂いて、恐縮、恐縮。それ以前に一目で、この先生はかなりまともな先生、とわかった(ホームページで見る写真(http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/tanto09.html#01)よりも実物の方がはるかに見識が高そう)。

「血液検査の結果も全く異常はないし、悪性のものではありません」と一言。普通の蓄膿症らしい。

「こんなところにもガンができたりするのですか」(と私はガンでないことを知って余裕の質問)。

「できますよ。これだけ鼻が詰まっている状態でガンだったら、まず確実に手遅れですね(笑い)」ということらしい。

「蓄膿の結果、ガンになるということはあるのですか」

「ないと思います。それは証明されていません」

「昔の方が悪性のものが多かったのですよ。最近は蓄膿もガンも、少なくなりました。蓄膿も昔よりは減ったし、この部位のガンも減ったという意味では因果関係はあるのかもしれませんが、証明はされていません。でも蓄膿でつまり気味のところに、排気ガスやその意味での刺激物が滞留してその結果悪影響を与えるということはあり得ることですよね。でも証明はされていないし、今のところ因果関係は認められていません」

「そうですか。もう10年以上もこんな状態なんですが」

「これだったら、全身麻酔でなくても内視鏡手術で何とかなると思いますよ。今は内視鏡でかなり治せます。昔は唇のところから切開してやっていましたが、今はそんなことほとんどやりません」と先生。

「どこかいい病院はありますか。お任せしますのでよろしくお願いします」

「慈恵病院(http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/index.html)が、この分野ではトップクラスです。他の病院でいいところもありますが、みんな慈恵の耳鼻咽喉科が輩出した人材です。慈恵の森山寛先生を紹介します。最近は忙しそうですから助教授クラスの執刀になるかもしれませんが、それでも慈恵なら大丈夫ですよ。紹介状を書きますし、検査結果のデータもお渡ししますからそれを持っていってください」

「ありがとうございます」

15分くらいで終わった。ガンかどうかなんて、思いもよらない心配だったが、国立がんセンターで、「ガンではありません」と言われたら、それ以上の診断はあるまい。ここはほとんどガンの人が来る病院なのだから。

そもそも病院ですれ違う患者さんばかりではなく、見舞いの家族の方々もみんな表情が暗い。元気になって退院される方もたくさんおられるのだろうが、私の今週の2日間では、元気なのは私だけ、といった風情。いつか私もここにお世話になるのだろうか。いい経験だったのかもしれない。「ガンの疑いあり」と町医者に指摘されて「国立がんセンターね、行ったことあるよ」と言うのだろうか。しかし「ニューオーリンズね、行ったことあるよ」とアメリカ通ぶるのとはわけが違う。それはガン患者にもニューオーリンズにも失礼な話しだ。

家内の病気(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=124)で、病院通いには慣れているが、広尾の日赤(http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/greeting.html)でもなければ、新宿の東京女子医大(http://www.twmu.ac.jp/)でもない独特の感じが、国立がんセンターにはある。なんだか、わけのわからない“経験”だった。この感じを伝えるのは難しい。どんな地震にもびくともしなさそうな極太の硬質ながんセンターの建物が、人間の生死の実相を徹底的に押し殺しているように私には見えた。この建物は、死人を隠すようにして逆に死を悲惨なものに見せている点で、とてもまともな〈建物〉ではないと私は思った。私だったら、こんなふうにこの建物を設計しはしない。

ところで自宅に戻ってホームページで調べたら、「森山寛先生」はなんと慈恵の院長先生だった(http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/greeting.html)。忙しいどころじゃないでしょ。執刀は無理かもしれないが、「院長」先生ということで安心、ということにしておこう。

追記:しかもここは、個室が安い。バスユニット付きで一日24000円からある。個室専用フロアでも27000円からある。新橋にある慈恵でこの値段は安い。国立がんセンターは一番安い個室でも40000円。しかもお風呂が付いていなかった。つくづく「ガンでなくてよかった」と(普通に)思った今日一日でした。

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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