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 「IT情報教育の今後」と題してセミナーが開かれます。 2007年04月20日

東京工科専門学校で「IT情報教育の今後」と題してセミナーを行います(http://www.dricom-ad.co.jp/kokonet/sem/IT0423.htm)。ご関心のある方は、私宛にメール頂ければ申し込み受け付けます。

●日時 4月23日(月曜日) 13:00より
●場所 東京工科専門学校 東中野校舎(テラハウス)  B1テラホール
      東京都中野区東中野4-2-3(東中野駅前)
●企画運営 ドリコムアド(http://www.dricom-ad.co.jp/soshiki.htm
●主催者 NPO高校ネットワーク 

以下がプログラム(私も講演します)

■スケジュール

特別セミナー「IT情報教育の今後」
13:00~14:20
基調講演 「IT情報教育の今後」 
(聖心女子大学文学部教育学科教授・永野和男氏)
情報教育の現状から今後の情報教育について講演をいただきます。情報化時代に対応して大学入試では、すでに情報を指定して入試を実施している大学が増えています。情報活用能力を評価する現状の入試と具体的な問題、小・中・高校、そして大学における情報教育のあり方等、今後の情報教育の課題まで語っていただきます。

【プロフィール】 
平成 5年に鳴門教育大学学校教育研究センター教授から静岡大学情報学部教授を経て平成12年聖心女子大学文学部教授、現在に至る。

教育工学を基盤とした教師支援システム、遠隔共同学習、学習支援ネットワークシステムなどのコンピュータシステムの開発、情報教育カリキュラム開発と教材開発・授業研究などコンピュータの学校教育における利用に関する多方面な研究活動を行なっている。

1990年代より、文部科学省における情報教育関連の多くの協力者会議の委員を歴任しており、我が国の情報教育カリキュラムのグランドデザインを担当した。

その他、インターネットの教育利用のプロジェクトの推進、NHKなどの情報教育番組の企画にも積極的な活動をしている。

現在、日本教育工学会・副会長、日本教育工学協会(JAET)・副会長、教育システム情報学会(JSiSe)・理事、NPO:情報ネットワーク教育活用究協議会(JNK4)・会長、NPO:学校インターネット教育推進協会(JAPIAS)・会長、ThinkQuest最終審査委員(審査委員長)、文科省・初等中等教育における教育の情報化に関する検討会・委員、(社)日本教育工学振興会(JAPET)・理事、(財)ローランド芸術文化振興財団・理事、(財)学習ソフトウェア情報研究センター・評議員を歴任。その間、第1回日本教育工学会研究奨励賞、日本教育工学会 論文賞(1995.10)、人工知能学会・研究会優秀賞(2005. 6)を受賞した。

14:30~15:30
「eネット安心講座」(e-ネットキャラバン) 
(KDDIモバイルソリューション事業本部・山崎貴弘氏)
e-ネットキャラバン運営協議会(文部科学省、総務省、財団法人インターネット協会、財団法人マルチメディア振興センターなど)が教職員向けにインターネットの安心・安全利用に向けた啓発を行う講座。インターネットを通じた犯罪に関する情報やウイルス、迷惑メール、架空請求詐欺等の実態、その対処方法など最新の情報を提供します。

15:40~17:10
「教育力向上のためのIT活用」
(東京工科専門学校 校長・芦田宏直氏)

教育におけるコンピュータ活用を、教材活用としてではなく、授業評価や教務活動の中核に据え、教育力の向上の有力なツールとして活用している東京工科専門学校の事例を紹介します。
授業評価は、これまでは授業アンケートや授業法改善など、本来「授業評価」と呼ぶべきではない内容で曖昧にされてきました。授業目標がまず最初に存在し、その実現の正否や進捗評価が本来の授業評価でなければならないにもかかわらず、それができていなかった。

本事例は、その反省に即して、教務活動の中核となる授業評価の諸形態について紹介します。

特に一コマ単位のシラバス(=コマシラバス)→一コマ単位の授業評価→科目単位の授業評価(期末試験評価)→期評価→年間評価と展開していくプロセスを中心に、お話しします。

【プロフィール】 
早稲田大学大学院後期博士課程修了(哲学、現代思想専攻)後、法政大学講師(倫理学)、立正大学講師(哲学)、京都短期大学講師(社会学)、東京立正女子短期大学(哲学・ドイツ語)、学校法人小山学園・テラハウスキャリア開発研究所所長を経て、現在、学校法人小山学園理事。学校法人小山学園東京工科専門学校校長。全国専門学校情報教育協会幹事、インターネット教育協議会理事、2000年度 労働省「IT化に対応した職業能力開発研究会」委員、2003年度 経済産業省「産業界から見た大学の人材育成評価に関する調査研究」委員、2004年度 文科省「特色ある大学教育支援プログラム」第3審査部会委員などを歴任。「自己点検・評価」「授業評価」に関わる講演・論文多数。著作に『書物の時間』(行路社 1988)、翻訳『還元と贈与』(行路社 1994)などがある。


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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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感想欄

●ミクシィ(MIXI)からの書き込みより

「教育力向上のためのIT活用」って一番大事ですよね。私自身は文系出身ですが、就職してからほぼ情報システム系ばかりでした。オフコンから始まって、ワープロの黎明期、パソコン、汎用機との連携、ネットワーク系、unix系と来ています。

結局質問の一番多いのはエンドユーザーからなんです。「教育力」が誰を指しているのかは不明(IT技術を学生に教える教育者なのか、IT企業のサポートセンターや企業システム部門に対しての教育なのか、あるいは自分でエンドユーザーに対して扱い方を教えられることなのか)ですが、是非芦田さんの講義を聴いてみたい気もします。

前職は離れましたが、今も色々な人たちからできないけど(動かないけどどうしたらいい?)とメールなり電話なりで聞かれてばかりです。また。ISPやメーカーのサポートに嫌となるくらい待たされて電話をしても電話を受けた人が回答出来ずにスーパーバイザーなる社員に廻すこともしょっちゅうです。

芦田さんの言う「教育力向上のためのIT活用」というのは物凄く面白そうそうですね。

正直言って上二つの講義は自分でPC・ネットに触っていれば判る話でしかないと思っています。それで引っかかるようであれば、ある意味どんなに高くついたとしても本人の勉強代でしょう。

時間的に聞けるか(芦田さんの都合とか、もしくは私の都合もありますが)どうかわかりませんが、講演内容を是非聞きたい(もしくはどこかで見たい)と思っております。

23日のご活躍をご祈念申し上げます。

投稿者 ashida : 2007年04月22日 20:41

●先の「感想」記事への返信

そのとおりです。現在の教育機関のIT設備投資は、すべて税金の無駄使いです(すべてのIT投資が大量の文科省の補助金でまかなわれています)。

学校のコンピュータ好き(あるいは業者好き)の教授か教員が自分のおもちゃのようにして計画書を書き、勝手なことをやっている、というのがほとんど。だから投資をしても誰も使いません。

それに、この種の投資は、絶えずブラッシュアップしていないと時間が経つにつれて使い物にならなくなります。投資金額の決定は単年度主義ですから、どんどん役立たずのものになっていきます。「そんなにお金がいるのだったらもうやめよう」ということです。

地方の箱物行政と同じです。

要するに組織的な決定と組織的な教育改革の決断がなければ、IT投資は意味がない。1996年に新校舎(東中野校舎=テラハウス)を建てたときに、全館・全教室定員数の情報コンセントを設置しました。

IT関係の科だけではなく、すべての学科でコンピュータ利用が必用になる、と考えたからです。

同時に、すべての教員、すべての学生にノートパソコンを持たせました。学生の場合は自費購入の強制です(実質的には学費の値上げ)。学生が来なくなると募集側の人間が抵抗しましたが、押し切りました。それに見合うだけの教育をすればいいだけのことです。

ノートパソコン導入の理由は以下の4つ。

1)教員が授業のためにパソコンを使わない学校は、学生も勉強のためにパソコンを本気で扱わない。

2)これからの教材作成はインターネットを中心に形成される。というか“教科書”よりもインターネットに無償でばらまかれている情報のはるかに有益で新しい。

3)学校のパソコン教場(=「パソコン実習室」)投資はナンセンス。技術的な進歩が3ヶ月単位で進んでいるのに、3年、5年の償却では耐えられない。ソフトもパソコンも学生に買わせる以外にまともなIT教育は無理。

4)パソコンはノートパソコンを買わせるしかない。「実習室」主義では、時間外の指導と勉強ができない。家庭での復習・予習ができない。学校の授業で使うものと授業時間外=家庭で使うものとを同じ状態にしないと意味がない。

これがわれわれが、96年に決断したIT教育の開始でした。当時は、まだ「イントラネット」のグループウエアがなかったので、アプリケーションは、ロータスノーツを採用しました。学校教育でロータスノーツを本格採用したのはわが校が日本で最初だと思います。

その後、どんなふうに、この貴重なIT基盤を、くだらないITシステムやIT教材開発に走らずに、教務活動=FD(Faculty Development)そのものに使ってきたか、の報告が明日の私の報告になります。ぜひご期待下さい。

投稿者 ashida : 2007年04月22日 20:42

●再度の「感想」書き込み

明日行けるかどうか益々興味が湧いてきました。

私がネットワークに関わり始めた頃は10base5(レモンイエロー)でフラウザーもモザイク(死語)、ネスケの初期版しかありませんでした。

Niftyserve、PC-VAN、日経MIXとかが全盛の時代でしたから仕方ないかとも思いますが、個人用接続にはbekkoameが初めて出た頃ですかね。95年には今は吸収合併された会社のドメインを当時のJPNICから取得し、64Kの専用線を繋いだものでした。

それが96年築の校舎で情報コンセント(10/base/t?)を全部装備するなんてことは相当なリーダーシップを取らないと出来なかったことでしょう。建築屋もCD管埋めとけばいいでしょ、くらいの対応だったろうし、まして学内の反発をよく抑え切れたものだと感動いたします。初期のNotesは重かったし。

ノートパソコン導入の理由についてはいずれも納得できることばかりです。ただ、あえて言わせて戴ければ、

1).はどんなに言っても本人がやろうとしても使えない人間がいること(本気で使いこなそうとしていない)。

2).は学生レベルで本当に有益なのかトンデモ資料なのか判別がつかない場合もある(先生に相談すれば良いだけなんですが出来ない場合もあり得ます)。

3).は全面的に賛成です。自分のパソコンだから使いこなそうとするし、備品だったら常に最新の環境に置くにはどれだけ費用を食うことか…。私は自分で使っていたPCだけは実験的意味という名目で常にOS・アプリとも最新にしてましたが(笑)。

4).も全面的に賛成です。「パーソナル」だから自分の動かしたいようにセットアップして行く。これが本当ですよね。ゲームが落ちていようが構わない。ただ、WinnyみたいなP2Pソフトで自分が感染しているということも判らないおバカだとちょっと困りますけどね。

明日、何とか15:40から時間を作ってみたいと思います。

都合の良いお願いばかりですみません。

# 自宅は無線LANは遅いしセキュリティでもなんとなくいやなのでCAT7の有線ケーブルです。連れはネットに繋がらないと一番困るくせに、モールがあると埃がたまると悪評です。でも上位が100MBだからCAT5でもいいんですけど。

投稿者 ashida : 2007年04月22日 20:44

●再度の私の「返信」

>それが96年築の校舎で情報コンセント(10/base/t?)を全部装備するなんてことは相当なリーダーシップを取らないと出来なかったことでしょう。建築屋もCD管埋めとけばいいでしょ、くらいの対応だったろうし、まして学内の反発をよく抑え切れたものだと感動いたします。初期のNotesは重かったし。

●おっしゃるとおり、古い体質の教員はすべてやめていきました。現在、私の学校にいる教員は最良の教員たちばかりです。中にはインターネットでアメリカの最新情報を集めて一晩でA4プリント40枚の教材を書き上げてくる教員もいます。その最新の授業を学生は聴けるのですから、学生冥利に尽きると思います。

その科の学生は、在籍学生の95%がJAVA、Oracle、UMLのオブジェクト指向プログラミング三大資格をすべて取得して卒業していきます。

この科の学生は在学中に「2ちゃんんねる」「ミクシィ(MIXI)」「楽天」「AMAZON」程度のWEBアプリケーションくらいは自分たちですべて作成できます。こんな学校は大学を含めて私の学校だけです。他の学校は先の資格の合格率数値すら公表していません。学内の古い勢力(「抵抗勢力」)を追い出してでもやった甲斐があるというものです。

面白いエピソードがあります。一昨年、この科でPHPを教えていた非常勤の教員(=実務ではSE)が今年、学生として入学してきました。「PHPじゃ限界がある。オブジェクト指向を本格的に学びたい。学ぶならここしかないと思っていました」と。涙が出るくらい嬉しかったです。

われわれのプログラマー教育の思想は、設計できないプログラマーはプログラマーではない、というものです。特にオブジェクト指向プログラミングではそうです。サンのJAVA資格は1年生の終わりですべての学生が取得しています(社会人でも40%前後の合格率しかありません)。合格点は53点ですが、我が学生たちは平均70点で合格しています(しかも1回の受験で)。その後の1年間はUML(設計仕様書のグローバルスタンダード)を徹底的にマスターして、設計の訓練を行います。

日本にはなかった本格的なSE(システムエンジニア・アーキテェクト)教育を行っています。

こんな奇跡的な職業教育がなぜできたのか、その秘密を話すのが明日の話です。

パソコン導入の1)2)の点ですが、補足しておきます。

1).はどんなに言っても本人がやろうとしても使えない人間がいること(本気で使いこなそうとしていない)。

●この件に関しては簡単なことです。使えないと何事も進めない状態を作ればいいのです。明日お話しします。


2).は学生レベルで本当に有益なのかトンデモ資料なのか判別がつかない場合もある(先生に相談すれば良いだけなんですが出来ない場合もあり得ます)。

●これは、誤解があったのかもしれませんが、学生レベルの話しではなく、教員レベルの話です。勉強熱心で教材開発に意欲のある教員ほどインターネット利用が活発です。逆にパソコン利用に関心を示さない教員は教材開発に無頓着な教員、つまり教育者ではありません。

とにもかくにも、今、明日の話を練っているところです。お楽しみに。

投稿者 ashida : 2007年04月22日 20:45
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