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 社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関の制度化について(審議経過報告)に関するパブリックコメントについて 2016年04月19日

昨日締め切りの「社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関の制度化について(審議経過報告)に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について」 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000825&Mode=0 、とりあえず最低限のことは書いて出しておきました。
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今回の「社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関」(以後、「新大学」と省略する)について、2点、疑問に思うところがあります。

一つには、この新大学の法制化については、学校教育法第83条「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」の内部で行われようとしているのかどうか、という点です。

この条文の「応用的能力」の一部をなすのが、「質の高い専門職業人養成」という位置付けなのかどうか。

依然として「学士力」というコンピテンシーモデルのカリキュラム指標を組み込んでいることからも、方向性としては83条止まりの新大学になりそうですが、これで「社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関」になるのかどうか不安が残るところです。

83条止まりの新大学になる限りは、専門高校と普通科高校との、そしてまた専門学校と大学との差別的な関係を再度大学間に持ち込むだけのことにならないかどうか大変危惧しています。

本来の複線化(あるいは高等教育のグランドデザイン)は、偏差値の高低に関わらない「専門職業人養成のための新たな高等教育機関」を作ることであったはずですが、これでは、徐々に設置条件が緩められて、旧来型の専門学校の(一部の専門学校の)一条校化に終わる気配もあります。「質の高い専門職業人」とは何かが、審議会で少しも具体的に議論されていないためかと思います。初期の頃は、「中堅」人材育成と言われていたものが、最近では「中核」人材育成になり、それも「ボリュームゾーン」などいう言葉と一緒に語られているのですから、「質の高い」という言葉の意味はますます混乱しているわけです。

二つ目の疑問は、教員資格についてです。従来の研究職とは別に、関連分野資格の保有者、実務上の業績、離職年数制限などが現在上げられていますが、この程度の条件であれば、1985年の大学設置基準改正以降、学位・研究業績にかかわらず「専攻分野について知識・経験を有する」者が付加され、2005年の同改正では「教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者」と付加された内容とほとんど変わらない状態です。

これもまた第83条にとどまる限りの限界であるわけです。ここで研究教員と実務教員との割合の特殊性を考慮に入れたとしても、具体的な分野に関わる「質の高い専門職業人」育成の機関であるのなら、分野毎にその割合も変わるはず。“少なくとも4割以上は実習・演習型の授業”を、という条件自体が83条の内部での規定にとどまる限界なのだと思います。

結局、第83条の「応用的能力」の一部として職業教育を考える限り、職業教育は、普通科→リベラルアーツ(あるいは学術の大学)の流れの亜流でしかなく、職業教育はふたたび高度化の機会を失うことになると思われます。

以上のことが杞憂に終わることを願うばかりです。→「にほんブログ村」

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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