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症状報告(62) ― 特技は難病[家内の症状報告]
(2004-11-23 23:23:17) by 芦田 宏直


自閉症の少年なのに、音楽を一度聴いただけでピアノで再生できる(そんなニュースを日本テレビでやっていた)。森山直太郎の『さくら』をはじめて聞いて、「スペイン語だ」と言って(お父さんに「日本語だよ」と訂正されながら)、ピアノで弾きはじめ、二度目には「僕らは … 」と歌詞付きで(知らない日本語の歌を)歌い始めた(一回しか聞いていないのに)。〈世界〉がこの子には『音』そのもののように開放されている。たいしたものだ。

そばで(まだ充分立てないで)ソファで横たえていた家内に、「あなたには(こんなふうに世界に馴染む)特技がないの?」と聞いたら、「あるわけないじゃないの」と言われたのだが、その時ふと思った。「そうだ。あなたにとっては普通の人が滅多にかからない難病にかかっているのが、特技だよ。しかも国家認定の“特技”だから、すごいよ」。「いやだよ。そんな特技」。美しい自閉症児の再生のニュースがだいなしの夫婦の会話で終わってしまった。

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