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70 re(4):情報化社会とローン社会と終末論と |
2000/11/8(水)14:18 - 芦田 - 14644 hit(s)
要するに、「消費者ニーズ」というのは、マーケティング学者の幻想だということです。そんなものは存在しない。売れたものが存在する。それは確かです。そして、その事実から売れたものの「ニーズ」が存在していた。それもありえるでしょう。要するに、「ニーズ」はあとから作られたものにすぎないということです。したがって、売れる前に「消費者ニーズ」をつかむというのは、結果と原因を転倒させた事態なのです。そういうことに経営者や担当者が必死になるというのは、ただ単に自分の企画力に自信がないからだけなのです。要するに“決断”の物語をほしがっているだけなのです。うまくいってもマーケティングというのは、読ませる物語どまりです。
ところが、e-コマースやe-ビジネスは、このマーケティングの物語をますます冗長化させて、あたかも「消費者のニーズ」が実体的に存在するかのような幻想をふりまいています。というのも、売れた商品の情報のタイムラグが極限まで短縮化されるからです。マーケティングは所詮結果論だと言っても、その結果がでるのが秒単位に縮まれば、マーケティング主義が蘇生するのは目に見えています。そうやって、マーケティングバブルが、10年前のバブル時代以来(10年前にマーケティングがはやったのは、10年前は何を言ってもモノが売れたからです)、また復活してきているというのが、e-コマースやe-ビジネス現象です。
もちろん、それはさらに大きな幻想です。モノを買うというのは、ニーズにあったものを買うということではない。“こんなものがほしかった”というときに存在しているのは、消費者のニーズではなくて、そのモノの喚起力です。あとから、消費者はそのものの機能を発見しているのであって、自らのニーズを、そのモノに見込んでいるわけではないのです。つまりモノ(商品)の存在の方が「消費者ニーズ」よりいつでも大きいということです。それを私はモノを買うときの“驚き”と呼んだのです。
経営学やマーケティングをやっている連中は、この現象をいつも見落としています。
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┣【70】 re(4):情報化社会とローン社会と終末論と 2000/11/8(水)14:18 芦田 (1720) |
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