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カシオペアファイバ+6ギガハードディスク換装騒動顛末記

(その3)

なんて、えらそうなことを芦沢先生は言っているが、そういう理詰めの追求が、私には不安でならなかった。なぜか。なんと言っても私のカシオペアファイバは、西田さんの手の中にある。怒らせたら何をされるかわからない(というか少しでも大事に扱ってもらいたい)。気の弱い子供を保育園に預けている専業主婦のような気持ちだ。芦沢先生は他人事のように、理詰めの知識と正義感で、好き勝手言っているが(私のファイバを守る気なんか全然ない)、私の立場とは、全く異なる。それに芦沢先生は、JC-ワールドは初めてかもしれないが、私はリブレット30の500メガを1.6ギガに、レッツノートミニの1.6ギガを4.2ギガに換装したときに、すでに2回もお世話になっており、そのときには、(西田さんではなかったが)ナガツマさんやモモイさんにお世話になった。結構親切だったのを覚えている。いい印象しかないのである。私は芦沢兄弟が怒れば怒るほど、冷静に対処しようと努めた。技術者(職人さん)を怒らせては元も子もない。

私にとっては、最悪「元に戻せる」という言質さえとれればよかった。

とはいえ、そうは言うもののここからがたいへんだった。

FDDもポートリプリケータもCD-ROMドライブも、どこにもないのだ。まず、買ったビッグカメラへ電話をした。「在庫なし、入荷未定」。大塚商会へ。「来月になる」。T-ゾーンへ。「入荷未定」。LAOXへ。「20日以降入荷予定」。どれも今ない。困ったあげく販売提携しているアキアにかけると、「今すぐ入金されても7月下旬以降になる」と最悪。どこも「メーカーに在庫がない」と言い始める。ファイバって、そんなに人気があったっけ? と自問する。在庫がないということは町中(まちなか)に出回っているとも(勝手に考えれば)考えられうる。“通”が通う秋葉原では駄目かもしれない。早速、“田舎”の京都にいる弟に電話をかけて、調べてもらった。16日水曜日(いつの間にか買ってから2日もたっていた)、愛用のドコモiモードF501i)に初めてのEメールが入っていた。弟からだ(こういうときに携帯電話のメール受信はいい)。ポートリプリケータとCD-ROMドライブが別々の店にあったとのこと。やっぱり、東京以外の全ての都市は、田舎だった。「予約して物を押さえてよ」。翌17日木曜日(3日目)、弟に買いに行ってもらい、「すぐに、宅急便で、送って」とJC-ワールドに直送する手配をとった。

しかし、肝心のFDDがない。ありそうでなさそう、なさそうでありそうな店はどこか? 当てずっぽうで「ツクモ」電気(秋葉原)はどうだ、と思って、電話をかけると、これが的中。「あります」。これが17日木曜日16:00。早速、秋葉原が毎日の寄り道先である芦沢弟先生の携帯に電話。「ツクモで買って、JC-ワールドの西田さんに渡して。お願い」。

そうやって、18日金曜日には、すべての復帰道具がJC-ワールド西田さんの手元に届くことになった。

西田さんから、18日夕方5:00頃、私の携帯に電話があった。「できました」(西田)。「あ、そう。ハイバネもすべてうまくいきましたか?」(私)。「ええ、できましたので」(西田)。「ありがとうございます。いろいろとご迷惑をおかけしてすみませんでした」(私)。全額、47040円(換装手数料15000円+6.4ギガハードディスク(IBM製)29800円+消費税)。いい勉強をさせてもらった。

最後は、あっけないものだった。月曜日に買って、5日後、金曜日に私の特注「6.4ギガ」カシオペアファイバが完成した。  

さて、実際に手にした私の第一印象。

第一に、大きさと重さが最大の魅力だ。リブレット100の大きさとほぼ同じで(幅210×奥行き132×高さ25.4:ファイバの方が少し薄い)、重さは、リブレット70とほぼ同じ(840グラム)。レッツノートコムもバイオPCG-C1Sも、この大きさを体験すると、とても持ち歩く気になれない。

第二に、6.7インチTFT液晶で800×600(SVGA表示)というのが最大の魅力だ。小さい字もくっきり見える。

第三に、CPUは省電力型サイリックス MediaGX200(MMX対応)を使用しているが、十分に速い。初期出荷のころは、遅かったらしいが(そのために売れなかった)、今では改良されているみたいだ。

第四に、電池の持ちも悪くはない。標準バッテリーで2時間はOK。

問題点は、

第一に、内蔵FAXモデムの外部端子がモジュラージャックを直接接続できない点だ。特殊な付属コネクターなしではつながらない。

第二に、やはり片手でドラッグ&ドロップできないのはつらい。右ボタン・左ボタンがマウスパッドから遠く離れている。

第三に、本体の角が、少し使うと色がはげてきそうなデザイン(色と形と材質)になっている。不安だ。柔らかい布製のケース(袋?)にいれないと、すぐダメになるような気がする。

とにもかくにも、4日間たって、まだ計2時間くらいしか使っていない。これから例のごとく、OED世界大百科事典アトラス地図現代用語の基礎知識、英和・独和・仏和辞書など、ありったけのCD-ROMデータベースをハードディスクに落とし込んで、6.4ギガの威力を十二分に味わいたいと思う。乞うご期待。

(1999/6/21 芦田宏直)

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