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558 re(7):コピー初級、コピー中級、コピー上級 |
2002/2/20(水)16:28 - 芦田宏直 - 31884 hit(s)
季節柄、採用面接(あるいは昇進面接)をする機会が増えています。採用側(管理側)からすると、小文字の仕事なしに大文字の仕事はありえません。「コピー取り、郵便出し、電話連絡ばかりやらされていますけれども、もっと大切な仕事をしろと言われればやれます」と言ったりする人がいます。この発言は、管理側からすると無視できない錯誤です。コピー取り、郵便出し、電話連絡ばかりやらされているとすると、その人は、そういう人なのです。というか、厳密に言えば、それさえまともにできない人なのです。コピー取り、郵便出し、電話連絡などをきちんとやり始めると、管理側自体が、そんなことをこの人にやらせておくにはもったいないと思い始めます。その結果が“昇進”です。仕事を与えるのは管理側です。仕事の評価も管理側です。そして仕事の評価は、(別の)仕事を与えることで管理側は表現します。給料が上がるのは、別の仕事をする場合であって、それ以外にはありません。成績があがって昇給するのは、その仕事をやらせ続けるためではなくて、そろそろ別の仕事をやらせますよ、という管理側のシグナルなのです。したがって、“やれと言われれば”という文言は、とんでもない錯誤なのです。
たとえば、私は、テラハウスの受付の女の子たちにコピーを頼むとき、〈コピー初級〉、〈コピー中級〉、〈コピー上級〉という無言の事務職芦田検定を施しています。〈コピー初級〉は、ただ機械の操作を知っていて、コピーを取ることができる人。〈コピー中級〉は、10枚もののコピーを頼むときに、1枚目をとって、映り具合(傾きや濃度)を確認し、よければ、残りの9枚を連続コピーする人(最初から10枚カウンターを入れる人はコピー初級)。〈コピー上級〉は、コピーすべき書類に一通り目を通して、誤字脱字の類や内容に関心を寄せて、コピーできる人。
〈コピー上級〉まで行けば、そんな人を(いつまでも)コピーさせる職場はありえません。“別の”仕事を与えるようになります。これが組織における仕事と評価というものです。つまり、〈組織〉には小文字の仕事しかないのです。社長になるための仕事なんてないのです。
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