by ashida(2007-04-22 20:41:30)
●ミクシィ(MIXI)からの書き込みより
「教育力向上のためのIT活用」って一番大事ですよね。私自身は文系出身ですが、就職してからほぼ情報システム系ばかりでした。オフコンから始まって、ワープロの黎明期、パソコン、汎用機との連携、ネットワーク系、unix系と来ています。
結局質問の一番多いのはエンドユーザーからなんです。「教育力」が誰を指しているのかは不明(IT技術を学生に教える教育者なのか、IT企業のサポートセンターや企業システム部門に対しての教育なのか、あるいは自分でエンドユーザーに対して扱い方を教えられることなのか)ですが、是非芦田さんの講義を聴いてみたい気もします。
前職は離れましたが、今も色々な人たちからできないけど(動かないけどどうしたらいい?)とメールなり電話なりで聞かれてばかりです。また。ISPやメーカーのサポートに嫌となるくらい待たされて電話をしても電話を受けた人が回答出来ずにスーパーバイザーなる社員に廻すこともしょっちゅうです。
芦田さんの言う「教育力向上のためのIT活用」というのは物凄く面白そうそうですね。
正直言って上二つの講義は自分でPC・ネットに触っていれば判る話でしかないと思っています。それで引っかかるようであれば、ある意味どんなに高くついたとしても本人の勉強代でしょう。
時間的に聞けるか(芦田さんの都合とか、もしくは私の都合もありますが)どうかわかりませんが、講演内容を是非聞きたい(もしくはどこかで見たい)と思っております。
23日のご活躍をご祈念申し上げます。
by ashida(2007-04-22 20:42:59)
●先の「感想」記事への返信
そのとおりです。現在の教育機関のIT設備投資は、すべて税金の無駄使いです(すべてのIT投資が大量の文科省の補助金でまかなわれています)。
学校のコンピュータ好き(あるいは業者好き)の教授か教員が自分のおもちゃのようにして計画書を書き、勝手なことをやっている、というのがほとんど。だから投資をしても誰も使いません。
それに、この種の投資は、絶えずブラッシュアップしていないと時間が経つにつれて使い物にならなくなります。投資金額の決定は単年度主義ですから、どんどん役立たずのものになっていきます。「そんなにお金がいるのだったらもうやめよう」ということです。
地方の箱物行政と同じです。
要するに組織的な決定と組織的な教育改革の決断がなければ、IT投資は意味がない。1996年に新校舎(東中野校舎=テラハウス)を建てたときに、全館・全教室定員数の情報コンセントを設置しました。
IT関係の科だけではなく、すべての学科でコンピュータ利用が必用になる、と考えたからです。
同時に、すべての教員、すべての学生にノートパソコンを持たせました。学生の場合は自費購入の強制です(実質的には学費の値上げ)。学生が来なくなると募集側の人間が抵抗しましたが、押し切りました。それに見合うだけの教育をすればいいだけのことです。
ノートパソコン導入の理由は以下の4つ。
1)教員が授業のためにパソコンを使わない学校は、学生も勉強のためにパソコンを本気で扱わない。
2)これからの教材作成はインターネットを中心に形成される。というか“教科書”よりもインターネットに無償でばらまかれている情報のはるかに有益で新しい。
3)学校のパソコン教場(=「パソコン実習室」)投資はナンセンス。技術的な進歩が3ヶ月単位で進んでいるのに、3年、5年の償却では耐えられない。ソフトもパソコンも学生に買わせる以外にまともなIT教育は無理。
4)パソコンはノートパソコンを買わせるしかない。「実習室」主義では、時間外の指導と勉強ができない。家庭での復習・予習ができない。学校の授業で使うものと授業時間外=家庭で使うものとを同じ状態にしないと意味がない。
これがわれわれが、96年に決断したIT教育の開始でした。当時は、まだ「イントラネット」のグループウエアがなかったので、アプリケーションは、ロータスノーツを採用しました。学校教育でロータスノーツを本格採用したのはわが校が日本で最初だと思います。
その後、どんなふうに、この貴重なIT基盤を、くだらないITシステムやIT教材開発に走らずに、教務活動=FD(Faculty Development)そのものに使ってきたか、の報告が明日の私の報告になります。ぜひご期待下さい。
by ashida(2007-04-22 20:44:29)
●再度の「感想」書き込み
明日行けるかどうか益々興味が湧いてきました。
私がネットワークに関わり始めた頃は10base5(レモンイエロー)でフラウザーもモザイク(死語)、ネスケの初期版しかありませんでした。
Niftyserve、PC-VAN、日経MIXとかが全盛の時代でしたから仕方ないかとも思いますが、個人用接続にはbekkoameが初めて出た頃ですかね。95年には今は吸収合併された会社のドメインを当時のJPNICから取得し、64Kの専用線を繋いだものでした。
それが96年築の校舎で情報コンセント(10/base/t?)を全部装備するなんてことは相当なリーダーシップを取らないと出来なかったことでしょう。建築屋もCD管埋めとけばいいでしょ、くらいの対応だったろうし、まして学内の反発をよく抑え切れたものだと感動いたします。初期のNotesは重かったし。
ノートパソコン導入の理由についてはいずれも納得できることばかりです。ただ、あえて言わせて戴ければ、
1).はどんなに言っても本人がやろうとしても使えない人間がいること(本気で使いこなそうとしていない)。
2).は学生レベルで本当に有益なのかトンデモ資料なのか判別がつかない場合もある(先生に相談すれば良いだけなんですが出来ない場合もあり得ます)。
3).は全面的に賛成です。自分のパソコンだから使いこなそうとするし、備品だったら常に最新の環境に置くにはどれだけ費用を食うことか…。私は自分で使っていたPCだけは実験的意味という名目で常にOS・アプリとも最新にしてましたが(笑)。
4).も全面的に賛成です。「パーソナル」だから自分の動かしたいようにセットアップして行く。これが本当ですよね。ゲームが落ちていようが構わない。ただ、WinnyみたいなP2Pソフトで自分が感染しているということも判らないおバカだとちょっと困りますけどね。
明日、何とか15:40から時間を作ってみたいと思います。
都合の良いお願いばかりですみません。
# 自宅は無線LANは遅いしセキュリティでもなんとなくいやなのでCAT7の有線ケーブルです。連れはネットに繋がらないと一番困るくせに、モールがあると埃がたまると悪評です。でも上位が100MBだからCAT5でもいいんですけど。
by ashida(2007-04-22 20:45:32)
●再度の私の「返信」
>それが96年築の校舎で情報コンセント(10/base/t?)を全部装備するなんてことは相当なリーダーシップを取らないと出来なかったことでしょう。建築屋もCD管埋めとけばいいでしょ、くらいの対応だったろうし、まして学内の反発をよく抑え切れたものだと感動いたします。初期のNotesは重かったし。
●おっしゃるとおり、古い体質の教員はすべてやめていきました。現在、私の学校にいる教員は最良の教員たちばかりです。中にはインターネットでアメリカの最新情報を集めて一晩でA4プリント40枚の教材を書き上げてくる教員もいます。その最新の授業を学生は聴けるのですから、学生冥利に尽きると思います。
その科の学生は、在籍学生の95%がJAVA、Oracle、UMLのオブジェクト指向プログラミング三大資格をすべて取得して卒業していきます。
この科の学生は在学中に「2ちゃんんねる」「ミクシィ(MIXI)」「楽天」「AMAZON」程度のWEBアプリケーションくらいは自分たちですべて作成できます。こんな学校は大学を含めて私の学校だけです。他の学校は先の資格の合格率数値すら公表していません。学内の古い勢力(「抵抗勢力」)を追い出してでもやった甲斐があるというものです。
面白いエピソードがあります。一昨年、この科でPHPを教えていた非常勤の教員(=実務ではSE)が今年、学生として入学してきました。「PHPじゃ限界がある。オブジェクト指向を本格的に学びたい。学ぶならここしかないと思っていました」と。涙が出るくらい嬉しかったです。
われわれのプログラマー教育の思想は、設計できないプログラマーはプログラマーではない、というものです。特にオブジェクト指向プログラミングではそうです。サンのJAVA資格は1年生の終わりですべての学生が取得しています(社会人でも40%前後の合格率しかありません)。合格点は53点ですが、我が学生たちは平均70点で合格しています(しかも1回の受験で)。その後の1年間はUML(設計仕様書のグローバルスタンダード)を徹底的にマスターして、設計の訓練を行います。
日本にはなかった本格的なSE(システムエンジニア・アーキテェクト)教育を行っています。
こんな奇跡的な職業教育がなぜできたのか、その秘密を話すのが明日の話です。
パソコン導入の1)2)の点ですが、補足しておきます。
1).はどんなに言っても本人がやろうとしても使えない人間がいること(本気で使いこなそうとしていない)。
●この件に関しては簡単なことです。使えないと何事も進めない状態を作ればいいのです。明日お話しします。
2).は学生レベルで本当に有益なのかトンデモ資料なのか判別がつかない場合もある(先生に相談すれば良いだけなんですが出来ない場合もあり得ます)。
●これは、誤解があったのかもしれませんが、学生レベルの話しではなく、教員レベルの話です。勉強熱心で教材開発に意欲のある教員ほどインターネット利用が活発です。逆にパソコン利用に関心を示さない教員は教材開発に無頓着な教員、つまり教育者ではありません。
とにもかくにも、今、明日の話を練っているところです。お楽しみに。