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校長の仕事(15) ― わが学園祭を評価する[校長の仕事]
(2004-10-30 23:56:54) by 芦田 宏直


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今日・明日は、わが東京工科専門学校(http://www.tera-house.ac.jp/index.html)の学園祭。車で今日都内を走っていてもたくさんの「学園祭」風景が飛び込んできた。以下は今日一日目の感想。

1)館内表示、教室案内、作品案内が杜撰

?各階のエレベータを降りたスペースに表示板がない。だから何科のフロアなのか教室の中にはいるまでわからない。

?さらにフロア内の教室の入り口に科や学年の表示板(案内)がない。教室の中に入って作品展示を見るまでは科、学年がわからない。

?教室内の待機学生(作品の説明係)が貧弱。ひとりも学生のいない科がある(そちらの方が多かった)。その割に展示のない部屋にダラダラと学生がたむろしている光景を多数見た。

?教室誘導が唯一優れていたのは3Dデザイン科(6階フロア)だったが、教室内が3D映像大画面投射を中心に構成されていたため教室内が暗く、少し排他的な感じがしたのが残念だった。

2)作品コメント、作品評価が杜撰

?今年の科作品(建築・インテリア系の2D/3DCAD作品、建築模型作品、3D・WEBデザイン科のCG作品)については、作品を展示するだけではなく、作品評価と作品コメントを必ず付記しようという校長方針を出した。授業中の作品評価やコメントがいつも不徹底で学生からの不満の声が多かったことも考慮してのことだ(提出してもコメントしてもらえない、という不満)。

?A、B、C、Dの四段階表示で評価を行う、という点では、たしかにほとんどの科作品にそういった評価が付いていたが、肝心のその「A、B、C、D」が何なのかがどこにも説明がない。これでは何のために評価を表記したのかわからない。

?同じように、評価者(あるいはコメント者)の説明もない。ただ名前を書いただけでは、どこのだれかもわからないのだから、評価もコメントもその意味が半減してしまう。評価者の経歴、専門分野、担当科目を顔写真付き(できることなら授業風景写真)で紹介できれば、評価の説得力はもっと増すに違いない。

?コメントもなかなかまじめなコメントが付いていたが、全体に字が小さい。折角時間をかけて書き込んだにもかかわらず、字が小さくては見えない。会場は小さい子供たちと中年以上の人が多い。難しい漢字を使わないこと、小さな字を使わないこと。来年度は気を付けたい。

3)出店(食べ物)の出店意欲が弱い

?お好み焼き、焼そば、たこ焼き、フランクフルト、おしるこ、おでん、などバライティある食べ物が出ていたが、この「お好み焼き」はどこが他のお好み焼きとちがっておいしいのかを聞いてみると誰もこたえようとしない。そう思ったのは、ポスターの審査をしているときだ(館内の表示ポスターに関しては、木曜日〜金曜日2日間をかけてすべて校長審査をした)。どの店のポスターも「お好み焼き」「焼そば」など、そのまま“物”の名前が出ているだけで、かりに形容されていても「おいしい」とか「あたたたかい」としか書かれていない(まるで高校生・中学生なみのポスターだ)。それでは購買意欲はわかない。

 「おしるこ」の食券を売りに来た女子学生に「どこの小豆を使うの?」と聞いたら、「そんなの知らない」で終わる。「お母さんに、小豆はどこの小豆がいいの? くらい家で聞いてみろよ」とアドバイスしておいたが、そういった検討がどの出し物についても成されていない。“唯物主義”に陥っている。これでは専門学校の学園祭出店とは言えない。

?出店の設置位置も「くじ引き」で決めたらしい。これもどうかと思う。出し物の内容も考えて店の位置を考える必要があるからだ。学生たちは自分の出し物のことしか考えておらず、お客さんの全体の流れを考えずに、“場所取り”を決めている。これも意味がない。

?(それと関連して)開催日の前日にわかったことだが、「たこ焼き」屋がないことに気づいた私はショックで(学園祭にはお好み焼き、やきそば、たこ焼きは三種の神器でしょう)、ただちに学生たちに「なぜたこ焼き屋をやらないのか!?」と叫んだが、みんな「今頃言ったってもう遅いよ、校長。何でも自分の思い通りになると思ったら大間違いだよ」と逆になだめられてしまった。

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