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213 re(2):お正月、最後の映画は「八日目」で(ちょっと古いか?)。
2001/1/9(火)00:05 - 芦田 - 2212 hit(s)


 「つめの粗さ」と言っても、映画というものはそういうものでしょ。その意味でいうなら、私は映画に満足したことなど一度もありません。毎回、何で?、何で?の連続です。散文なら絶対言い逃れのきかないところで、映像の空間性は存在できる、という特性をもっています。

 この映画についていえば、もはやダウン症という事実に定位しているだけで、映画サブカルチャーそのものでしょう。〈事実〉の嫌いな人たちが映画に走るのですから、すでに入り口でハンディを背負っているわけです。でもそんなこといいじゃないですか。映画はそういうものです。あまり深く考えるのはやめましょう。深く考えなくてもよいのが、映画のよいところです。

 主人公は、最後には死にますが、自殺とも事故ともわからぬ仕方で死にます。彼にとっては、生/死との境界そのものが意味のなかったことなのでしょう。死んだお母さんに「あなたは私の宝物、天使なのよ」と言われていたとおりです。少なくとも監督ジャコ・ヴァン・ドルマンの思想はそうだったはずです。したがって、なぜ主人公を死なせたのかという批判は、この作品にはあたらないでしょう。私も死んだときに、特にかわいそうにとは思いませんでした。チョコレートの食べ過ぎが原因で、ビルを飛ぶ幻想にとらわれ、落下し、芝生の上に芝生をかかえこむように(芝生と一体化して)死んだ演出がそうさせていました。

 私は、この作品がドルマンの最初です。お気づきのように、私はとくに映画が趣味というわけでもないので、失礼ながら、はじめてこの作品でドルマンを知りました。70点くらいの映画作家ではないでしょうか。


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