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 ソーシャルメディアにおける〈ソーシャル〉とは何か 2016年03月10日

(…)ツイッターの微分機能は…携帯でもないし、電話でもないし、チャットでもない新しい次元を切り開いたわけです。

これは内面を現在で微分しているという意味ではすごく内面を強化しているけれども、タイムラインがどんどん内面を解体していきますから、携帯電話やメールのようなきつい感じにはなっていかない。飽きず疲れず時間を忘れるのがツイッターの本分で、僕なんか何回自分の駅を通りすぎたことか(笑)。もう着いちゃったみたいな。〈現在〉という時間はむしろ時間を無化するのです。

新幹線の大阪 ― 東京ぐらいだったら苦もなく時間を過ごせるというのがツイッターの面白さです。内面の現在を共有するということは、従来は少数の他者との関係を知ることであったにも関わらず、ツイッターでは多数の他者との現在を簡単に増大させることができる。

よくフォロワーを増やすのは大変だと言う人がいますけれども、フォローを増やせば、フォロワーは増えます。フォローを二〇〇〇人もすれば五〇〇人ぐらいはフォロワーは絶対に出てきます。メディアに登場したことのない無名の人が五〇〇人も読者を持つなんて、これまでの歴史にはなかったでしょう(笑)。

そういう意味で言うとすごく革命的なツールで、そこがミクシィとは違うところです。ミクシィで五〇〇人集めようとすれば大変でしょ。僕なんかいろんな作戦をたてて足跡を追跡しまくりました。一年かけて五〇〇名がやっとです。しかし、ツイッターはただクリックすればいいだけだからどうということはない。一週間で一〇〇〇名くらいは集められます。

フォローすればフォロワーは増える。このフォロー者とフォロワーとの非対称性が、内面のきつさを緩和しているのです。ミクシィもフェイスブックも、"承認"が必要ですから、互報性の原理が機能しています。必ず相手にしてよね、というものです。どちらも村落的で奴隷的なのです。それがツイッターの他者関係にはない。

現在と他者を微分によって拡大し、三〇〇〇人も四〇〇〇人もの現在のつぶやきを見ていけば、必ず自分と話題が共通するツイートがタイムライン上に出てきます。だから、どんなに性格の曲がった人間であったって、ある種の社会性を獲得することができる。どんなにストックのない人でも社会性を獲得できる。

しかもその社会性は著名人の日常と接触することによって著名人とカレーライスの話をすることもできるし、僕なんか(有名人ではないのですが)紅ショウガのいっぱい入った牛丼ツイートのときしか話題に入ってこない人がいるわけです(笑)。

そこじゃないだろうと思っていても(笑)、牛丼が好きな人とはそういうチャンネルになっていきます。すると牛丼食っている人から「趣味が合う」ということになります(まさに合っているわけです)。そういう人がやっている哲学とは何だろうかと思い始める。すると牛丼しか関心を持っていなかった人が「ハイデガー」なんて言い始める(笑)。これが〈ソーシャル〉です。

― 『努力する人間になってはいけない ― 学校と仕事と社会の新人論』338頁より→「にほんブログ村」

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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