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国産掃除機メーカーは反省すべきだ ― フィルター主義掃除機からの脱却はいつの日か[商品批評]
(2007-12-24 12:20:36) by 芦田 宏直


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考えたくもないが、年末の大掃除が近づいてきた。

自慢ではないが、私は、掃除機批評については一家言持っている。昨日も『日経トレンディ』(特集:新製品完全テスト)を書店で立ち読みしていたら、掃除機を取り上げていた。

これを読んでいると、やはり掃除機メーカー(特に国産メーカー)は主婦達をバカにしすぎている。

何度も言っているが、フィルターに依存したサイクロン掃除機は「サイクロン」ではない。

サイクロン掃除機は、サイクロンによって、空気(吸引風)とゴミとをほとんど完全に分離する掃除機を言う。「サイクロン掃除機」というからには、フィルターにゴミが付着してはいけない。フィルター掃除の必要な「サイクロン掃除機」は「サイクロン掃除機」ではない。

日立も東芝もシャープも松下も三洋も、フィルター掃除不要の新製品「サイクロン掃除機」を昨年来出し続けているが、これらの“新製品”は、どれもこれもフィルターにゴミがつまらなくなり、ゴミと吸引風を完全に分離するようになったのではなく、ゴミ除去を掃除機の方で“自動的に”行うようになったにすぎない。依然としてサイクロンではなく、主婦の手間を機械の方でやるようになっただけのこと。フィルターの目詰まりは以前と同じように起きている。

この目詰まり除去、ゴミ除去の不毛さは、これらの機能が掃除が終わってから働くようになっていることだ。掃除が終わるとフィルターが自動振動して付着したゴミを振り落とすようになっている。肝心の掃除の最中のフィルターの目詰まりには全く役立たない。依然として、フィルターに依存した掃除機は(紙パック方式であれ、国産サイクロン方式であれ)、掃除中に吸引力が低下し続け、また排気口から微細粉塵をまき散らしているのである。目詰まりがあるということは、そこで詰まることなく掃除機の外部に微細粉塵が吹き出ているということだから。

フィルター依存の掃除機は、大きなゴミを吸って、フィルターから逃れる微細粉塵を吐いていることをくり返しているだけ、ということだ。要するに掃除しながら、身体に悪い微細粉塵をまき散らしているということ。これでは掃除機ではない。

しかも腹が立つのは、各メーカー、これらのフィルター自動清掃機能をつけたことによって掃除機の値段が8万円前後の高い製品になってしまった。自らの不毛な技術に高い値段を付けてしまっている。

今回の『日経トレンディ』(特集:新製品完全テスト)の記事でも、そのことが再度確認される記事が目立った。

日経のテストで0.5ミクロンの微細粉塵を補足した率は各社以下の通り(吸気と排気に含まれるチリの量を同時に計測。吸ったチリをどれだけ取り除くことが出来るかを計測。)

●シャープパワーサイクロンEC-VX2(http://www.sharp.co.jp/products/living/cleaner/prod04/ecvx2d/f_ecvx2d.html) 
粉塵除去率 73.9%

●三洋エアシスSC-XD1(http://www.e-life-sanyo.com/products/sc/SC-XD1_N/index.html) 
粉塵除去率 84.6%

●松下MC-P7000JX(http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=MC-P7000JX) 
粉塵除去率 30%

●東芝タイフーンロボ VC-105XP(http://www.toshiba.co.jp/living/cleaners/vc_105xp/)
粉塵除去率 41.9%

●日立ロボットサイクロン RS1 CV-RS1(http://kadenfan.hitachi.co.jp/clean/lineup/cvrs1/feature/01/index.html)

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