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437 re(2):〈社会〉や〈生〉を超えるもの、あるいは意志の荷担。
2001/10/9(火)23:28 - 芦田宏直 - 8625 hit(s)


 人間が生きるということは社会で生きるということであり、そういった社会的生というのは、様々な“役割”や“分担”を担って生きるということです。ちょうど歯車のようになって生きるというのが生きるということの意味です(“歯車”は、チャップリンの映画のように近代的な合理主義だけの比喩ではありません)。だから生きることには意味がないのです。当然死ぬこともその歯車が回転するように一人死に、二人死にというように死に、そしてまた一人生まれ、二人生まれと生まれる。それが生きるということの意味です。つまり生きることに意味などないし、死ぬことに意味もないのです。これは単に生物学的な生−死概念なのではありません。

 たとえば、勉強の嫌いな若いフリータたちは、仕事の“実在感”に誘惑されて、学校に戻らない。仕事は遅刻が許されない、ミスも許されないのに「仕事が面白い」などと言って学校に戻りません。人に頼られたり、お客さんにほめられたり、そのうえ、お金が入ってきたりすると、学校では得られなかった実在感が彼らに前面化しはじめます。いわゆる〈社会〉勉強というものです。しかしこれは勉強ではありません。どんな出来の悪い学生でも、〈社会〉に入れば、仕事をしはじめます。毎日遅刻していた学生も会社に入れば(社会人になれば)ウソのように時間を守り始めます。それはそうせざるを得ないからです。それは放っておいても人は生まれたり、死んだりしているというのと同じ意味での“勉強”にすぎないわけです。生まれたり、死んだりすることが(勉強してもしなくても)不可避であるように、どんな仕事にも実在感があるわけです。あるいは生きていれば、楽しいこともあるし、苦しいこともあるし、どんな秀才も失敗することもあれば、どんなマヌケもたまにはほめてやりたい気になるときもあるわけです。人の盛衰や組織や社会の盛衰も含めて、それもこれも人の社会の歯車(=社会の浮力、社会という浮力)の内でしょう。

 逆に言えば、そんなことに実在感や優劣を感じてはいけないのです。放っておいても(意志が荷担しなくても)生じることに関心を砕いてはいけないのです。どんな仕事でも、5,6年続けていれば、一人前になる。100年続けても一人前にならない人もいる。10年やれば、どんな人間でも課長になることもある。能力があっても課長になれないこともある。そういったことは、実力(=能力)があるとかないとかとは別のところで起こっていることです。そんなところに(本来の)〈意志〉あるいは〈能力〉は存在してはいない。何でも起こりうるし、またなるようにしかならないもの、それが〈社会〉というもの、〈生きる〉ということです。社会にも生きること(あるいは死ぬこと)にも意味はないのです。

 〈社会〉や〈生〉を超えて、もし自らの意志が(少しでも)荷担しうるものがあるとしたら、それは何なのか? それこそが、最後の、そして最初の問いとなるものです。あるいは終わるとか始まるというのは、意志の起源や臨界としてのみ意味を持つ概念なのです。(参照記事:@「芦田の毎日」331番 http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=331&e=msg&lp=331&st=0 A「芦田の毎日」322番 http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=322&e=msg&lp=322&st=0


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