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319 re(1):カウンセリングについて
2001/3/25(日)02:10 - 芦田 - 13710 hit(s)


 まず、最初に断っておきますが、私は、すべての人間は「カウンセリング」の必要な病気にかかっていると思っています。その上でお答えします。

 私が、「カウンセリング」における会話(対話)を、時間を回復する過程だと言ったのは、時間が、後悔と希望の源泉をなしているからです。過ぎ去ったものに対する過剰な思い入れ(過剰な反省)と未だ存在していないものへの過剰な思い入れ(未来への楽天主義)が生じるときに“精神病”は生じます。過剰な過去意識は、可能性という自己の未来性を拒否し、過剰な未来意識は、有限に条件付けられている自己の過去性を拒否します。自己が存在する、というのは、過去の重みに耐えながら、将来的な可能性に向かってその過去を解放する人間の根本的なあり方です。“精神病”は、こういった全体的に時間的な存在を、極端な悲観主義(過剰な過去意識)か極端な楽観主義(過剰な未来意識)に引き裂くのです。カウンセラーは、“患者”が今話したことと、以前に話したこととの関連、あるいは、現在話していることが、どんな次の話しにつながっていくのかということの関連をたどっているのです。その強弱の中に、“病”を見出すわけです。たとえば、あなたの言われる「自問自答」や「反芻」は、ひょっとすれば、過剰な過去意識、反省主義なのかもしれません。あるいは、考えれば答えがでると思い見なす分、その反省主義は、簡単に過剰な未来意識、楽観主義に転化する要素を持っています。沈黙もおしゃべりも、“病者”にはどちらも過剰にあらわれるのです。どちらも時間的な全体構造が断片化して四散しているのです。

 あなたの言われる〈社会〉とは、それ自体時間性です。過去と未来を分散させずに全体化すること、それが「カウンセラー」の仕事です。〈自己〉とは、過去と未来の結節点なのです。


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