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何度も言っているが、最近騒がれている“次世代”記録メディア、ブルーレイディスク(http://www.keyman.or.jp/search/a_30000184_1.html?vos=nkeyadww00000001)やHD-DVD(http://e-words.jp/w/HD20DVD.html)には、もう一つ肩入れする気が起こらない。一番の不満は、ハイビジョン放送で流される4時間15分の『紅白歌合戦』をどちらも丸々録画できないからだ。
D-VHS(http://www.jvc-victor.co.jp/video/dvhs/hm-dhx1/index.html)なら、(安い値段でhttp://www.kakaku.com/prdsearch/detail.asp?ItemCD=203080&MakerCD=83&Product=HM%2DDHX1#ShopRanking)丸々ハイビジョンで録画できるのに(最長4時間20分のハイビジョン記録ができる!)、ブルーレイではその半分も記録できない。私の家では未だにハイビジョン生放送の画質と音のままに島倉千代子の『人生いろいろ』と前川清の『そして、神戸』が見られる。毎日が紅白歌合戦。毎日が大晦日。これは快感という他はない。
しかし、紅白の視聴率が落ちてきた最大の要因は、70年代に始まるベータvsVHSのビデオ録画時代からだ。私はそう思っている。生放送でしか見られないから、紅白は紅白だった。それは季節の風物詩そのものだった。家族のすべてが、夜の9:00にテレビの前に揃うようにして大晦日が存在していた。それは大晦日の時間そのものだったのである。
現在の視聴率競争もビデオ録画の時代では、生放送もまた再現されるものとしてしか意味がない。“生放送”というのは、それ自体が演出の(あるいはコスト削減の)手法にすぎなくなったのである。
今年の紅白の低視聴率もK1の“生放送”の迫力に負けたのだなどとありがちな批評に晒されているが、そんなことはウソだ。単に「紅白」が面白くなかっただけのこと。
なぜ、今年の紅白は面白くなかったのか。
1)カメラがよくない。「人生いろいろ」の時にも和田アキ子や小林幸子ら20人くらいが後ろを取り囲んでいたが、それを引き(クレーン画像)で映したりすれば、あの大ステージでは貧弱きわまりないカメラになる。なぜそんなアングルを選ぶのか。気が知れない。昔のようにスクールメイツが100人単位で出てくるほどお金がかけられないのだとしたら、後はカメラで勝負するしかないのに、そのカメラワーク自体が凡庸そのものだった。マツケンサンバを歌ったときが視聴率の最高地点だったらしいが、それはダンサーの物量で画面(=舞台)に迫力が出たときだったからでもある。最近は北島三郎の紙吹雪さえなくなっている。
歌番組のカメラワークでは、昔のシオノギミュージックフェア(フジテレビ)http://www.fujitv.co.jp/b_hp/mfair/ が最高だったが、紅白のカメラ陣はそう取っ替えする必要がある。
私の考えでは、一層のこと、アメリカのテレビドラマ『24』(http://www.so-net.ne.jp/24/)のカメラ陣くらいが、紅白の舞台をカメラに収めて欲しい。特にシーズン?(http://www.foxjapan.com/dvd-video/24/index_frames.html)の前半中の前半、監獄からの脱走の一連のシーンの迫力はカメラの勝利だった。あのカメラで紅白を取れば、どんなにつまらない歌手が出てきても紅白は盛り上がる。
そもそも、日本映画もそうだが、カメラで惨敗している。アメリカ映画にだけではなく、韓国映画にさえカメラに負けている。情けないくらいだ。お正月にはテレビで『踊る大捜査線 レイインボーブリッジを封鎖せよ』(http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD3050/)をやっていたが、まるで高校生の8ミリ映画並みのカメラだった。カメラ(と音楽)が悪くては、どんな脚本もまともなものにはならない。
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