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家内の症状報告(91) ― 「MS/NMOの専門家」は一体日本に何人いるというのか?[家内の症状報告]
(2008-02-13 22:20:09) by 芦田 宏直


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先の記事、家内の症状報告(90)http://www.ashida.info/blog/2008/02/nmo_nmo.html#more に、おそらくは医療関係者と思われる方からご丁寧なコメントを頂きました。滅多にない勉強の機会ですので、公開したいと思います。家内の症状報告(90)のコメントを頂いたのがきっかけです。もともとはミクシィ(MIXI)の「多発性硬化症」のコミュニティでのやりとりになります。

ミクシィ(MIXI)日記よりの転載

>Pさん

横からすみません。

NMO抗体検査(現在日本で行われているのは厳密には抗AQP4抗体検査です)は保険適用を研究班が強く働きかけている最中ですが、現在は一切保 険適用がありません。また検査手法そのものが標準化されておらず、商業ベースでの検査をしてくれる検査機関もまだありません。現在は、多忙極まる特定の大 学病院(全国に3か所)の医師が、それぞれの研究機関の研究費を持ち出して、空いた時間を使って調べてくれているのみです。よって、特定疾患の認定や公費 助成とは無関係に、検査そのものは全くの無償で行われています。「病名特定以前にその特定のために抗体検査を行うことを病院や医師は嫌がる」というのは誤 解だと思います。そもそも診断の際に行う検査であり、病名特定された場合は検査をする必要が薄れます(ただ、将来的に抗体価が定量化できれば、発症後の病 勢をしらべるマーカーになってくるかも知れません)。

例え神経内科専門医でもNMO/MSの専門家でないと、国内のどの大学のどの先生に検査を依頼してよいか分からないのではないかと思います。また 現在はNMOの診断基準の補助項目のうちの1個になっているに過ぎず、必ずしも診断に必要なものではなく、よほど疑わないと他大学の先生に手間のかかる検 査(現在汎用されている抗AQP4抗体検査は特殊な細胞を培養して遺伝子を導入してAQP4を発現させ、それと反応する抗体を血清から探すという、かなり 手間のかかる検査です)をお願いするのはとても気が引けることなのは理解できなくもありません。ただ、NMO/MSの専門家であれば、検査をしてくれる先 生と顔なじみだったりして頼みやすいということはあると思います。

いずれ保険適用が成され商業ベースで検査ができるようになればどこでも検査をしてくれると思いますが、それまでは神経内科専門医ではなく、NMO/MSの専門家の外来を受診することを強くお勧めします。


●私の返信

私が言いたかったのは、そうではなくて、「お願いするのはとても気が引けることなのは理解できなくもありません」という状況下で、MSかNMOか なんだかわからないままの診断状況が重なって、その上でNMO抗体検査(=抗AQP4抗体検査)を御願いすることは、なおさら難しいということです。依然 として、 NMO抗体検査は患者に開かれていないということですよね。

あなたの言われるとおり助成も何もないとすれば、そしてその意味で新潟大学、東北大学、九州大学の研究者達の善意(この善意も研究費という助成に のっかった善意であるわけですが)に頼っているとすれば、NMOかもしれない日本国内の「MS患者」の決して少なくはない人たちはどうすればいいのか(私 の家内の病院でもMS患者全被験者50名の内、7名が「陽性」と出ました)。一説には日本型MSの30%前後がNMOではないかとも言われている。NMO 治療にとってはこれは絶望的な状況だということですよね。

あなたの言う「よほど疑わないと」というのは、どんな感じなのでしょうか。

? 女性に多いか、年齢が比較的高齢
? 脳内炎症がほとんど見られない人(視神経か脊髄に炎症が比較的集中する人)
? 一回の再発炎症の規模が大きい人

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