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報告が遅れたが、家内は先月3月25日に「再発」。2003年3月14日に発症して(http://www.ashida.info/blog/2003/03/hamaenco_3_24.html)、この5年間、3月に「再発」しなかったことはない。
季節の変わり目にはいつも弱い。2003年の3月も重い風邪を引いていて、鼻が完全に詰まるほどだった(家内にしては珍しいほどの風邪だった)。
今年の3月も案の定、「再発」。
家内の場合には、パルス(ステロイド)が良く効くので、一気に炎症が広がり症状が悪化するということはない(今のところ)。この病気は、どこそこお構いなく中枢神経の炎症が次々に起こり、最後は呼吸中枢がやられ、一気に死に至ることもあるらしいから怖いと言えば怖い。それにパルスが全く効かない人もいる。
家内の場合は、炎症は(幸いなことに?)脊髄に集中しており、パルスも良く効く。この5年間で20回近くも「再発」し、杖をついても10メートルくらいしか歩けなくなったが、20回も再発した割にはましなほうか。しかし特にましとかひどいとかの基準がこの「難病」にあるわけでもない。
2003年以来、MS(多発性硬化症 )と言われていたが、2007年2月に「NMO」(=DEVIC病)ではないかと疑われ(http://www.ashida.info/blog/2007/02/post_188.html)、今日に至っているが、それでもまだ何が何だかわからない。MS(CMS+OSMS)もNMOと同じように液性免疫疾患であり、両者は明確には区別できない(のではないか)という発表も今年の1月になされているくらいだ(Annals of Neurology誌)。
NMOも「ADEM(Acute Disseminating Encephalomyelitis:急性散在性脳脊髄炎)」という成人には稀な病気と症状が似ており、ハーバード大神経内科の医師らはNMOは(NMO-IgGが陽性であっても)chronic DEMの一型であると指摘しているらしい。
ADEMもまた原因不明の脱髄疾患。ADEMは単発性であることが多いが、家内の場合のように再発性のものもあり、recurrent ADEMとかchronic DEMと呼ばれ、NMO/MSとの鑑別が問題になることがあるとのこと。臨床病型やMRI画像所見はMSよりもNMOに近いものが多い。
このADEMは冬から春にかけて「再発」することが多く、上気道炎の原因となるウイルス感染がこの時期に多いことが、その理由ではないかと言われたりもしている。その点では家内の再発の経緯に似ている。
さて、今回も家内の症状には良く効く免疫吸着を4月上旬に行った。
免疫吸着も家内には副作用もなく効果もはっきりと体感できる。ただし免疫吸着は効果が持続しない。「予防」とまではいかない。月に一回くらいやれば「予防」効果があるのかも知れないが、そんな頻度でやると「カテーテル」の抜き差しの危険の方がはるかに高まる。難しいところだ。
家内の場合は、免疫抑制剤がダメ。イムラン、プログラフ、ネオーラル全てダメだった。イムランは体感上副作用は一切なく快適だったが、服用1ヶ月後肝機能の数値に異常がすぐに出て断念。プログラフ、ネオーラルはどちらも服用後4、5日で胃が重くなり吐き気が強くなり断念。
その後(昨年の9月以降)は経口ステロイドを1日20ミリ以上を維持して、一ヶ月ごとの定期検診時に(予防的な)パルスを行うという手しか残っていなかった。
しかし今回それでも「再発」。これでは寝たきりになるのは時間の問題。
最後の手は、たぶん3つ。
1)免疫グロブリン(IVIg)
2)リツキサン(Rituxan)
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