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永坂田津子5回忌と“底辺校”教員とB4版論争と[教育]
(2005-02-06 14:42:03) by 芦田 宏直


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週末金曜日は、恩師山田先生(永坂田津子)の5回忌ということで(http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?tw=&log=&search=%89i%8d%e2&mode=and&v=255&e=res&lp=249&st=0)、東陽町(江東区)のご自宅に行ってきた。今は長女の千果(ちか)さんが住んでおられる。ところが東陽町は以前と比べて大きく変貌。地下ホームは以前の3倍の大きさ。登りも下りのホームにも上下のエスカレータができている。ほとんど最終便(深夜0時を超えていたが)になってしまった帰りのホームの風景にはもっと驚いた。たくさんのサラリーマン(しかも知的な)であふれている。考えられない。東陽町の海側と言えば、運転免許試験所くらいしかなかったのに、たくさんの企業の研究所などができているみたいだ。テレビ朝日の一部も来ている。

参加者は私を含めて6人。山田先生の間近で薫陶を受けた者(しかも千果さんを直接に知っている者)だけを中心に集まった。いつも私が山田宅にお邪魔するといただいていたネギトロ寿司が用意されていた(寿司を食べる場合、私はネギトロを“ごはん”、にぎりを“おかず”にして食べる)。私は当日、学校の組合の20周年記念式典に来賓で呼ばれていて5回忌参加が遅れたのだが、1時間以上遅れてもしっかりと私分のネギトロは“確保”されていた。それが心配で心配で駅からタクシーで駆けつけたが、さすが千果さん。

ところで、この集まりで大論争、勃発。某県立高校で教員をやっている参加者の一人の片岡がくだらないことを言い出した。

「底辺校では、授業に集中することなんかできない。授業中でも廊下に残って教室に入らない学生がいる。それを無視して授業をやるわけにはいかない」(片岡)

「それはあなた自身が教室に入ろうとしないからだよ。あなた自身が教室に入らないから、あなたが授業に集中しないから、廊下に残る学生がいる。その学生はあなたの授業自身が面白くないと叫んでいるだけだよ」(芦田)

「でも、実際に教室に入らない学生がいれば、入れようとするのが教員の役目でしょ」(片岡)

「たしかにそう。でもそれはあなたの役目じゃない。あなたは授業を担当しているのだから、教員室には他の教員もいる。学年主任もいるかもしれない。校長もいるでしょ」(芦田)

「いや、違うな。もうそういった生徒は、勉強をするというよりは、その子の生活そのものが問題で、生活自身の問題だ。勉強や授業の問題以前なんですよ」(片岡)

「僕もそう思うよ。でも、それを言うのなら、あなたも教室外(=授業外)で生徒を教室に入れようとしているのだから、あなた自身の生活が露呈しているのよ」(芦田)

「どういうことですか。わからないな」(片岡)

「だから、俺(片岡)って何でこんな学校で仕事してるのかな、と思いながら、“底辺”学生対応しているのよ。あなたは。でも自分には妻子がいるし、50歳近くにもなって今さら別の仕事に就くわけにもいかないし、仕方なく、生徒を“仕事上”(つまり“権力”として)教室に入れようとしている。“教員”ならそうすべきだというように。それは、あなた自身の生活(生活としての権力)でしかない。学生の生活が露呈しているように、あなたの生活も露呈している。その風景が廊下(=教室外)でのぶつかりあいだよ。両者の“立場”はその意味では対等だから絶対に解消しない」(芦田)

「僕だって、授業に集中したいですよ」(片岡)

「そうじゃない。授業に集中しないから、教室の外にいる生徒が存在するのであって、廊下外の生徒の存在は、あなたの授業を生徒が評価した結果に過ぎない。それは結果であって、あなたの授業の阻害要因ではない。そういう言い方は、私は(自分の学校の教員や他の学校の教員からも)山ほど聞いてきたけれども、問題を棚上げにして自己保身しているに過ぎない。生徒はあなたの授業が面白くない、つまらないと言っているんだよ。教室内でそのことが言えないのは、あなたが“国語”を正しく教えないからだけのこと」(芦田)

「そうかな。だって、ひらがなも読めない生徒なんですよ。そんなところでどうやって授業をやれと言うんですか」(片岡)

「ひらがなって?」(芦田)

「dとbとの区別が付かないんだから」(片岡)

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