昨日(4月29日)は、今年初めての学校見学会。毎回、来年度入学を検討する見学者を前にして会の冒頭、ちょっとした挨拶をするのだが、これが難しい。
講演会などは一種の“講義”だと思って、“聴衆”を学生とみなして話せばいいが、見学会の参加者は、まだわが校の学生になるかならないか定まらないグレーゾーンの“お客様”。私は“お客様”に向かって話すのが不得手。元来、教員というものは、“お客様”意識が持てない人種。どんなときでも“先生気取り”で話してしまう。今日も入学相談室(わが校の学生募集担当部署)の担当者から、「もっとわかりやすく、内容を絞って話してください。話が長すぎます」と怒られた。藤田さん、毎回スミマセン。
以下が昨日10:30から行った挨拶(話したことを思い出しながら、足したり引いたりかなり修正しています)。なお、PDFファイル版(http://www.ashida.info/doc/kengaku_vol1.pdf)も用意しました。こちらの方が見出しも付いて読みやすくなっています。内容の若干修正しています。
●ご挨拶
今日(4月29日)は、ゴールデンウイーク初日でもありお忙しい中、お越しいただいてありがとうございます。私ども、毎年「学校見学会」をこのように開催しておりますが、皆様の立場に立って考えると、学校選びほど難しいものはないだろう、と思っております。こうやって見学会を主催しているわれわれ自体が、いったい何をこの短い時間でお示しすればいいのか、毎年毎年、毎回毎回悩んでもおります。
教育の成果はなかなか形に見えない、数字に表しづらい、とも言いますが、まさにそういった点からも「見学会」で何をお示しすればいいのか、私どもも日夜悩んでいるところです。
しかし毎年、学生を迎え、日々学生、教員ともども学びの場を形成しているわれわれ自身が、何をわれわれの〈教育〉と考えているのかを真っ先に示す必要がある、必要のみならず義務があるとも思っております。
今日は、われわれ自身がどういったことを「専門学校の教育」と考えているのか、大学教育や高校までの教育と何が違うのか、その成果や実績はどうなっているのか、他の専門学校や大学と何が違うのか、それらをじっくり「見学」「体験」していただきたい、と思っております。われわれの方も、イベント色、営業色を一切廃して(そもそも私どもの学校は営業が大変下手な学校であります)、ありのままの学校をお示ししたいと、今回の「学校見学会」を用意させていただきました。今日一日よろしくお願いします。
●学校がつぶれる?
戦後、絶対につぶれないと思われてきた銀行と学校がつぶれる時代が訪れました。私が皆さんの年齢の頃には考えられなかったことです。どちらにも共通することは、二つあります。
?時代の変化にもっともついていけなかった組織であること
?大学卒(学歴社会の勝者の一部)が作ってきた組織であること
この二つです。「先生」という人たちは、一度学校に入ってしまうと(その“職”についてしまうと)、社会や世の中のことに耳をふさいでしまい、学生を勉強させることには心を砕きますが、自らが勉強することは忘れて、世の中の変化から自らを閉ざしてきたのです。だから学校で学ぶことが世の中に出て役に立たない。大学や専門学校を出ても就職ができない。
そんな、学校でしか学べなかった人(世の中で役に立たないことしか学べなかった人)がリーダーとして君臨している銀行や学校が、本当につぶれ始めたのです。
逆に言うと今の世の中は、学校で学んだことだけではやっていけないほどに変化が速いということです。世の中がこれから必要としているものについての勉強が足りない。それが「学校」という存在でした。
●質の高い就職ができる学校、東京工科専門学校
われわれは、そのことを真っ先に意識して、他のどんな学校よりも本格的に教育改革、カリキュラム改革を行ってきました。
世の中に役立つことを学べることの最大の指標の一つは、学校にとっては〈就職率〉というものになりますが、私どもは、年度末の就職率が100%であることはもちろんですが、8月末でも81%の就職率を誇っています。