[一覧へ戻る

 番号 日付  題名 投稿者 返信元  読出数
237 11/25(火)
23:56:10
 症状報告(31) ― 日赤は救急病院だった。  メール転送 芦田宏直  No.124  4975 

 
 今日11月25日は家内の49歳の誕生日だったが(吉本隆明http://shomon.net/ryumei/の誕生日と同じ。家内は吉本隆明と、私の用事の途中出会って話したことがある)、その今日、主治医の武田先生から呼び出しを受けた。

 「リハビリ転院をすすめる」と言う。しかしよくよく聞いたら、この病院(日本赤十字医療センター http://www.med.jrc.or.jp/arrive/traffic.html)は、救急病院のため、基本的な入院期間は16,7日間と厚労省からも指導を受けており、「私も患者と厚労省との板挟みでつらいのですが」(武田)と言う。私は、そういった“指導”があるというのを始めて知ったが、たぶん治療費の収入よりは、助成金の収入の方が上回るのだろう。厚労省行政の凸凹なのだ。

 「あと2週間ほどすれば、転院できるほどには体力は回復するだろうし、(私のお薦めする)行き先の病院も申し込んでも2週間くらいはかかるから、丁度今の時期の判断となった」(武田)らしい。その行き先の病院は、墨田区にある病院らしいが「副院長をよく知っているので心配はない」とのこと。「別の病院であってもかまいませんが、私が知っているところの方がいいと思うし」とも武田医師は続けた。

 私は主治医の判断がもう一つ飲み込めなかったので、こう聞いた。「要するに、治療の段階は済んで、あとは時間の問題(リハビリの問題)になったか、あるいは後遺症の判断としてもうこれ以上は治療可能ではないという判断が先行してのお話かどうか」。「それは何とも言えないが」と言って、続いた話が、先の厚労省の指導の話だった。要するに長期入院ができないため、リハビリ入院しながら、治療の指示は日赤が行う、というものだ。こうなるともはや家内の治療計画全体や現在の症状についての診断の話は、この場の話ではない、と私は判断した。家内はノートを開きながら、現在の身体の“張り(突っ張り)”の状況などを話し続けようとしたが、私が「そんなことはここで話しても意味がないよ」とその話を遮った。

 「要するに、今日のお話は転院の申請をするかどうかの判断を聞きたいということですか」。「そうですね。今から申し込んでも2週間くらいはかかりますから」「それは困りましたね。治療とリハビリが分離できるほど、今の家内の状況が安定しているとは思えない。そういった仕方の転院の前例がありますか」「多発性硬化症の患者さんではあまり例がありません」。「とするとすぐには判断できませんよね」「こちらで病院を選択して、協力して頂く、ということはできますか」「それはできます」なんて話をし続けている内に、傍にいる家内が泣き始めた。9月初旬から3ヶ月近くの闘病、3月の発病からほぼ半年の入院の中で、武田先生に対する信頼だけが支えてきた闘病という意味では、その彼からの転院のすすめは、家内にとってショックだったに違いない(家内からすれば見捨てられたようなものだ)。

 しかし私は、この主治医は結構正直な人だと思った。たぶん3ヶ月という家内の入院期間が自分が部長である神経内科の「入院平均日数」をどんどん上げてしまい成績を悪くしつつあったのだろう。むしろ三ヶ月よく我慢してくださった、と考えた方がいい。もちろん、こちらで“ごねる”ことをすれば、期間を延ばすことは充分にできるだろうが(その程度には理解のある先生であるとの判断も、私の判断の一つだった)、そんなことをしてまでここにお世話になることもない。たとえば、今日の話の切り出しのところで、今回の入院では、前回の治療の「反省をして」と思わず口にされたのを言い直されるのもこの先生の特長。正直な武田先生を、なれない病院経営上の「板挟み」に追いやるわけにも行かない。

 10ヶ月で3回もの入退院。そろそろ、この病院との相性もつきたのかもしれない。転院はどんなときでも難しいものだが、むしろ今回の転院の契機は病院からのもの。チャンスと考えるしかない。誕生日のプレゼントが転院だった、と考えるしかない。もちろん治療とリハビリとの分離転院なんて、とても選択できない。一から病院を探すしかない(誰か多発性硬化症の、救急医でない専門医を教えてください)。それよりも、この転院ショック(=交感神経の緊張)が家内の病気を再発させることの不安の方がよほど深刻だ。


124 家内が緊急入院しました。 メール転送 芦田宏直 ↑この記事を引用して返信を書く
    ┣ 125 症状報告 メール転送 芦田宏直
    ┣ 128 症状報告(2) メール転送 芦田宏直
    ┣ 134 症状報告(3) メール転送 芦田宏直
    ┣ 135 症状報告(4) メール転送 芦田宏直
    ┣ 136 メール転送
    ┣ 137 症状報告(6) ― フライパンとフライパンカバー メール転送 芦田宏直
    ┣ 138 症状報告(7) ― 退院が決まりました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 139 症状報告(8) ― 自宅前の桜 メール転送 芦田宏直
    ┣ 140 返信: 家内が緊急入院しました。 メール転送 岡村 和恵
    ┣ 144 症状報告(9)― 再入院しました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 145 症状報告(10) ― この病こそ、気の病。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 147 症状報告(11) ― 分別ゴミの思想と治療の言葉 メール転送 芦田宏直
    ┣ 148 症状報告(12) ― 料理、受付、再退院 メール転送 芦田宏直
    ┣ 149 症状報告(13) ― 仮退院 メール転送 芦田宏直
    ┣ 150 再入院!大変ですよね。 メール転送 岡村
    ┣ 152 メール転送
    ┣ 153 症状報告(14) ― 本日(14日)、退院します。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 155 症状報告(15) ― 再々入院 メール転送 芦田宏直
    ┣ 157 症状報告(16) ― 再々入院その後 メール転送 芦田宏直
    ┣ 159 症状報告(17) ― そして息子が倒れた メール転送 芦田宏直
    ┣ 162 症状報告(18) ― 〈人生〉を語ってはいけない メール転送 芦田宏直
    ┣ 163 症状報告(18)補遺 ― 人生を語ってはいけない メール転送 芦田宏直
    ┣ 164 症状報告(18)続・補遺 ― 人生を語ってはいけない メール転送 芦田宏直
    ┣ 169 症状報告(19) ― 松阪牛騒動と食器洗い機 メール転送 芦田宏直
    ┣ 170 症状報告(20) ― 女子高生を許さない メール転送 芦田宏直
    ┣ 174 症状報告(21) ― 『サミット』と『さえき』 メール転送 芦田宏直
    ┣ 175 症状報告(22) ― 仮退院の三日間はスリリング メール転送 芦田宏直
    ┣ 177 症状報告(23) ― 鹿児島小平さんからのメール メール転送 芦田宏直
    ┣ 179 症状報告(24) ― 鹿児島・小平さんからの返信 メール転送 芦田宏直
    ┣ 181 症状報告(25) ― 退院後の検査 メール転送 芦田宏直
    ┣ 190 症状報告(26) ― また入院してしまいました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 191 症状報告(27) ― 感謝します。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 192 症状報告(28) ― 先生と家内に呼ばれた メール転送 芦田宏直
    ┣ 194 症状報告(29) ― 多発性硬化症ではない? メール転送 芦田宏直
    ┣ 216 症状報告(30) ― 『免疫革命』の革命性 メール転送 芦田宏直
    ┣ 237 症状報告(31) ― 日赤は救急病院だった。 by 芦田宏直
    ┣ 238 症状報告(32) ― 突然の来客と東京女子医大への転院 メール転送 芦田宏直
    ┣ 240 返信: 家内が緊急入院しました。 メール転送 山田千果
    ┣ 241 返信: 家内が緊急入院しました(千果さんへの返信)。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 243 症状報告(33) ― 拾う神 メール転送 芦田宏直
    ┣ 244 症状報告(34) ― 16日に東京女子医大に転院 メール転送 芦田宏直
    ┣ 245 症状報告(35) ― 転院、無事終了 メール転送 芦田宏直
    ┣ 246 症状報告(36) ― 牡蠣フライはもう作らない メール転送 芦田宏直
    ┣ 248 返信: 症状報告(36) ― おいしい牡蠣フライの作り方 メール転送 芦田宏直
    ┣ 249 症状報告(37) ― フジテレビ跡地の公園 メール転送 芦田宏直
    ┣ 254 症状報告(38) ― 休むための大掃除 メール転送 芦田宏直
    ┣ 257 症状報告(39) ― お正月と紅白のその後 メール転送 芦田宏直
    ┣ 258 症状報告(40) ― 母親が泣いていた メール転送 芦田宏直
    ┣ 259 症状報告(41) ― 「お見舞い」ではなくて、「看病」 メール転送 芦田宏直
    ┣ 260 症状報告(42) ― 新治療方針 メール転送 芦田宏直
    ┣ 263 症状報告(43)  ― いちごは腐っている メール転送 芦田宏直
    ┣ 266 症状報告(44) ― 本当の「症状報告」 メール転送 芦田宏直
    ┣ 267 症状報告(45) ― 帰ってきました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 268 症状報告(46) ― とりあえず、「合格」しました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 269 症状報告(47) ― また帰ってきました(ナガシマは入院しましたが) メール転送 芦田宏直
    ┣ 280 症状報告(48) ― また再発しました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 281 症状報告(49) ― 「また再発しました」続編 メール転送 芦田宏直
    ┣ 284 症状報告(50) ― 長嶋監督に会った。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 290 症状報告(51) − 明日、帰ってきます。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 301 症状報告(52) ― 退院します。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 302 症状報告(53) ― こんな返信がありました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 311 メール転送
    ┣ 317 症状報告(55) ― またパルス メール転送 芦田宏直
    ┣ 318 症状報告(56) ― 説明に誤りがありました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 319 症状報告(57) ― 検査結果は「異常なし」 メール転送 芦田宏直
    ┣ 320 症状報告(58) ― 「暗い」と言われた メール転送 芦田宏直
    ┣ 345 症状報告(59) ― またまた点滴 メール転送 芦田宏直
    ┣ 348 症状報告(60) ― まだ良く生き延びている メール転送 芦田宏直」
    ┣ 362 症状報告(62) ― 特技は難病 メール転送 芦田宏直
    ┣ 375 症状報告(63) ― 気分は高木ブー メール転送 芦田宏直
    ┣ 407 症状報告(64) ― 帰り道が危ない メール転送 芦田宏直
    ┣ 1053 症状報告(65) ― 退院後1年経ちました。 メール転送 芦田宏直
    ┣ 1076 症状報告(66) ― 台風とキリスト教 メール転送 芦田宏直
    ┣ 1115 症状報告(67) ― またまた再発、再入院 メール転送 芦田宏直
    ┣ 1116 症状報告(68) ― 家内も私も元気です。 メール転送 芦田宏直


 [一覧へ戻る]

237番まで読んだとして記録しました。[新着]モードで未読を表示します。