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160 6/1(日)
20:32:01
 WEBPOCKET、YAHOO BB ― ユビキタスコンピューティング  メール転送 芦田宏直  8295 

 
 仕事場でも自宅でもインターネット常時接続のパソコンの前で仕事をしているとファイルの共有利用(一元管理)ということが関心事になる。仕事場で作ったファイルを自宅で利用する場合もあるし、自宅で作ったファイルを仕事場で利用する場合もある。3番目のパソコンであるモバイルコンピュータ(ノートパソコン)を持っている場合は、この事情がもっと複雑になる。「あのファイルはどこで作ったファイルだったのか」と迷うこともしばしば。肝心なときに肝心なファイルがない、ということはたびたびあるし、ファイルがあっても更新日時が違ったりして役立たないことも多い。

 一番簡単なファイル管理は、外部記憶装置(外付けのハードディスクドライブ)を持ち、そこにしかファイルを書き込まない。それを常に仕事場と自宅との間(あるいは出先間)で持ち歩くというもの。ノートパソコン(自宅でも利用する場合のノートパソコン)を持っている場合は、それを仕事場のデスクトップパソコンを使う場合にも(有線か無線で)繋いで使って、そのノートパソコンのドライブしか利用しない(そのノートパソコンのドライブにしかファイルを書き込まない)という使い方。

 この両者の使い方がかなり原始的で物理的な一元化(と共有化)ではあるが、一番確実なファイル管理だ。ただし物理的な分、重いし、面倒ではある。最近、この面倒さを少しは解決するツールが売り出された。SONYの『ポータブルファイルサーバー』(http://www.jp.sonystyle.com/Product/Pserver/Fsv-pgx1/index.html)だ。これは小さくて手軽。しかし、物理的な共有の問題点(面倒さ)は依然として残っている。

 最近、私はやっとこの問題を解決する術(すべ)を見つけた。SONYの『WEBPOCKET』(http://www.webpocket.net/ja/index.html)というサービスだ。これはインターネット上に仮想ファイルサーバーを作ってくれるサービス。自分が作ったファイルをインターネット上のファイルサーバーに送り込み、そこにすべてのファイルを一元化するというもの。まさにWEB(インターネット)上に自分の「POCKET」を持つような感覚でファイルを利用することができる。

 3、4年前から、このサービスは始まっており、始まってすぐに登録したが、そのときにはすぐに利用をやめた。というのも、フォルダ毎にファイルを転送できなかったからだ。いつも利用している階層構造のままファイルを転送できなければ意味がない。当時はブロードバンドではなかったこともあり、1ファイル毎の転送も面倒くさくてやってられない。過去に作った全体のファイルの10%くらいを転送したところでやる気がなくなってしまった。

 今回、久しぶりにWEBPOCKETをのぞき込んだから、階層構造のままそっくり転送できるようになっている。しかも、「ウェブポケットドライブ」というソフト(先のサイトからダウンロードできる)を起動して、そこにファイルを、あるいはフォルダをつまんで落とせば、自動的にマイ「WEBPOCKET」にどんどん転送してくれる(フォルダがいくつあろうが、その中のファイルがいくつあろうが)。転送先のWEBPOCKETには、自分のパソコンのフォルダ構造と同じままのツリーができあがっている。これは快感。

 先週1週間で、私はここ20年間くらい作ってきたドキュメントファイルをすべてこのWEBPOCKETに放り込んだ。800メガバイトくらいになったが、この文書ファイルをインターネットにつながっているパソコンならば、(自らのパスワードを打ち込みつつ)どこからでも常時利用できる。今後、自宅で作るファイルも、仕事場で作るファイルも作ると同時にここに入れておけば、ファイル管理に迷うことはない。

 現在、私は、SONY STYLEの会員を利用して容量「1GB」のコースに入っているが、以下のプロバイダ、http://www.nifty.com/webpocket/http://www.so-net.ne.jp/webpocket/http://aii.webpocket.net/http://broadband.biglobe.ne.jp/webpocket/http://webpocket.odn.ne.jp/http://www.dion.ne.jp/webpocket/http://www.webpocket.net/asahi-net/ に入っている人でも、その会員登録を利用して利用することができる(もちろん新規にも可能)。これらの場合は、このアドレスにインターネット上でアクセスして、パスワードを入れれば、それぞれのマイ「POCKET」を利用できることになる。

 利用料金は、SONY STYLE( http://www.webpocket.net/ja/sonystyle/price/index.htmlの場合、「100MB」利用コース 250円/月、「 1GB 」利用コース 500円/月、「 5GB 」利用コース 750円/月 、「 15GB 」利用コース 1000円/月の4コース。私の場合は、だから月500円で済む。途中で1GBを超えれば(私の場合はあと200メガバイトで一杯になるが)、そのまま「5GB」に連続的に移行できるから最初から大容量(=高額の)のサービスを契約する必要はない。

 私の場合、これまでの(2003年3月末までの)過去のすべてのファイルは、逐年で整理したフォルダと内容的な分類で整理してフォルダの二つに分けて「WEBPOCKET」に“収納”した。一つの同じファイルを、二つのフォルダで管理している。そうしないと必要なファイルを見出すのに時間がかかるからだ。「WEBPOCKET」自体には「ファイル検索」機能が付いているが、ファイル名までの検索しかできず、フルテキスト検索はできない。だからフォルダの形成の仕方をあらかじめ決めておかないと肝心なときにファイルが見つからないことになる。

 それに、「WEBPOCKET」は、転送時にもとのファイル作成日付を転送時の日付に(「登録日」として)変えてしまうため、長い過去のファイルの日付での管理は、転送する前に整理しておく必要がある(これは「WEBPOCKET」の問題点)。

 2003年4月以降のものは、単独のファイルのまま(フォルダ化せず)継時的に転送収納し、分類(フォルダ化)は半年か一年単位くらいで行った方が検索はやりやすい。私の場合は、その日に作成・保存したファイルは、仕事場であれ、自宅であれ、すべてのファイルをデスクトップ上に保存し、それをその日の作業終了時にすべてドラッグして「ウェブポケットドライブ」(=「WEBPOCKET」)に落とすことにしている(そうすればファイル「作成日」と「登録日」は同じになり、検索性が高まる)。そうするとすべてのファイルはインターネット上で一元化していることになる(ハードディスクもノートパソコンもフロッピーも入らない、物理的な確実性以上に簡便で確実な一元化だ)。今どきインターネットにつながっていないパソコンなどないから、自宅や仕事場はもちろんのこと出先であっても私の20年間のファイルはどこででも引き出せることになる。

 ここ1週間くらい使って思いも寄らない便利さに出会ったのは、インターネットの「お気に入り」サイトに登録したサイトなども、そのままドラッグして「ウェブポケットドライブ」に落とせば、どんどん転送して共有化できるということだ。自宅でも仕事場でも、「お気に入り」サイトは臨時性やスポット性が高いから、職場と自宅での「お気に入り」をいちいち共有する気がしないが、でも一致していると便利なことこの上ない。こういった体験を繰り返していると、「すべてはファイルだ」というインターネットの根本思想のラディカルさが身にしみる。

 最近の私の書斎情報術は、もう一つある。例のYAHOO BBフォン(http://bbpromo.yahoo.co.jp/)。加入してしまった。いわゆるIP電話(http://www.zdnet.co.jp/broadband/0212/25/ip_phone.html)というもの。全国どこへかけても3分7.5円。アメリカへかけても同じく3分7.5円。YAHOO BBフォン加入者同士なら何分話しても0円。タダというからすごい。これで月額基本料金は390円。BBフォンモデムが690円(月額レンタル料)。だから月額の基本料金は1080円(+NTTの基本料金)になるが、だいたい電話料金が月額で4500円〜5000円以上かかっている人は、BBフォンにした方が安くなる。よく掛け合う人同士がBBフォンにしあえば、コスト削減の効果ははるかに高い。

 ついでに「パソコン通信」以来長く利用したニフティの会員も止めて、プロバイダもYAHOOの12MBに変えたが、これは半分失敗だった。YAHOO BBフォンのADSLモデムスプリッタは、たとえば、ザウルスでインターネットを利用するときに、そのプロバイダ機能を共用できない(自宅電話番号を特定するADSLしか扱わないプロバイダの欠点)。これは不便この上ない。ザウルスやノートパソコンでPHS(自宅とは違う電話番号)を介してインターネット利用する人は、もう一つ別のプロバイダに入るしかない。不経済だ。

 もう一つのYAHOO BB(ADSLモデムスプリッタ)の問題点。YAHOO BBの加入申し込みをすると送られてくるYAHOOの ADSLモデムスプリッタ(YAHOO BB trio1)は、有線LANのポートが一箇所しかない(もちろん無線LANのためのPCカードスロットも付いていて並行して使えるようになっており、だからこのモデム・スプリッタは無線ルーター機能も持っているが)。したがって有線LANしか接続できない機器を複数有している人には使えない。たとえば、すでに私が使っていたNTTの無線LANルータ・WEB CASTER FT5100(http://www.ntt-east.co.jp/ced/goods/ft5100/index.html)は、有線LANポートが4個あるから4台までは機器を接続できる。現に私はこれに例の『コクーン』(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=73)と『エアボード』(http://www.sony.jp/products/Consumer/airboard/)を繋いで使っているため重宝していたが、ADSLモデムスプリッタ(+無線ルーター)は一台ですべてができるすぐれものだが、その分、機能は殺ぎ落とされている。

 そこで、ある人に頼んで、ADSLモデムスプリッタ(+無線ルーター)をNTTの無線LANルータ・WEB CASTER FT5100に繋いで、今の環境を維持したまま、YAHOO BBを使うという離れ業に近い環境を構築していただいた。こんなことをして使っている人は、そう多くはないだろう(私一人かもしれない)。YAHOO BB のLANポートを拡張して(HUBを)使う方法もあったが、そうなるとLAN接続については気難しい家電の『コクーン』や『エアボード』が正常に機能するかどうかがわからないから避けざるを得なかったのである。

 しかし最近のプロバイダのサービスも充実してきた。YAHOO BBの会員になると無料で「MY YAHOO!」というサービスが付いてくる(YAHOO検索サイトの頭の行の3番目にそのアイコンが出ている)。これもまた、メール、カレンダー、アドレス、ノートパッド(メモ書き)機能をもっていて、(「WEBPOCKET」のように)WEB上で一元管理できる。インターネットのあるところなら、どこからでも自分のメール、カレンダー、アドレス、ノートパッドを作成し利用できる。メールは、自宅や仕事場のメールをここ(YAHOOメールのアドレス)へ転送するように設定しておけば、インターネットのあるところどこででもメールの受発信ができる。短文ですませる場合には、携帯電話への転送が一番便利だが(私は仕事上のメールはすべて携帯電話に転送させている。携帯電話代は14年以上も前から私費で払っているが)、長文になるとプロバイダのメールサービスは便利だ。他人のパソコンでもメールを読むことができる、というのは快感そのもの。

 唯一の不満は、カレンダー機能がMS-OUTLOOKと連動していないことだ。仕事場ではOUTLOOKの「予定表」「連絡先」「仕事」「メモ」を使っているが(さらにザウルスhttp://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=79をこれらに同期させているが)、YAHOOのメール、カレンダー、アドレス、ノートパッドはこの内のメールにしか対応しない。せめて「予定表」=「カレンダー」の連携はとってほしいところだ。これができれば、私的な情報から世界史的な情報まですべての情報はインターネット上に一元管理できる。

 これはどういうことかというと、世の中すべてのパソコンがすべて私のパソコンだ、ということだ。インターネットに繋がるすべてのパソコン(もはや「パソコン」と言えば、そのことを意味するのだから)なら、たった今仕事をしていた自分のパソコンのファイル(あるいは返信を書き始めていたメール)をそのまま継続して利用できることになる。もはや、20GB以上は当たり前のこととなりつつあるノートパソコンのハードディスク容量も貧乏性的に競う必要はなくなり、最近出た『シグマリオンV』(http://www.wince.ne.jp/hpc2000/sigmarion.htm)で充分。1ファイルで20GB もあるファイルはないのだから、出先では必要なファイルだけをパソコンに落として使えばいい。10MBもあれば、ほとんどの場合、それで足りるから、電子手帳でも仕事ができることになる。

 まだ現在ではアプリケーションファイルとデータファイルが分離しているため、(どこのパソコンにも入っているとは限らない)特殊な専門の仕事をするアプリケーションのデータファイルを利用する場合には、私が思っているほど楽天的な状況ではない。

 今では、データファイルもそれをクリックすると同時にアプリも立ち上がるが、昔は、アプリを立ち上げておかないとデータは立ち上がらなかった。MACは最初からデータと同時にアプリを起動したが、Windowsは最初はそうではなかった。この問題が、「ユビキタス」問題ではもっと深刻になる。ファイルサーバーは、そのファイル形式を“記憶”していても、その記憶を呼び出すもの(アプリケーションファイル)がクライアント側で存在していなければ、そのファイルは使えない。

 この問題のアプローチには(今までのところ)二つの仕方がある。一つはJAVAのようにデータとアプリをいわば一体化するというもの。ゲームソフトの一部や株価の変動をリアルタイムで伝えるような場合には、このやり方ですでに「ユビキタス」状態だが、この欠陥は、データ量が重すぎるということ。いくらなんでも何百メガもあるWordというアプリを、1メガもないそのデータと同時に送りつける(しかもデータを送りつけるたびに)というのは重すぎる以上に不経済な話だ。

 もう一つは、データ形式を統一してしまうというやり方。現在でもマルチメディアの一部はJPEGやGIFで事実上「ユビキタス」化されているが、W3C(ワールドワイドウエブコンソーシアム)は、XML計画(http://www.keyman.or.jp/search/a_30000001_1.html)の中で「ユビキタス」の夢を実現しようとしている。しかしこれも言ってみればソフト開発の自殺行為のようなものだから、なかなか進まない。アプリは、ブラウザだけでいいということになりかねないからだ。よーく考えてみるとこの世の中で一番普及し、一番活躍しているアプリは(何でも読める)ブラウザなのである。昔、アメリカの言語学者チョムスキー(http://www.kyoto-seika.ac.jp/seika30/norm_.htmlhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)が考えていた「変形生成文法」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%88%90%E6%96%87%E6%B3%95)の真理は、インターネットブラウザで完成しつつあると言える。もともと現代のコンピュータは、フォンノイマン(http://www.twcu.ac.jp/class/as/ip/ip2b/htdocs/behavior.html)以上にスイスの言語学者ソシュール(http://members.jcom.home.ne.jp/w3c/Saussure/)の「意味とは差異である」という形式的な意味論に支配されているため、その出来の悪い弟子である言語学者チョムスキーの夢がインターネットブラウザで実現するのは当たり前のことなのかもしれない。

 しかしいずれにしても、WordやExcelの入っていないパソコンはないのだから、フツーの仕事をしている人は、すでに「ユビキタス」だ。高価なノートパソコンを買わなくても、世の中にあるすべてのパソコンが自分のパソコンだと思える環境が揃っている。高価なノートパソコンも買う必要がない。5万円前後で買えるWindowsCE機『シグマリオンV』で充分だ。

 「2002年情報化白書」http://www.jipdec.jp/chosa/hakusho2002/ のサブタイトルは「ブロードバンドとユビキタス時代を迎えて」だった。情報化のマークの仕方でラテン語の「ユビキタス(いたるところ)」(ubiquitous)という言葉を初めて使ったのは、米ゼロックス PARC研究所のマーク・ワイザーらしいが(http://www.fri.fujitsu.com/hypertext/fri/cyber/hotkey/ubi/ubi.htmlhttp://www.atmarkit.co.jp/news/200111/16/ubiq.html)、私なら、「モバイル」から「ユビキタス」へ、と言いたい。

 モバイルの進化は、ノートパソコンを軽量で小型化しつつも高速化する(CPUの進化)、大容量化する(HDDの進化)、高解像化する(モニタの進化)という3点を中心に進んできた。私の出費もその歴史のその都度の現役だった。これは、(今から考えると)要するに職場や自宅のパソコン環境をどこででも使えるもう一つ別のパソコンに物理的に閉じこめるという思想だったのである。「モバイルコンピューティング」というのは、その意味では貧乏性のコンピュータ利用だったと言える。貧乏人(=中間層)ほど何でも自分でやりたがるからだ。それは中小企業の社長がなんでも自分でやろうとして会社を大きくできないことと同じ貧乏性である。

 「ブロードバンド」と「常時接続時代」を反映する「ユビキタス」は、自他のコンピュータを区別しない。ここに「ユビキタス」の本質がある。単にコンピュータがあちこちで使われているのではなく、あちこちで使われているすべてのコンピュータが〈私の〉コンピュータであること、それが「ユビキタス」コンピューティングの本来の意味である。つまりコンピュータの「遍在(ubiquitous、omnipresence)」が、私の「遍在」でもあるようになった事態が「ユビキタス」という言葉の現代的な意味である。

 むろん、こういった便利さや〈私〉の拡張性に疑念を持つ人も多いだろう。たとえば、WEB上にファイルやメールを置くなんて、「セキュリティはどうなの?」なんて。それは確かに危ないかもしれない。でも、その人がインターネットに接続してパソコンを利用している人なら、自分のファイルはすべて覗かれてもおかしくないと思っておいた方がいい。

 そもそも「セキュリティはどうなの?」と言って、「セキュリティ」なんて情報用語を使っている人なら、みんなインターネットを使っている人なのだから、そんな人のセキュリティはすべてないも同然、と思っておいたほうがいい。「WEBPOCKET」のような機能は「1ギガバイト」の低容量で月に500円も払わなくても、自宅にWEBサーバーを構築した方がはるかに安上がり、という人もいるかもしれないが、これの方がはるかに危ない。「芦田」という個人に関心を持っている人がセキュリティ破りの対象を特定できるため、簡単にサーバーの中に入れる可能性がある。それであれば商用の「WEBPOCKET」の方が安全だ(私が「WEBPOCKET」を使っている、と公開するのはそれ自体“危険”なことだが)。

 そもそも「近代的な自己」なんて、最初から「セキュリティ」を犯され続けてきた。「国民」全体が〈教育〉を受け、〈知識〉で「技術」や「コミュニケーション」を強化するというのは、「セキュリティ」侵犯の原初だった。「ファシズム」というのは、近代的な国家の裏面の完成態(国のそこかしこにスパイがいるという、ユビキタススパイ状態)だった。ファシズムは一人の人間だけが「ユビキタス」だったが、「ユビキタス時代」はすべての人間がユビキタスであって、すべての人間が「金正日」であり、「フセイン」であるわけだ。今ではすべての国民(スパイだけではなく)が解説付きの証拠カメラ(携帯電話)をもって町中を歩いている。スピード違反を携帯電話で110番に密告する“良心”的なドライバーまでいる。

 だから、「WEBPOCKET」も「YAHOO BB」も「とても便利だ」、とそう素直に言えばいいのである。それだけのことだ。


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