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GOOGLEが秋から新しいサービスを開始した。GOOGLEリーダー(www.google.co.jp/reader/)だ。
これを利用すれば、RSS(http://ja.wikipedia.org/wiki/RSS)に対応したサイトの記事は(一度登録すると)いちいちそのサイトを開くまでもなく、更新のそのつど自動的に手元に記事が集まってくる。
たとえば、お気に入りのブログがあって、そのブログがRSSに対応していれば(私の『芦田の毎日』 http://www.ashida.info/blog/ はもちろんのことほとんどのブログサイトはRSS対応だが)、一度GOOGLEリーダーに登録すると、いちいちそのサイトを開かなくても新しい記事が書かれる度にリーダーに記事タイトルや本文の一部が書き込まれる。
お気に入りに登録している場合だと、クリックしてサイトを開くたびに、なんだまだ新しい記事が書かれていないのか…と失望をくり返すことになるが、リーダーに登録しておくとそんな無駄な手数と失望は不必要になる。リーダーに記事が登録されない限り、新しい記事はまだ書かれていない、と判断できるからだ。
この種の便利さは、ブログのような更新性の高いサイトはもちろんのこと、人気の高いインプレスのWATCHサイト(http://www.watch.impress.co.jp/)のようなネット日刊誌の類などを利用する場合にもありがたい。もちろん各種の新聞サイトもRSS対応となっているので、新聞社サイトも登録しておけば、いちいちサイトをのぞきに行く必要はなくなる。
要するに、RSSリーダーは「プッシュ」型でも「プル」型でもない両者の中間のような情報収集なのだ。
私は、ここ数日で、約100前後のRSSサイトをGOOGLEリーダーに取り込んだが、快適だ。
約100前後の中には、新聞社の記事情報はもちろん、各種業界紙(誌)、書評誌、雑誌情報(およびネット雑誌情報)、ブログ、コラム、新刊情報、映画情報、商品情報などが含まれるが、中には「帝国データバンク大型倒産速報」などの変わり種や、Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8)の中の言葉を任意に毎回10語ずつ届けてくれるRSSサイトもある。
100のRSSサイトで毎回、毎日更新される情報は1000以上の数に上るが、読むべき記事は10個あるかないかだ。私は、この新着情報の判別を毎朝、シェーバーでひげを剃る10分〜12分の間にやっている。1000くらいの記事なら10分前後で終わる。
昔ならば、大社長が秘書を雇って切り抜き作業をやらせて何時間もかかっていた仕事が、朝のひげそり時間の間に終わる。なんということか。
それに、GOOGLEリーダーは、自分が選んだ記事を公開することも出来る。私は先週からAshida’s NEWS (http://www.google.com/reader/shared/07345837526963288969)として公開している。
今回、この「Ashida’s NEWS」 を「今日のニュース」として、BLOG『芦田の毎日』のトップメニュー(グローバルメニュー)の中に新設しました。ニュースチェックの一助にして下さい。毎日2,3回は更新していくつもりです。
RSSという技術は、WEB2.0と言われるインターネット利用の新段階を象徴する技術だ。WEBの初期段階は、1人の孤立した個人が世界大のインターネット情報に主体的に立ち向かうという段階だった。
これはよほど強大な主体、よほど知的な主体でなければインターネット情報を駆使することができない。世界大の情報の海に自ら飛び込んで泳ぎ切らなければならないからだ。溺れる者ばかりが相次いだ。
RSSは、自ら飛び込まなくても、向こうからやってくるということだ。リンクを辿るという主体的な行為が受動的に自動化されている。
この受動性は、むしろ便利と同じ意味。検索というのは、人間が“主体的”にやるものではないとうのがWEB2.0の基本思想。
サイトを「お気に入り」に入れるだけでも、インターネット利用は格段に利用しやすくなったが、「お気に入り」サイトのほとんどがRSS化されていけば(実際そうなるだろう)、そのリーダー登録で読む行為は(半分は)自動化される。
この自動性は、「レコメンデーション」機能が11月末に付加されることによって、さらに本格化した(http://www.atmarkit.co.jp/news/200711/30/google.html)。
この「レコメンデーション」機能というのは、同じようなRSSサイトを登録しているユーザーの記事やリーダーユーザーの検索キーワード情報を元にGOOGLEリーダー自身が“自動的に”類縁記事を紹介してくれるというもの。ユーザーの無意識を集団的な規模で組織化した記事検索が可能になっている。
1000にも渡る雑誌や記事を(無意識の「レコメンデーション」とともに)10分で判別できる状態になるとき、いったい、何が起こっているのか。
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