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352 SONY E9000ES と BSデジタル放送
2001/4/30(月)21:03 - 芦田宏直 - 14221 hit(s)


前回の350,351番の「削除」は、この352番のアップに失敗したものです。他意はありません。スミマセン。



 我が家のAVアンプ SONY TA-E9000ES(http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Models/Current/TA-E9000ES_J_1/)がまた生まれ変わった。

 前回、6.1chサラウンドに対応するバージョンアップを報告したが(「芦田の毎日」133番参照のこと)、今回は、MPEG2-AAC対応のバージョンアップを果たした。VUCD-E9000BというCD-ROMアップグレードキット(実売価格13000円)を購入。RS232C経由でTA-E9000ESをバージョンアップ。VAIO-FX90にそのCD-ROMを入れて、3分くらいで(どきどきしながら)インストール完了。TA-E9000ESの電源を入れ直すと「TA-E9000ES  Ver2.50」という表示が出て、大成功!

 いったい、私のTA-E9000ESに何が起こったのか。

MPEG2-AAC。「MPEG2-AAC 、Moving Picture Experts Groupが開発したMPEG2オーディオ標準方式の中のひとつで、マルチチャンネル音声再生を可能とするフォーマットのこと。高音質、高圧縮率を両立することができ、特に低ビットレート(高圧縮率)の環境では、ドルビーデジタルやMP3など、従来のフォーマットに比べて高い音質を維持することができます」と、このバージョンアップキットには書いてあるが(ちなみに、AACは、Advanced Audio Codingの略称)、もっと重要なことは、このMPEG2-AACを使って、データを流しているのがBSデジタル放送ということ。

BSデジタルは、放送としてサラウンド信号を流した初めてのメディアになる。従来のBS放送もCS放送もサラウンド信号は流していなかったが、BSデジタルがMPEG2-AACを使って初めてサラウンド信号も流し始めたのである。BSデジタルは、Hi-Vision による高画質が特にもてはやされるが、オーディオ的にも、MPEG2-AACによるサラウンドもまた魅力的なのである。要するに、DVDの高画質、高音質、サラウンド環境を、放送波で実現したのがBSデジタルだ。わざわざ、レンタルショップへ行かなくても従来のBSアンテナ(+BSデジタルチューナー)一本でDVD以上のAV環境を実現できるのである。

さらにこのBSデジタルをまるまる記録できるビデオデッキが登場した。VICTORのHM-DH30000(http://www.victor.co.jp/D-VHS/DH30000/index.html)である。Hi-Visionの超高画質もMPEG2-AACのサラウンド信号もそのまま丸ごと記録できる。これでDVDのレンタル屋にいくことなく、好きな時間に映画が楽しめる。

ということで、有り金はたいて、HM-DH30000を買ったが(結局DH-10000は、一年しかもたなかった)、よく考えるとMPEG2-AACを再生するAVアンプが我が家にはなかった。TA-E9000ESが登場したのは、今から3年前。BSデジタルなんて、噂以上のものではなかったから、MPEG2-AAC信号を入力する端子そのものがない。TA-E9000ES で、MPEG2-AACを再生するには、まずMPEG2-AACの信号のアナログアウトをもったBSデジタルチューナーDST-BX100(http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Models/New/DST-BX100_J_1/index.html)を買わなければならない。さらに、そのアナログアウトの信号を入力できる5.1チャンネルアナログ入力端子をもったプリアンプを購入しなければならない。SONYは、TA-E9000ESユーザーのために、5.1チャンネルアナログ入力端子をもったTA-P9000ES (http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Models/Current/TA-P9000ES_J_1/)プリアンプを昨年発表。TA-E9000ESを最新の音声技術に対応させようとしていた。

ところが、このBSデジタルチューナーDST-BX100+TA-P9000ES(5.1チャンネルアナログ入力端子プリアンプ)+TA-E9000ES(AVサラウンドアンプ)との組み合わせには致命的な欠陥があった。SONYのBSデジタルチューナー DST-BX100には、AACデコーダは内蔵されているが、i.LINK出力ができない。VICTORのHM-DH30000とi.LINK接続ができない。映像・音声デジタル信号を直接記録できるデジタルアウトがないのだ。

せっかく、HM-DH30000というi.LINK接続によるデジタル記録ができるデッキを買ったのだから、この際、i.LINK接続のできるチューナーを買うしかない。そこで買ったのが、PioneerのSH-DT1(http://www.pioneer.co.jp/press/release195-j.html)。PanasonicのOEM製品だが、くさってもパイオニアということで、これを買い、AACデコーダーは、YAMAHAのAD-100 (http://www.yamaha.co.jp/news/01022201.html)を経由。これをSONYのTA-P9000ES(5.1チャンネルアナログ入力端子プリアンプ)と繋いで、TA-E9000ES(AVサラウンドアンプ)でBS5.1サラウンド再生を実現。これが私の4月下旬のAAC再生設計図だった。

要するに、AD-100 (http://www.yamaha.co.jp/news/01022201.html)とSONYのTA-P9000ESを買わなければ、愛機TA-E9000ESにおいて、BSデジタルの5.1サラウンド再生は不可能だったのである。この二つの機械は、YAMAHAのAD-100は、定価で29800円。SONYのTA-P9000ESは定価で90000円。私の三年前のTA-E9000ESで、BSデジタルサラウンドを再生しようと思うと10万円以上の出費になるということだ。

しかし、TA-E9000ESは今でも大変気に入っているサラウンドアンプだった。SONYのTA-P9000ESと YAMAHAのAD-100 とを世田谷のヤマギワ電機で注文し、ゴールデンウイークをBSサラウンドで楽しもうと思っていた。TA-P9000ESは3日くらいで来たが、YAMAHAのAD-100が、新製品で発売が5月の中旬にずれ込むとの情報。二つセットでなければ意味がないから、TA-P9000ESはヤマギワでそのままあずかってもらい、AD-100を待っていたところだった。

ところが、である。ところが、「HiVi(ハイビ)」5月号を読んでいたら ― “一般的な”AVファンがよく読んでいる雑誌 ― なんと、「TA-E9000ES用のMPEG2-AAC対応バージョンアップCD-ROMキット発売」とのこと。しかも定価で15000円。「これだぁ!」と、おもわず、叫んだ。

このCD-ROM一枚あれば、TA-P9000ES(90000円)と YAMAHAのAD-100(29800円)の機械的な追加は不要になる。PioneerのSH-DT1のデジタルアウトをTA-E9000ESのデジタルインに繋ぐだけですべてはOK。TA-E9000ESが最新のデジタルアンプに変身するのだ。しかも15000円で。

あと2週間もすれば、10万円以上の出費を強いられていたのに、早速TA-P9000ESはキャンセル。バージョンアップキット(VUCD-E9000B)を注文(なぜか、この商品は、SONYのサイトはもちろん、インターネットで探しまくっても、見つからない)。「そりゃ、ないよ、芦田さん」とはヤマギワ世田谷店の山崎さん。「だって、SONYが中途半端なBSチューナーと中途半端なプリアンプを出したのがいけないのよ」とは私の強弁。

そうやって、ゴールデンウイークの真っ最中の今日、私のTA-E9000ESは、生まれ変わった。

前回のレポート(「芦田の毎日」133番)でも報告したが、オーディオアンプにRS232C端子で事後的な介入を行うというのは、不思議な感覚だ。そもそも「RS232C端子」というコンピュータデバイスがオーディオアンプについていること自体がふしぎなことだ。

“昔は”、それなりの値段のアンプを買えば、それなりの年月、いい音を出し続けたものだ。それがいまでは、映像や音声の高規格が矢継ぎ早に出てくるために、“バージョンアップ”なしには1年単位で使い物にならないアンプがでてくる。もはや、オーディオも「ソフト」の時代なのである。映像も音声も情報化されつつある。

ところで、BSデジタルって、ほんとうにすごいですよ。私は、CS(スカイパーフェクTV)の「PowerMovie」チャンネル、「スターチャンネル」1〜3など映画系のチャンネルを5チャンネル契約していましたが、ただちに全部キャンセル。すべてBSデジタル(WOWOWデジタル、スターチャンネルデジタル)に契約を変えました。一度、BSデジタルを見ると(聞くと)、CSなんて見てられません。DVD画像(+音声)もすごいですが、放送波で、それ以上の画質(+音質)が得られるBSデジタルは革命的です。一度お試しあれ。


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【352】 SONY E9000ES と BSデジタル放送 2001/4/30(月)21:03 芦田宏直 (6591)
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