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イチローはよかった ― 世界野球大会によせて
(2006-03-21 23:01:38) by 芦田 宏直


今回のWBCは、イチローがすべて。大リーガーでも第一人者のイチローが、日本チームの代表としていつにもない表情で戦う。イチローがこんなにも興奮する大会、というのは、よほどスゴイ大会なんだ、とみんなが思い始めた。それがこの大会の盛り上がりの全て。もともと野球の世界大会なんありえないと覚めた思いで見ていた日本人にとって、このイチローの態度は異常に見えた。

いつもは冷静で、コメントさえ出さないイチローが素直に試合への執念を毎日毎日語る。特に決定的だったのは、韓国戦でイチローが場外のライトフライを取り損ねたシーンだった。自他に耐えきれない怒りをよせて、フェンスを蹴ろうとしたが、その足を我慢して蹴り留まったシーンは、感動的だった。口先だけで盛り上げているだけではなくて、心底この世界大会にかけているイチローの気持ちがよく表れた瞬間だった。私もこのシーンはジーンと来た。“日本チーム”を応援すべきだ、と思ったのは私だけではあるまい。たぶん、これが今日の優勝を呼び込んだシーンだった、と思う。

誤審騒動もメキシコのがんばりも、すべてはイチローがそのことについて語る、その語り口に日本の国民は一喜一憂した。すべてイチローの毎日のコメントが巻き起こしたひろがりだった。アメリカは早々と脱落していったが、イチローが野球の国アメリカが育てた大リーガーであったからこそ、日本人はこんなにも盛り上がった。イチローはすごいし、アメリカもすごい。

残念なのは、そのイチローが帰国(凱旋帰国)せずにそのままアメリカに留まるということだ。帰ってきたイチローを直接祝福したり、帰国後のコメントも欲しかったが、それはできない。残念だ。大リーガーイチローが帰国しないというのは当たり前のことだが、真のヒーローはいつも遠いところにいる。その(遠い)イチローが今回一生懸命、近くへと語り続けてくれた。ありがとう、イチロー。

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