番号 | 日付 | 題名 | 投稿者 | 返信元 | 読出数 |
42 | 8/26(月) 13:15:19 |
軽井沢セミナー旅行記(1) | 芦田宏直 | No.41 | 3262 |
23日の情報教育協会のセミナーに参加するため、金曜日は9:30に世田谷の自宅を出て、環八を北上、井荻駅がトンネルになっているのをはじめて知った(ほとんど来ないから)。しかし井荻駅はトンネルになっても通過に時間がかかる(何のためのトンネル化か?)。南烏山の自宅から関越練馬入口までやはり一時間はかかった。ここから一路、上越「碓氷軽井沢IC」まで約150キロ。渋滞もあり着いたのは12時過ぎだった。 私は軽井沢にはこれまで2回経験があるだけ。一回目は早稲田のセミナーハウス(中軽井沢)を利用したとき。後は20年前くらいに軽井沢プリンス(http://www.princehotels.co.jp/karuizawa/)に家内とほんの1泊したとき。そのとき以来だ。夏休みに、新宿(と東京駅)にしか行かなかったので(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=37、http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=38)、この講演を機会に、講演を軽井沢旅行講演にしてしまった。ちょうど、プリンスホテルのコテージ(http://www.princehotels.co.jp/karuizawa/room.html)が空いていて、家族分(3人分)予約ができたのだ(運悪く東館だったが)。 講演が午後6:30におわったあと、東館に向かったが、西館は見つかり安いところにあるが、東館が見つからず、右往左往してしまった。そもそも20年前はそんな「西」も「東」も、まして「プリンスショッピングプラザ」もなかった。昼食を食べる余裕もなく、研修講演に入ったのでお腹が空いていたが、しかし緊張が続いていたため、それも実感できない中途半端な状態だった。ホテル内のレストランでも良かったが、「ショッピングプラザ」(http://www.princehotels.co.jp/shopping/karuizawa/index.html)の「味の街」(http://www.princehotels.co.jp/shopping/karuizawa/floor/f_aji.html)にある「ろぐ亭」という近江牛の焼肉屋が安くておいしい、と(学校の職員から)聞いていたので行くことにした(東館からは遠っかたが)。たしかに肉はいい肉だったが、とにもかくにも、コンロの火力が弱く(一気に焼けず、煮込み焼きみたいになってしまう)、しかもタレが(甘すぎて)最悪。近江牛が台無しの焼肉屋だった。 焼き肉屋は、肉も大事だが、コンロも大事。さっと数秒おくだけで焼き目が付くくらいに火力が強くないとおいしい肉も台無し。焼き目も付かない、血汁が出るくらい長置きしないと焼けないダメなコンロだった。それにたれも最悪。私はカルビの甘さが大好きだが、カルビの甘さだけでも充分なのに、たれがその甘さを殺すくらいに甘い。もうなんだかわからないくらいにダメな焼き肉屋だった。そもそも隣のテーブルでは、しゃぶしゃぶをやっている。しゃぶしゃぶをやる焼き肉屋なんて、うどんを出すそば屋と同じくらいダメな店じゃないか。そう思いながら食が進まない内にいつのまにか息子がすべて肉を食いあげていた。 もうその日は、講演で疲れて、(天気も時雨気味で)夜も暗くなっていたし、久しぶりの軽井沢、という感慨もないまま終わった。 朝、起きると、一転薄日の差すいい天気。7:00すぎに目を覚ましたらもう目の前のテニスコートでプレーする家族がいた。そよ風で揺れる木立越しの風景。絵に描いたような風景だ。軽井沢はこうでないと。私が軽井沢の山々を見てはじめて思ったのが、木立に隙間があること。たぶん寒冷地なので、雑草やツタが茂らないのだろう。木が根元まで見えて、山の中でも踏み込めるくらいに隙間ができている。木漏れ日が入る空地がある。木の葉のかすかな揺れを感じ取ることができる(風が見える!)。これがいい。 日曜日まで滞在する気はなく(出勤前日に帰るというのは勇気がいる)、土曜日中に帰ろうと持って1泊しか取っていなかったが、やはり軽井沢は行くところではなく、滞在するところだ。少なくとも1週間くらいは滞在しないと意味がないと思った。「ショッピングプラザ」で買い物をしている人を多く見たが、こんなところで、L.L.BeanやKENZOやValentinoを買って何が面白いのか。散歩やスポーツをしながら、日頃ゆっくりとは読めない堅い本を読破するとか、ちょっとした新しい仕事の構想を練るとか、そんなことに適している風土だろう。 私が特に不満だったのは「ショッピングプラザ」に、大きな本屋さんがないことだ。たぶん、ここを構想した人は、本を読まない人だったのだろう。こういった休暇で人の集まるところには、本屋が必要だ。しかも雑誌だけではなく、それなりの(日常的には読まない)専門書も集めた方がいい。お正月にも本屋はにぎわっているように、こういったちょっとした休暇が続くような人が来ているところには、大きな本屋さんが必要だ。ところがどこにもない。 結局、軽井沢に行く人は家から本を持参しているのだろうが、それでは面白くない。インターネット書店は目的的な書物購入に適しているが、むしろそれだからこそ、偶然に書物に出会える大きな書店の意義も大きい。わざわざ偶然の快楽のために新宿・紀伊国屋や東京駅・八重洲にまで雑踏にもまれながら行くのもおっくうだ。土日を越えた〈休暇〉のときにこそ、その偶然性の快楽に浸れるのだから、軽井沢「ショッピングプラザ」に大きな本屋さんがないのは、軽井沢的休暇の意味を誰もわかってはいないのである。 そう思いながら、夕方には自宅に戻らなくてはならない貧乏な我が家は時間を惜しむように朝9:30にプリンスを後にした。一路、白糸の滝、白根山を目指した。(続く) |
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