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愛車の不幸(私の車が息絶えた)[日常]
(2005-05-31 23:58:01) by 芦田 宏直


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悲劇というものは、続いて起こる。

昨日の朝、クルマの調子がおかしかった。まずアンチロックブレーキの警告灯がついた。続いてエアバックの警告灯がついた。そうしているうちに、ナビのモニター画面が消えた。なんだろうと思っている内に、バッテリーの警告灯が付いたり、消えたりしはじめた(でも消えている間の方が多かった)。これはバッテリーかな、と思い、マニュアルシフトに変えてエンジンの回転数を出来るだけ上げるようにした。特に信号待ちの時などは、ニュートラルにして、4千5千と回転を上げてみた。すると消えていたナビのモニターが一時的には復活する。やはりバッテリー系だな、と判断。でもそう思っている内に学校に着いた。

私は、そのことをすっかり忘れていた。昨日は帰りの駐車場でエンジンをかけたときに、それでも普通にエンジンがかかったが、でも走り出した途端に、やはりメータ周りのライトがくらい。夜は8時の時間。しかも雨が降っている。だからワイパーも回すから、これでは家まで持たないかもしれない。私は、昨日一日、帰りの車が不調であることを忘れていた。

これはただごとではないが、電車で帰る気にはとてもなれない。まずは、ヘッドライトをつけずにスモールで走る。マニュアルシフトモードで4千回転以上で走り続ける(私の車は高回転を全く苦にしない)そうこうしているうちに、ワイパーが動かなくなってきた。ということは、ブレーキを踏むのもランプがついて電気を食う(だんだん映画『アポロ13』みたいになってきた)。これは、高速道路で帰るしかない。ワイパーももう動かない。前が見えない。7千回転くらい上げると少しずつ動くがそれではまったく役にたたない。

暗い気持ちになっていたが、そもそも昨日は午後から吐き気がしていて気分が悪かったから(先週木・金のオーバーワークが響いていた)、これくらいの不幸はどうということもない、というわけのわからない勇気と無知に満ちていた。

息絶え絶えで自宅の駐車場にバックで入れようとしたら、今度はハンドルが動かない。パワステが動かない。最悪だ。サイドミラーの角度を変えようとしても動かない。そもそもウインドウが開かない。ドアを開けながら(目視でラインを揃えながら)、バックするしかない。

とりあえず、車庫には入れたが、ここでエンジンを切ったら終わりと思い、最後に2、3分、7千回転くらい回して少しでも“充電”。明日ディーラーにまでは(正規ディーラーは川崎だから諦めて、世田谷・瀬田の“準”ディーラーまでは約3キロくらいか)バッテリーはもつかもしれない。

そして今日の朝(車の故障どころか、吐き気で午前中、学校を休んでしまったのだが、でも9時には起きて)。まずは準ディーラーにかけてみると、ファンベルトか、オルタネーター(発電機)か、バッテリーか、どれかでしょう、と普通の答え。でもわかりました、今から持っていきます、と返事。

そこで危険性(よく考えてみると昨夜の“走行”は無謀そのものだった)を察知して、JAFに電話をしてレッカー車を頼んだ。「引きずりタイプのレッカー車じゃないのをお願いします」と言ったら「今から2時間くらいかかります」。「それは待てないな。明日にします」と諦めた。

そうしてもう一度車庫のクルマのエンジンをかけたら、これがまた動くではないか。さすが、我が愛車。レッカーなんかで、私を惨めにさらさないでください、と言っているかのようだった(と私の勝手な解釈)。

ここから、私の地獄の3キロが始まる。南烏山2丁目の自宅からまず環状8号に出る。いつ止まってもおかしくはないから、左端の車線を走るが、もはやナビもラジオもかからない。オドメーターも表示されない。多分、ブレーキランプもついていないのではないか。しかし、まだ世田谷通りの交差点まではウインカーは付いていた。しかし、ブレーキランプは厳しい。だから、マニュアルモードでエンジンブレーキで走るしかないが、ところが、今日の朝は、マニュアルモードにさえならなくなっていた。世田谷通りの環八立体交差点の上り坂で、最悪の渋滞。このときにはもうダメかと思ったが、ハンドブレーキを思い切り締めて、エンジン回転数をあげるしかない。登り切った後には、赤信号の度にニュートラルにして、エンジン回転数を上げ発電するしかない。何と反社会的なドライバーであることか。

そして最悪の事態が起こった。瀬田の交差点を渡った(準ディーラーは交差点を20メートルくらい越えた環八通り沿いにある)。しかしその前からブレーキランプもウインカーも付かない状態だった。後続車が来ている。どうしようと不安だったが、すぐにディーラーの玄関に左折して入れば良いだけのこと。(そう思いながら)「着いたぞ」と内心叫んで、ハンドルを切ろうとしたら、切れない。パワステが動かない。ディーラーの玄関前は、歩道で、歩道と環八を分けるガードがそこだけは空いている。ガードが切れる柱の前で曲がりきれない私の車が止まった。フロントのナンバープレートが、丁度その柱の前に位置していた。クルマは環八の左車線に9割以上出たまま止まってしまった。歩道に入り込んだのは、左のヘッドライトくらいのものだった。

私は、直感的に追突をおそれ、バックミラーを見たが、急ブレーキをかける軽自動車が映った。後続のクルマのドライバーにしてみれば、まず

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