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 津田大介さん(メディアアクティビスト)・祝スピーチ_2013年8月7日出版記念(於・日本外国特派員協会) 2013年08月09日

●津田大介さんの祝スピーチ(メディア・アクティビスト)

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http://www.ustream.tv/recorded/36969901/highlight/395019

(会場での津田さん紹介)
 津田大介さんは、みなさんもご存じのように、日本にTwitter利用を広めた先駆的なジャーナリスト。会議の速記メモを、Twitterに流すのを「ツダる」と言いますが、これも津田さんの「ツダ(津田)」から来ているほどに、ソーシャルメディア界の貢献度No.1の方です。今回、この新刊書の帯を書かれておられますが、著者の芦田宏直氏との関係もまたTwitterでの交流からでした。最初は、その交流も口争いから始まったとのことですが、そのあたりから祝スピーチを頂きましょうか。では、津田大介さん、どうぞ。


 みなさんこんばんは。そして芦田先生、出版おめでとうございます。

 今、ご紹介で、芦田さんと僕の出会いがツイッターであって、最初は「口争い」っていうお話だったんですけど、これは正確ではなくて、罵倒でしたね(笑)、正確に言うと。

 僕はツイッターがすごくやっぱり好きでですね、2007年くらいからずっとツイッターを使い続けて、割とそのツイッターっていうのは、最初はITが好きな、まあアーリーアダプターと言われるような新しもの好きのサービスで、それをずっと使い続けて、これだけ情報の流れが速いもの、そして勝手に情報が独立して流れて行くこの感じっていうのは実は報道とか速報に使えるんじゃないかと思って、2007年くらいからちょこちょこと、自分が行ったシンポジウムとかの内容を要約して、ツイッターに流すなんてことをやっていたんですが。

 まあそんなことを二三年やっていて、このツール自体が、情報発信とか報道とかで使うと便利だっていう以前に、面白いツールだなあと、なんでこんなに面白いんだろうっていうのがわかんないままずっと使い続けてきて。

 それで丁度ツイッターが2009年くらいからブームになるときに『ツイッター社会論』っていう本を、自分の、自分なりに考えてきたツイッターのことをまとめて出したんですね。

 そこそこ売れた本になったんですけど、僕は自分の本とか自分の名前でツイッターで検索をしていて、その検索をしていること自体が、芦田さんには駄目だって言われちゃうんですけど(笑)。でもたまたま自分の検索をしていたときにですね、「芦田宏直」っていう人が、僕の本を読んで下さって、自分の内容に対して、結構辛口のコメントを書かれていて、で、僕も、僕は僕でツイッター上で自分の検索をしてそこへ乗り込んでいって自分で喧嘩をするのが好きなタイプなので、「なんすかそれは」みたいな感じで食って掛かっていって。

 まあその時は、結構何度かやり取りをしただけで終わったんですけど、ただ、なんか一方的な悪口ではなくて、ちゃんとそのときからやっぱり芦田さんは、もう芦田さんなりの論理で言ってきていて、僕はすごい腹が立ってたんですけど(芦田・笑)。

 でもちょっと、ひっかかるものがあるんですよね、ああなるほどそうかぁみたいになって、ちょっと気になって、それで気になるとその人のタイムラインを追っかけるじゃないですか。その人のプロフィールページに行って、で、ずーっと追いかけているうちに、「なんか面白いなこのおっさん」みたいな感じに最初に気づいて、まあそうは言ってもその一回目のその時は、あのー、それだけで終わってたんですね。

 そんなことをやってるうちに、でもフォローしたんです、芦田さんをフォローして、フォローしてたら、割とその、一回目の罵倒があったときからほどなくして、多分一ヶ月や二ヶ月もなかったと思うんですけど、一番最初の講演会みたいなものが、自然と企画されていって、で、やったと。で、僕も、やっぱりちょっと気になってたんで、行きたかったんですね。行きたかったんですけれども、ちょっと予定がアレだったっていうことと、ちょっと、一万円という会費にひるんでですね、ちょっと行けなかったんですけど、ただそのやつが Ust されてたんですね。

 で Ust されてて、その時に初めて、「ツイッター微分論」の原型的な講演っていうのをやってて、もう Ust を軽い気持ちでちょっと何言ってるのか見てやろうって僕は見たら、なんかやっぱり引き込まれてしまったというかですね、面白かったんですね。あ、なるほどと。

 僕はすごい表面的にメディアっていう視点から情報が使われているところだけでツイッターっていうのを捉えていたけれども、それだけではないツイッターの面白さは、ああこういうところから来てるんだっていうものが、結構スーッと腹に落ちる感じがあって、なるほどと、それであの(自分への)批判に繋がってるのか、みたいなのがあって、僕はやっぱりそれで芦田宏直っていう人をすごく認識して、それからすごい芦田さんのタイムラインを見るようになったっていうのが出会いで。

 実は今度の新しい本もすごく楽しく読ませてもらったんですけど、その中でやっぱり書かれてるのが、ツイッターっていうのは、タイムラインでもともと興味のない人、本来だったら興味のない人を、なんか、巻き込んでしまっていて、情報が届いて行く、やっぱりそこの面白さが、今までのインターネットと違うところだと思うんですね。インターネットって結局、自分で検索をして情報を見つけるって意味では非常に便利なツールなんだけれども、その分、予期せぬ出会いみたいなものがあまりない、っていうツールでもあって、人はやっぱり便利になって、便利になる一方で、なんか酒場で飲んでいたら、隣のおっさんがすごい面白くて、で、そのおっさんがよく話しをしてみるとものすごい哲学者だった、みたいな感じの、なんかそんなようなものを、初めてネットみたいなもので実現して、そしてそれが実は日本全国、世界中で繋がって、こんなパーティが開かれるみたいな。

 まあ僕も結構色々、職業柄、出版記念パーティって色々行くんですけれども、なんかこう見回してみて、まあこれがもう、格好もバラバラ、職場もバラバラ、なんか一見セレブの集まりに見えるのかと思ったら、フリーターみたいな人もいるなぁみたいな、まあそして金髪がいるみたいなですね、なんか実にこれがツイッター的だなぁみたいなのが、すごくこう面白いパーティだなと思いまして、やっぱりこういう集まりが出来ていること自体が、芦田さんの本当に一番の魅力なんだろうなぁとも思います。

 この本自体も読ませていただいて、結構ちょっと時間かかっちゃったんですけど、帯を書く上で、なんかすごいどこを読んでも、どこの章を読んでも、また新たな驚きがあるというか、本と言うと僕はどちらかというと最初から最後までじっくり読むタイプなんですけど、この本はなんか好きなときにパッとめくって、パッとめくってその読み終わったときに新しい気づきがあるみたいな。

 なんか本の構成自体もツイッター的ですし、通常こういう講演録をまとめたような本ってそんなにやっぱり中身が濃くなかったり面白くなかったりするものなのに、これは講演録からはじまっていってこの重めの論文になっていく、この編集の構成みたいなものもすごくよくできていて。

 この〈新人論〉っていうのがサブタイトルに入ってますけど、僕も職業柄大学生と話すこともすごく多くてですね、大学生なんかには、特に自分のこれからを悩んでいる、やりたいことが見つからないですとか、なんか大人が自分の良さを見つけてくれないんです、僕とは三ヶ月くらい付き合わないと僕の良さはわかってもらえないんですよねとか、何言ってんだ馬鹿と思うような。そんな学生とかと話すときに、この本を僕はおすすめするようにしていて、何人かに薦めて、やっぱり読んだら、「すごい、本当に良かったです、なんか自分の生きる道が見つかりましたみたい」な、なんかそれがこの本を読んで、なんかですね、まったく自己啓発本ぽくないのに、本当の意味で自己啓発っていうのはこういうことなのかな、と思うような本でもあったので、だからその帯文を書かせてもらったこともすごい光栄なことだなと思ってます。

 で、長くなっちゃったんで最後に話したいことがあるんですが、あとがきで、この本のあとがきで芦田さんが書かれていた、やっぱり東日本大震災の衝撃がなければ、この本がかたちにならなかったっていうのは、なるほどなぁと思うと同時に、僕自身もツイッターで人生が変わり、また東日本大震災でやることが変わった人間でもあるので。

 それまでは僕はどっちかと言うとITとかネットとかメディアに興味があって、適当にそれを評論してればよかった人間でもあったんですけど、今自分がやってることっていうのは、物を書きつつメディアを作り、それでメディアを作るだけじゃなくて、東北に行ってみたら、東北について伝えるだけじゃ駄目じゃないか、やっぱり何かやらなくちゃいけないと思って、むこうでソーシャルビジネスをはじめたりみたいな、やっている活動自体もなんだかどんどんツイッター的になっているような。

 やっぱりツイッターが微分的になっている。こういう、自分の活動が一つに定まらないで、いろんな活動ができているってことの原点になっているのがツイッターであるってのを含めて、じゃあなんで自分はこういう活動をしているのかって、肩書きも含めて悩んでいる、ここ数年ずっと悩んでいる人生だったんですけど、今はもうなんかいろんなことを、その場その場でリアルタイムにやっていく、やっていけばいいんだ、それを芦田さんのツイッター微分論とか、今回の本を読んだことで自分に自信をもってやれるようになったっていうこともあって。

 その意味でいうと実は、僕は理論的なことはあまりわからないんですけど、でもこの本を読めばなるほど、なんとなく、なんとなくわかるっていう。僕もたぶん、芦田さんの書かれてることを100%まったく理解しているとは思わないですけど、でも読んでみると後ろ盾になってくれるような、あとはとりあえずこの本を持って突き進めという芦田さんのメッセージなんじゃないかなぁと思って、これからもツイッター的に色々活動していけたらなぁと思います。えー本日はお招きいただきどうもありがとうございました。これからもよろしくお願いします。おめでとうございます。(2013年8月7日)

※当日の記念パーティー全体の様子のまとめはここにあります→http://togetter.com/li/545497

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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