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 13日日曜日朝刊全紙の福島原発に関する”専門家”の発言を集めてみました(これでほんとんど全部です)。 2011年03月13日

朝日、読売、毎日、産経、日経全紙から、集めてみました。識者の発言取材が一番充実していたのは毎日新聞、読売新聞。貧弱だったのは朝日新聞、産経新聞です。

読売新聞(大阪本社13版)

●多量の 放射線被爆・白血病発症も
原発周辺で毎時1015マイクロシーベルトの放射線量が測定され、その後線量が下がったとしても、かなりの放射能が漏れていたことになる(東京女子医大放射線腫瘍科教授・三橋紀夫)

●前例ない事態
「格納容器内で発生する水素が建屋に多量に漏れ出たとすれば、同様に放射性物質もかなり漏れ出ているのは確実だ」「水蒸気を逃せば水が減って炉心溶解の危険が高まるのはあきらかで、そもそも対策自体ジレンマを抱えている。ただ他に手がなく前例もない事態で、その後に何が起こるのかは誰も予測ができなかった」(京都大原子炉実験所・今西哲二助教)

●防げた事故
「大変深刻な事故だ。超高温になった核燃料の被覆菅に冷却水が触れて水素が発生し、建屋内の空気と交わって爆発したのだと思う。水素は、格納容器内の出入り口に設置された弁などのすきまから建屋内に漏れることもある。今回の事故は、故障した非常用電源をバックアップする作業にこだわりすぎた感がある。12日朝から始めた、仮説消防ポンプで水を注入し、原子炉の温度を下げる作業をもっと早くしていれば、防げた事故だと思う」(大阪大学名誉教授・宮崎慶次・原子力工学)

●記事内
「もし炉心を含む圧力容器が破損して核燃料が大気にさらされ、多量の放射性物質が放出されたとすれば、検出された毎時1015マイクロシーベルトという放射線量は少し低すぎるのではないか。中心の圧力容器そのものに大きな損傷はなく、原子炉建屋だけが爆発して、そこにあった放射性物質だけが放出したと考える方が妥当ではないか」(放射線医学総合研究所放射線安全課・菅原幸喜課長代理)

「原子炉建屋は鉄骨だけ残してコンクリートがなくなっている。建屋内の圧力が急激に高まって、外壁が耐えられなくなったのだろう。格納容器内の圧力を下げようとする作業中に高圧の蒸気が噴き出し、急激な圧力変化に耐えられなかったのではないか」(元日立製作所常務・荒井利治)

「骨組みだけになった建屋の映像を見る限り、内部で爆発が起きた可能性が高い。圧力容器や格納容器にも影響が及ぶ事態も想定しておいた方がいいだろう」(元原子力安全委員)

●「最悪でも放射能が漏れることはない」(菅首相)
12日「同日午後に与野党党首会談の冒頭、首相は『今朝6時に私自身、現地に行ってきた』と報告し、さらに『最悪でも放射能が漏れることはない』と述べたという」(記事)

●「東内閣府副大臣視察中に居眠り」
「11日夜に宮城県入りした東副大臣は12日午前7時、仙台市の陸上自衛隊駐屯地からヘリコプターに乗り込み、宮城県亘理町から岩手県釜石市まで2時間半にわたって三陸沿岸部を視察した…宮城県関係者によると上空から見た沿岸地域は、ほとんどの民家が流され、『どの場所も口では言い表せない惨状だった』にもかかわらず、東副大臣は顔をうつむかせて寝ていたという」(記事)。


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日経新聞(東京本社版12版)

●「避難勧告、今後も守って」
「爆発の報告を聞いたときは原子炉を覆っている最後の防護壁である原子炉格納容器が大きな損傷を受けた可能性を危惧したが、大きな損傷はないとわかり、ほっとしている。1989年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故のように、大量の放射能物質が外部に漏れ出すという最悪の事態はとりあえず避けられた。
核燃料が非常に高温にならないと出てこないセシウムが外部で検出されていることから、燃料棒や炉心が溶融したのはほぼ間違いのないだろう。原子力事故としては1979年の米スリーマイル島事故の水準を超えた。スリーマイル島原発では炉心が溶融して放射能が漏れたが、爆発までは至らなかった。
核分裂を止めるホウ酸を原子炉に注入すると、もう原子炉は使えないが、格納容器の災害という最悪の事態を避けるためには仕方がない判断だ。
今後も微量の放射性物質は排出され続ける。避難勧告は今後も守った方がよい」(京都大学助教・今中哲二)

●「最悪の事態は避けられた」
「核分裂反応で出る放射線によって、冷却用の水は水素と酸素に分離している。それを先結合して水に戻す装置が停電のためにうまく働いていない。原子炉を覆う鋼鉄性の格納容器にひびが入るなどして、水素と酸素が漏れ、それが何らかの原因で引火する『水素爆発』が発生した。格納容器の外での爆発だったため、最悪の事態は避けられた。
福島第一原発の正門で検出された1時間あたり1000μSvを超える放射能レベルは信じられない値だ。原子炉格納容器に大きな損傷がなく、放射線レベルも下がったので一安心している。
格納容器に海水を注水するのは、原子炉を厚く覆う圧力容器にも海水が入って燃料を冷やすことを期待しての判断だろう。二度と原子炉は使えなくなるため、東京電力としては安全確保を考えた上での結論だろう。
ただ、圧力容器の中の状況はわかっていない。依然として燃料が高温で溶融している状態が続いていれば、急に海水を注入すると、水蒸気爆発を引き起こす危険がある。あと1日~2日は様子を見守る必要がある」(大阪大学名誉教授・住田健二)。


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産経新聞(東京本社15版)

「ここまできたら燃え尽きて熱が下がるのを待つしかない。逃げるしか対処法はない」(「専門家ら」)

「施設が停止しても炉心の温度はなお高い。放射性物質のセシウムが溶け出したのであればかなり危険な状態だ」((「原子力に詳しいある学識経験者」)

「福島第一原発1号機では(冷却装置を作動させるための)電源が確保できていない。その点では(スリーマイル島事故よりも)事態は深刻だ」「何よりも電源を回復させることが重要だ。今はまさに、大量の放射性物質が外に漏れ出す最悪の事態に陥るかどうかの瀬戸際だ」(京都大学原子炉実験所・小出裕章助教)


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朝日新聞(東京本社14版)

「パニックを恐れて、余計な情報は出さないという心理が透けてみえる。…わかること、わからないことをはっきりさせて、説明するのが危機管理の基本だ。私たちのリスク観はもっと成熟しているのにバカにしている」(東京女子大教授・広瀬弘忠 災害・リスク心理学)

「情報が確かなら今回の被曝量はJCO事故(1999年茨城県東海村臨界事故)と比べるとやや高いようだが、大きな障害になるレベルではないだろう」(放射線医学総合研究所・緊急被曝医療研究センター長・明石真言)

「現在、原子炉の様子がつかめないが、時間ごとの(放射性物質の)放出の可能性は高い。厳しい状況」(東京電力常務・小森明生)

「放射線濃度が高いので安全の確保を含めて時間がかかっている。建物の中をくまなく見るのは難しい」(東京電力常務・小森明生)

「燃料が溶けているのは、炉心溶融の始まりだ」(京都大学原子炉実験所助教・小出裕章)

「爆発の瞬間の映像を見る限り、意図的なものとは考えられない」(横浜国立大学客員教授・小林英男 破壊工学)


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毎日新聞(大阪本社12A版)

「今回のトラブルは、原発の耐震性への備えがすべて役立たず、かなり深刻な状態だったといえるだろう。海水を炉内へ入れるのは、炉を二度と使わない覚悟が必要だ。もし燃料棒が溶融していれば、使えなくなる可能性が高くなる。1号機は運転開始から40年超えた。とうとう役割を終える時期がきたということではないか」(大阪府立大学名誉教授生産管理システム学・長沢啓行)

「海水を入れるためのポンプを動かす電源が確保できないということで、今までやらなかったのではかったのか。できるならすぐに実行すべきだった。なぜ今までやらなかったのか分からない」「外部に通じる弁を開くことで、格納容器が高圧により破損するのは防げた。だが、原子炉の水位が減って核燃料の一部が露出し溶け出したことは大きな問題だ」(京都大学原子炉実験所・小出裕章助教 原子核工学)

「原子炉圧力容器が最後のとりでだが、1号機の場合は営業運転開始から40年が経っており、耐久性が落ちている可能性もある」(福島第一原発4号機の設計関係者・ライター田中三彦)

「なぜもっと早く海水利用の決断をしなかったのか」(報道陣)…「事業者(東電)から経緯を聞いていない(保安院)

「そもそも地震後に非常用電源が作動して冷却水が十分に循環していれば、炉心溶融やその後の水素爆発には至らなかった。電源確保ができていなかったことがすべての始まりだ」(京都大学名誉教授・吉川栄和 原子炉安全工学)

「通常とは異なる過程で原子炉建屋の情報が開放された。言葉として爆発だった。…会社として水素爆発だったと言えるだけの議論はまだしてない。官房長官はそういう可能性もあるということでおっしゃったのではないか」(東電・小森明生常務)

「予備電源が期待できない際にどうするのかの手順はあらかじめ決めていたはず。そのタイミングが遅きに失したために、今回のような事態を招いたのではないか」(大阪大学名誉教授・宮崎慶次 原子力工学)

「どんな放射性物質が放出されたのか、爆発後の放射線量はどのくらいかなど、必要な情報が公開されておらず、科学者として対策を打ち出せない…チェルノブイリでは政府が情報を隠したため、甲状腺がんが多数発生した。今回もし放射性ヨウ素が検出されているなら、一刻も早く住民にヨード剤を配布して予防しなければならない。検出されていないなら、されていないと公表しなければ、何をすべきか決められない…現状では20キロ圏内だけではなく、30キロ圏内の住民も家の中にいて予防すべきだろう」(チェルノブイリ原発事故被災者救援活動を続けている諏訪中央病院院長・鎌田實)

「福島第一原発は、原子力安全・保安院と原子力安全委員会が最新の耐震設計指針に照らしても安全だと09年に評価したばかり…爆発に余震の揺れが絡んだような情報もあるが、私は余震の重大性を指針検討分科会で力説したのに無視された。原子力行政と、それを支える工学・地震学専門家の責任は重大だ」(神戸大学名誉教授・石橋克彦 地震学)

●「ヨード剤配布を」
「空気中を漂う放射性粒子は、風下方向なら20キロ以上流れていく。国は『半径』ではなく、風向きを考慮して避難計画を立てるべきだ。また甲状腺がんを引き起こす放射性ヨウ素に備え、影響をより受けやすい子供を中心にヨード剤を早急に配る必要がある」(名古屋大名誉教授・沢田昭二)

●「厳しい計測値だ」
「敷地境界で計測された1015μSv/hは、一般の人が1年間に浴びる許容被曝量に値し、非常に厳しい数字。避難する人は、行政機関などの指示に従い、窓を閉め外気が入らないようにし、ほこりなどを吸い込まないよう注意してほしい」(広島大学原爆放射線医科学研究所教授・星正治)

●「情報を抑えるな」
「情報を抑えるということは絶対やってはいけない」(放射線影響研究所理事長・大久保利晃)

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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