昨日は、台東区浅草橋にあるリコーテクノシステムズ(http://www.r-ts.co.jp/)本社に行ってきた。
全国の事業部長以上を集めて、経営会議を午前中に行った後、午後からは、私の講演研修。事業部長だけではなく取締役も参加。それに、メーカーのリコー(http://www.ricoh.co.jp/)、リコー販売(http://www.r-hanbai.ricoh.co.jp/)、要するにRICOHグループ他2社の事業部長も参加。総勢85名を超える上級幹部職のみなさんに、よりにもよって私が講演。
こんなことになったのもわけがある。
昨年の暮れ、私の学校の卒業生が欲しいと、リコーテクノ東京支社長の山下さんが直々に学校を訪問されたので、急遽私が対応し、「今の段階で就職していない学生は私としては推薦しづらい」「優秀な学生は早く就職が決まるし、今年も私の学校は8月末で80%以上の学生が就職しているから、余計に推薦しづらい」と正直に申しあげたのがことの始まり。そのとき、私は何を山下支社長に話したのか覚えていないのだが(しかし1時間くらいは話していた)、その後少し経って、同行していたマネージャーの木口さんから突然以下のようなメール。
「リコーテクノシステムズの木口でございます。実は当社の支社長山下が訪問した際に、お聞きしたお話の内容に大変感銘をうけたことを、社長川村に報告したところ是非とも校長先生にお会いしたいと申しております。お忙しいところ恐縮ですが、一度お会いいただけませんでしょうか」。
こんなメールが年明け早々の1月14日に飛び込んできた。何に「感銘」されたのかわからないままに、では、と言って1月27日を指定したら、本当に社長の川村収氏が、東中野くんだりの狭い校長室に直々にお出でになった。
ところがたいへん気さくな方で、しかも個性的。「芦田が個性的というのだから、かなり個性的なんでしょう」と、この間かなり言われたが、そうでなくても、支社長の偶然の言葉一つで、「よし学校へ行こう」と決断されること自体が“個性的”。
私は(大企業の社長をお迎えするには)かなり狭い校長室で恐縮しながら、現在の学内改革の話をご紹介したのだが、「いやー面白い、面白い」をただひたすら連発されるだけ。最初のうちは、この社長、私の話、真剣に聞いているのか? と思うくらいに「いやー面白い、面白い」ばかり。私は初対面でとまどうばかりだったが、「一度、私の会社の幹部たちに先生の今おやりになっている教員組織マネージメントの話をしてもらえないか」と持ち出された。また面食らってしまって「私でお役に立てるのなら、いつでも」と二つ返事。
嵐のように30分くらいで立ち去られたが、社長一流の“社交辞令”とタカをくくっていたら、また木口さんからメールが来た。
芦田校長先生
大変お世話になります。
先日、お話があった講演をお願いしたいのですが。
2月28日(月)に当社の経営者会議が行なわれるのでその際に講演を1時間〜2時間くらいお願いできないでしょうか。
開始時間は先生のご都合に合わせて何時からでも結構です。
このメールが2月7日。
本当の話になってしまった。
私はすぐに木口さんに電話をし(メールでやりとりをしている場合ではない)、「参加者の役職や人数が決まり次第教えてください」とお願いしたが、木口さん自身が本当のことになってとまどっている感じ。「大変だね」と言うと「大変ですよ」と素直な木口さん。
2週間ほど経って、「人数は全部で85名。事業部長以上が中心」と連絡が入った。「事業部長って、部長職?」ってバカな質問をしたら、「それ以上ですよ」と。「しかも全国の事業部長が集まります」「東京支社の、じゃないの」「それが全国なんですよ。私も驚いています。メーカーのリコーやリコー販売の事業部長も一部加わります」「あなたもますます大変だね」「そうなんですよ」。
そして昨日の講演会になった。
何といっても社長の川村さんが音頭を取られているため、本社ビル(CSタワー)18階のエレベータを下りた途端、列をなしたかのようなたくさんの社員(しかも幹部社員)に出迎えられて面食らう。われわれは、理事長のお客様でもこんな丁寧な扱いをすることはない(まして校長の客なんて…)。学校というところは、なんといい加減なところか。
話の内容は、「コマシラバス」を中核に据えた、授業管理の仕組みについてのものだった。教育の中核は、90分の授業。学校教育の最小単位である“90分の授業(1時限毎の授業)”に評価の仕組み(それをわれわれは「AG評価」と呼んでいるが http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=297 )を組み込むとあとは、目標設定から達成評価の全指標が必要に応じて自由に取り出せる。