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 【第二版】東急コミュニティーのマンション管理はどこが間違っているのか ― 業務委託というのはどういうことか? 2009年06月25日

2、3年来、この私にしては珍しく我慢していることがある。自動車ディーラー(http://www.ashida.info/blog/2009/06/post_353.html#more)にも飛行機のキャビンアテンダント(http://www.ashida.info/blog/2009/06/post_358.html#more)にも不満が多い私が我慢しているのだから、たいしたものだ。

私の住んでいるマンション管理についての不満だ。マンション管理会社がまともなマンション管理をやろうとしない。

私のマンションの管理会社は東急コミュニティー(http://www.tokyu-com.co.jp/)。管轄営業所は武蔵野支店。

マンション管理会社としては屈指の会社なのに、管理業務が何であるのかを全くわかっていない。

最初に言っておくが、マンションの管理会社と管理組合(理事会)との関係は、業務委託の関係にある。マンションの管理会社と業務委託関係にあるマンション管理とは、理事会がマンションを直接管理するのではなくて(そういうマンションもあるにはあるが)、管理をマンション管理会社に「委託」して代行させている。それが業務委託の意味。

これには理由がある。管理組合理事会はマンションのような大規模の管理を直接に行える専門家集団ではない。選出されたとしても「専門性」を代表しているのではない(ほとんどの場合、輪番に過ぎない)。中には「一級建築士」や「建設業」の理事もいるが、住民としては個人にすぎない。それらの個人がどれだけの専門家であったとしても、個人に管理に関する責任を持たせるわけにも行かない。

したがって、管理そのものは管理会社を仲介させて、管理の質の検討や管理責任問題を(とりあえずは)回避する仕組みが「委託」という関係である。最終責任はもちろん管理組合にあるが、管理の実体は管理会社の水準で決まる。

「委託」というのは、したがって理事会が修繕計画やその他の管理業務を決めて、管理会社がそれを「代行」するという関係ではないということだ。

理事会にはそんなことを直接に決める能力はない。「こうしたい」「ああしたい」「ここが不便」「ここが不満」などということはあったとしても、それがマンション全体の利害にどんな意味があるのかを高所大所から判断できる材料を提案するのは管理会社の仕事。

管理会社とは、組合員(理事も含めた)の利害調整、同規模、同レベルのマンションの修繕ノウハウなど通常の組合員では持ち得ない情報を持っていることを前提に、「委託業務」を結んでいるのだから、管理会社は自らの(ここのマンションの事情に応じた)管理方針をまずはいつでも提案できる用意がなくてはならない。管理組合に対して専門的なリーダーシップを持たない「委託」関係などありえない。

ところが、そうは簡単にいかないことが起こる。それは管理会社はその都度選ばれた理事役員の言うことに耳を傾けないと契約更新を断られることを極度に嫌がるからだ。大概の場合、理事役員は、自分の苦情を言うことばかりでマンション全体のことを考えて発言する人が少ない(仕方がないことだ)。

私のマンションもいつのまにか鉄柵と有刺鉄線だらけのマンションになっている。泥棒が入る事件が何回かあって、一階に住む理事が「泥棒が入ったらどうするの?」と発言すれば、他の階の人は(まともな人であれば)なかなかものが言えない。この「ものが言えない」雰囲気をどう仲介するのかが「管理会社」の大きな仕事の一つなのに、その意見のままに「鉄柵と有刺鉄線だらけのマンション」にしてしまう。安易な解決だ。

「警察に言われた」と言いながらビデオカメラの設置までしてしまった。この「解決」の仕方でいけば、夜は暗いからもっと明るくしようとか、段差があるからなくした方がいいとか、衛星アンテナを付けたい人があるから付けさせてとか、笠木はウレタン塗装の方が長持ちするから打ちっ放しのコンクリート笠木は止めようとか、新型のクーラーの方がエコで性能がいいからそのタイプ(壁上部に付けるタイプ)にさせて、とかいった輪番理事の言うことをいつかは全部聞き入れることになる。

ところが、この私のマンションは、わざと暗い演出で全体の設計が出来上がっている。エアコンについても外壁のスリーブのホースを見せたくないためにわざわざ全ての住戸が床置き式エアコンになっている。今では床置きはダイキンかパナソニックしか作っていない(確かに性能は悪いが)。給湯もセントラル給湯によって、給湯器の個別設置によるデザイン阻害を排除しようとしている。異常なくらいにマンションをデザイン優先で設計している。その気位によってマンション全体の景観をホテル並みにグレードの高いものにしている。

「泥棒が入らない(入れない)」マンションなんて存在し得ないのだから、機能主義的に利便性を優先していけば、このマンションのデザイナーが目指した特長と資産価値はどんどん目減りしていくことになる。内外にエアコンのスリーブが見えないマンションにしようというのは、このマンションならではのデザイナーの意地なのだ。初期の購入者はその美しさを買ったのである。そういったこだわりがこのマンションには数々ある。それなりに気位の高いマンションなのだ(苦笑)。

それを輪番制理事が「ああしよう」「こうしよう」と言い始めれば、どんどん初期の気位(思想)が希薄になっていく。居住者も平均年齢が上がり、「夜露がしのげればいい」という思想の方が、気位よりも強くなってくる。そうやって、修繕のグレードも通常のマンションと変わらないもの(あるいはそれ以下)に成り下がる。

これはしかしありがちなことだ。私たちにとっては深刻な問題だが、4000を超えるマンション管理を行っている東急コミュニティなら、そんな機能主義とマンションの設計思想との対立がある場合、どうすればいいのかくらいいくらでも事例を持っているに違いない。機能主義とマンションの気位をどう調停していくのかが管理会社の力量そのものなのだ。

にもかかわらず「泥棒が入ったらどうするの?」という理事役員の言葉を制御できない。おまけに「警察から指導が入った」とまで言い始める。その場その場の理事会の状況をなぞっているだけのこと。これではマンション管理にならない。

毎年の理事会役員の不満や苦情を拾っていれば契約更新は確実なのだから、中長期的なマンション管理の気位はどこかに雲散霧消する。これを私は「理事会お客様主義」と呼んでいる。

それどころか、この「理事会お客様主義」はもっとたちのわるいことを引き起こす。私のようなごく「普通の」(苦笑)居住者の苦情を、わざとらしく理事会に持ち込んで、「芦田がこんなことを言っている」などと言い始める。理事会役員からすれば、理事会がケチを付けられたと思うに決まっている。管理会社への苦情を、管理組合内の対立にすり替えるのが、この20年間の東急コミュニティーの組合「管理」ノウハウ。居住者同士を対立させて、自分達の管理課題を隠蔽している。

私がこれまでに東急コミュニティーに指摘してきた問題の大きな部分は8点ある。

1)理事役員の資格のないものを理事役員として10年近く推薦してきたこと。理事推薦名簿を理事会に提案するとき、適格者要件の精査をしていない。しかも、この不適格役員はこのマンションの初期の10年近くマンション管理を私物化してきたのだから、この罪は重い。私が総会でこの役員を放逐するまで、東急コミュニティーは放置していた。

2)上記1)と関わって、理事の再任を無条件に認める非常識な管理規約を放置してきた。

3)屋上防水の中期修繕業者決定の経緯において理事役員の明らかな不正があるにもかかわらず(http://www.ashida.info/blog/2002/03/post_9.html)、それを放置した。

4)大規模修繕の計画に関して「バランスの取れたものとは思えない」(東急コミュニティ-工事部・山崎)と判断しながらもそれを放置した。

5)大規模修繕の実績に関して、とても「決算書」とは思えないものを作成し、理事会の修繕計画+経費管理の杜撰さを放置した。

6)大規模修繕に関して、鉄部塗装のさび止めの手抜き(さびの上から塗装をしているだけ)に関して認めながらも、未だにその補修責任を果たしていない。

7)共有部分の変更については総会決議が必要と認識していない管理人(東急コミュニティー)がいる。いくつもの共用部分の変更を理事会決済で行っている。有刺鉄線の工事決定(仕様決定、業者決定)も総会にはかかっていない。

8)単純で少額な現状復帰の工事以外については総会の決済が必要だということを認識していない管理人(東急コミュニティー)がいる。いくつもの大規模な修繕を理事会決済で行っている。見積もりもない事業計画(事業予定)が総会で通れば、後は理事会決済で済むというわけのわからない無知がまかり通っている。

これらはすべて私が文書で、あるいは口頭で指摘しそのつど武蔵野支社レベルで認められてきていることだが、未だに改善される気配がない(これらはすべて明確な「背任」行為)。もっと問題なのは、このずさんなマンション管理を組合員の誰も指摘しない。東急コミュニティーはこの落差の上に胡座をかいているとしか言いようがない。変なところで「委託」に甘え、変なところで「理事会が決めることですから」と言い訳を続けている。

このマンションは東急グループの設立記念事業で建設が始まった当時京王線屈指のマンションだったにもかかわらず、1)から8)の過誤によって、修繕の基本思想=現状復帰の原則が踏みにじられ、建設当初の気位の高い設計思想が見るも無惨な仕方で踏みにじられている。東急コミュニティーは自分の顔に自分で泥を塗っているわけだ。

もともと理事会には強大な権限が与えられているために、理事会と管理会社とが(もたれ合う形で)一体になってしまえば、一般組合員が入り込む隙間はなくなる。あるいはまともな管理は不可能になる。

7,8年前の一部の理事達の不正運営の指摘とその理事の解任も、私が全戸にビラをまいてやっと何とかできたくらいだ。早朝にビラをまいたときは、失敗したら私がマンションをでていくしかないという覚悟だった。

この間も機械式駐車場の取り替えのついでにインターロッキングを張り替える工事を行った。今も一部工事中だ。

20年近く経って、インターロッキングの面の凸凹がひどくなっている。駐車の出庫、入庫の低速取り回しは路面の凹凸を作りやすい。それもあって機械式駐車設備の取り替えとともにインターロッキングも敷き詰め直した。

ところが、インターロッキングの面が敷き詰め直したにもかかわらずうねっている。たぶんまともな面整備をしていないのだ。

管理人さんの浜野さんを呼んで、「こんなのやり直してよ」と言っても一向に埒があかない。

浜野さんの最初の言葉が、「この工事は東急コミュニティーがやったものではなく、理事会が直接契約していますから」だった。

なんじゃい、それは、と私は思った。「そんなの当たり前でしょ。あらゆる工事は理事会と契約しているでしょ。東急コミュニティーと契約するわけないじゃない。そんなこと言い出したら、大規模修繕も東急コミュニティーがやったわけではない、屋上防水も東急コミュニティーがやったのではない、水道工事も東急コミュニティーがやったのではないなどと言いはじめることになるよ。それでいいの」。浜野さんは黙っているだけ。

私はこう続けた。「管理会社は、マンション内で行われるあらゆる工事について、その管理ノウハウを利用して管理=監理をやる義務があると思うよ。規模的にも金額的にも専門的にも監理業務ができないというのなら、監理会社をそのつど理事会が雇うしかない(そんなことは億単位の大規模修繕の場合しかない)。工事中、目を凝らせるのは管理会社だけであって、理事役員が工事の最中も随伴できるわけないのだから。管理会社は家主の代理者(被委託者)なのだから、家の中で行われている工事に関して、その専門的なノウハウを駆使して工事を理想的な状態で遂行させなければいけない。それができないなら、仕様書作成や業者選定に関して適切なアドバイスをして、少なくとも工事監理に集中できない事情をリカバーしなくてはならない。それをしないのなら、何のために管理会社という専門家を介在させているのかわからない」。

「私はインターロッキング工事を行ったのは初めてでして」などと浜野さん。

「そんなの私たちには関係ないでしょ。『初めて』だったら『初めて』なりに理事会でこのインターロッキングの仕様について工事部の連中を呼んでもみましたか。あるいは業者がインターロッキングの工事をし始めたときに、東急コミュニティー工事部の誰かを一時的にでも呼んで工事業者の水準を判断させましたか? 総会では業者も仕様書も金額も提示されてはいなかった(金額は「1000万円前後」という曖昧なもの)。あなたが得意でも何でもないのに、仕様議論なしに20年ぶりのインターロッキング工事をなんでやるのよ。インターロッキングは、大規模修繕の一般的な検討項目に入っているもの。その理由は路面の凸凹を修正するのが大半の理由。それができていないのなら意味ないでしょ。そもそもあなたたち東急コミュニティーは、屋上防水の再補修の際にも屋上の凸凹にそのまま防水シートを貼って再び水たまりだらけの防水工事をやらせたんだから。今回で前科二犯なのよ」

と言っても浜野さんは不満げに黙っているだけだったので、私は東急コミュニティーの工事部の連中を呼んできてよ。この凸凹見せてみてよ」とその場を終えた。

それで今週の月曜日、工事部の大島さんがやって来た。

大島さん(東急コミュニティー武蔵野支店技術チーム)は工事の専門家だが、私の指摘を否定もしないし、肯定もしない。私は大島さんが、これは決して良い工事ではない、と思っていると判断した。

しかし大島さんは業者に指示する、指摘するとは決して言わない。

こんなふうに工事部としてのうんちくを語る。

「駐車場の傍のインターロッキングはどうしても凸凹が起こりやすい。特にホイールベースが長いクルマやFF車が多いときにはどうしても低速時加重が偏ってしまって、凸凹が生じやすい」なんて工事側の代弁をし始める。

「だから、どうなの? そんなこと私にでもわかるけど、あなたそれ理事会でこの工事の仕様を決めるときに問題提起しましたか? それとあなた、私が言っているのは、工事したてで凸凹があるのはおかしいと言ってるのよ。経年変化の話しじゃないんだから」

「2年前の修繕計画のときに話したことがあります」

「でしょ。それは7、8年前の大規模修繕の計画案作成の時にもゼネコンの一部がインターロッキングはひどい状態になっているからこの際直すべきだという提案をしていましたよ。逆に言えば、インターロッキングは路面を揃えるためにするものだということ。駐車場の付帯工事ではない。いずれにしても今回の理事会は大規模修繕の時から話題になっていたインターロッキングの仕様についての議論を全くしていない。それは理事会の所為ではなくて、管理会社の責任だよ」

「通常、インターロッキングの仕様について議論することはありません」

「何言ってんのよ。だとすると、これは工事業者の不備、あるいは業者選定が悪かったということですか? 凸凹の修正の有無が問題になっているということは、仕様書で修正レベルの指示が明確ではなかったということに起因しているんじゃないの? それともこの業者の工事偏差値が低い? どちらにしても何の議論もしていない(させていない)東急コミュニティーの問題じゃないの。責任を持って、この凸凹を直させて下さい」

「わかりました。いずれにせよこの状態を理事会に見てもらって、その上で判断します」と大島さん。(これが東急コミュニティー「理事会お客様主義」の実体)。

「またそういうこと言うでしょ。ということは理事会がこれでいいじゃない、と判断すればあなた方は動かないということですか」

「というわけではないですが、とりあえずは理事会の判断を仰がないと」

「いやいやそれはそれでいいですが、基本的に管理会社が管理会社の判断として工事の仕上がり状態をより良い状態でフィニッシュさせることにわざわざ反対する理事会はないよ。だから、あなたの『理事会の判断を仰がないと』という発言は、ここでは意味がない。むしろ何もしないということを意味しているだけのこと。私が聞きたいのは、工事の専門家としてこの工事が妥当かどうかという判断をしてほしいということ。それは理事会の問題ではなく、4000件のマンション管理ノウハウのある管理会社の問題だよ」

「そもそも私どもの会社の工事ではありませんし」と大島さん。

「またまたそんなこと言うだろ。浜野さんと同じだよね、認識が。あなたは管理会社を代表して今ここにいるのよ。工事業者の工事をまともに評価できない管理組合(それは当たり前のこと)を代行して工事に注文を付けなくてはいけない立場の人間なのよ。それが何で『私どもの会社の工事ではありませんし』なのよ。この場合、東急コミュニティーは評論家の立場じゃないでしょ。施主の代理人だよ」

そこで、私はマンションのゲート前のインターロッキングを見せるために大島さんと浜野さんをそこへ連れて行った。ここは都の業者が貼ったインターロッキングですよ。これはきれいにできている。このインターロッキングは2年前にできており、往来ははるかにマンション内よりも多いし、大きなクルマがゲート前でいちいち停車するという意味では凸凹ができやすいはずなのに、できたてのようにきれい。

私はそこを見せながら、「2年前に張り直したこの工事に凸凹がなくて、マンション内のできたてのインターロッキングが凸凹だらけなのはなんで?」と聞いた。

大島さんからも浜野さんからもまともな答えは返ってこない。

「とにかく、大島さん、あなたの仕事として(私たちマンション住民を代表して)業者にきちんとした仕事をさせて下さい」

「理事会にはかります」

「まだそんなことを言う?」

「都合がいいよね。そういった『理事会』は。じゃあ、こう聞き返しましょう。あなた方は理事会が言わないことは一切やらない管理会社だということですか。通常のマンション管理業務なんて、理事会の議論とほとんど関係のないところで行われているのよ。それは建築物の工事や施工も同じ。仕様などの目に見える部分は工事の精度の極端に言えばほとんど2割程度のもの。それ以外の8割の精度は業者の偏差値で決まる。マンション管理も同じ。8割は管理会社の偏差値。東急コミュニティーってそんなに偏差値の低い管理会社なの。都合のいいところで「理事会が、理事会が」と言って逃げる。しかも理事会には都合のいい情報しか与えない。ひどいよね、それって」

では良い理事会とは何か? それは契約している管理会社の経験や専門性を最大限引き出せる組織のことを言う。まずは、管理会社のノウハウを精一杯活用できる状態にしなければならない。理事会が意見を言うのはそのあとからで充分。どんな「第3者」が後でその工事決定(予算決済)の経緯を聞いてもきちんと明確に説明出来る状態にしておくのが理事会=管理会社の仕事。我が理事会と東急コミュニティーの間には不明確なことが多すぎる。

武蔵野支店はかつては丸谷さんや西澤さんなど骨のある管理者がいたが、今はどうなっているのか? この両者は我がマンションの特長や資産価値(=気位)をよく理解していたが、今では団地並みの管理しかできていない。私はいくつかのマンションで役員をやったことがあるが、こんなにも程度の悪い管理会社に出会ったことはない。いずれも東急コミュニティーよりもはるかに「下位」の管理会社だったが。どこへ行く? 東急コミュニティー。


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※後記(マンション管理会社の偏差値とは何か)

私のここ25年来のマンション管理経験で言うと、総じてマンション会社の管理は、会社としての専門性やノウハウよりは、派遣している管理人の個人差による管理ノウハウの差の方が大きい。この管理会社なら安心という管理会社に会ったことがない。「東急コミュニティー」は業界一、二位を争う管理会社だが、ここが、我がマンションにほぼ20年に渡って送り込んできた5人前後の管理者は、個人的にしか動いていなかった。「さすが東急コミュニティー」と感じたことは一回もない。管理規約さえまともに読めていない。

そもそも、新築当時からの管理会社であるにも関わらず(しかも数億単位の管理経費を扱っているにもかかわらず)、このマンションの設計思想や管理思想についての引き継ぎが一切ない。毎回、私がレクチャーしているだけのこと。長期修繕計画すらまともに作れない。本社の指導が入っているとも思えない。現場任せになっている。

その上、管理経験の少ない管理者を平気で送り込んでくる。人がいないのかも知れないが(たぶんそうだ)、それならそれで啓蒙的に組織フォローを行えばいいものをそんなそぶりは一度もない。先代の武蔵野支店長は(着任の御挨拶で)私のところに「お前が芦田か」という感じで担当者とともに乗り込んできたが、「あなた自分の会社がどんな大規模修繕2億円の決算書を総会で報告したか知っているの?」と突っ込んだら、「調べて報告します(怒り口調)」と言ったきり、一度も私の前に登場することはなかった。

現場で何が起こっているのか何も知らないくせに、「(一組合員のくせに)偉そうなことを言うな」という態度で乗り込んでくる。丸谷好登さん(4代前の東急コミュニティー武蔵野支店長)や西澤茂さん(東急コミュニティー東京西支店支店長)がこのマンションを正常化するのにどれだけ大変だったのかの引き継ぎができていないのである。私は「一クレーマー」扱いされているのだ。

マンション管理者というのは、それほど給料が高い仕事ではないのかも知れないが、かといってタクシー運転手のように個人化していいわけでもない。というのも、マンションの不動産としての資産のみならず、数億に上る決して小さくはない管理経費を扱う仕事だからだ。また私のマンションでは土日も含めて(+1日24時間)1日でのべ10人以上の人たちが掃除をしたり、受け付け業務をしたり、警備活動もしている。これらの人が適切に業務を遂行するためのマネージメント能力も必要だ。給料の割に、求められている仕事の専門性は高いと言える。

そんな場合には、本部の組織としての水準が問題になる。安い給料でもどうやってまともな仕事ができる体制を作るのか。それが東急コミュニティーの課題だろう。しかしそんな気配は感じたことがない。みんな個人勝手に動いているだけだ。管理人個人が悪いわけではない。会社の偏差値が低いのである。個人が成長できる会社ではないということだ。それが証拠に、現在の浜野管理人は、今月をもって退職されるらしい(今日聞いたばかり)。悲しいことだ。また過ちが繰り返されるに違いない。ますます我がマンションの団地化は加速される…。

(Version 10.0)

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感想欄

芦田さん、私の住んでいるマンション(15棟ほど)もマンション管理会社ともめています。

場合によっては、マンションの会議の時にこの記事をコピーして配布したいのですが宜しいでしょうか?

インターネットができない高齢者も多いのでURLでは全員にこの情報を伝えにくいのですが、如何でしょうか?

投稿者 kga : 2009年06月25日 11:29

結構ですよ。どんどんお使い下さい。無料で「マンション管理はどうあるべきか」の講演をしてもいいですよ(笑)。私の講演は、こう見えてもそれなりの定評があります。

追伸:なお、印刷するときは、これも一緒に配布して下さい。→ http://www.ashida.info/blog/2002/03/post_9.html

投稿者 ashida : 2009年06月25日 11:39

>kgaさん

【第二版】をUPしました。記事末尾で「後記」を追加しています。これもご利用下さい。

投稿者 ashida : 2009年06月26日 22:25

芦田さん、ありがとうございます。

また時間のある時にでもマンション管理の記事をお願いいたします。

投稿者 kga : 2009年06月28日 02:25

当マンションも東急コミュニティーですが文章を読んでいると頷いている自分がいました。

意見をすればクレーマー扱い この会社のいい様に解釈した見解を理事会に報告 ←ここで対立が生まれる

事なかれ主義 無責任

不満が多くあります。

天下の東急ブランドにしてはお粗末すぎます

管理会社ランキング上位にランクインするのはどうしてなのでしょうか?謎です。


投稿者 山田 : 2009年11月17日 22:10
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